半導体市場動向調査会社である米IC Insightsは、2021年第3四半期(7~9月期)の半導体企業売上高ランキング上位15社(ファウンドリを含む)の予測を発表した。

  • IC Insights

    2021年第3四半期(7~9月期)の半導体企業売上高(予測値)ランキングトップ15、ファウンドリのTSMCと外販のないAppleを含む (出所:IC Insights)

それによると、主要半導体企業(25社)の中で最大の成長率(前四半期比)を達成する見通しなのは同34%増のソニーだが、同社は圏外となる16位にとどまる見込みだという。

第3四半期トップ15に入る日本企業はキオクシアの1社のみ

トップ15社の第3四半期動向を見ると、ホリデーシーズン中の5Gスマートフォンの販売増を見込み、5Gチップセットの仕込みを増やすQualcommとAppleは売り上げを前四半期比で2桁増とすることが期待されるという。また、メモリ大手3社(+NAND専業のキオクシア)も高いメモリ需要にけん引され同2桁増を記録する見込みである。

ファウンドリ最大手で同ランキング3位のTSMCは、先端プセス品を中心に高い需要が続いており、第2四半期を見ると、売り上げの約半数が7/5nmプロセス品となっており、第3四半期も先端プロセスが好調であることから、やはり同2桁増の成長率を達成すると予測している。IC Insightsによると、TSMCの下半期売上高は上半期比で14%増となり、通年でも前年比24%の増加になると予測しているが、もし、これが達成されれば、TSMCは2年連続で前年比20%を超す売上高の成長を遂げることになる。

このほか、注目企業としては11位のAMDで、その売上高は前四半期比6%増と予測されているが、同社の売上高は2020年第2四半期以降急速に伸びてきており、2021年通年でみると売上高が前年比60%増と高い伸びを示すものと予想している。

売り上げ横ばいのTI、下降気味のIntel

トップ15社中、Texas Instruments(TI)とIntelの売り上げの伸びは低調となる見通しだという。TIの売上高は、前四半期比で0%の横ばいとなる見込みだが、Intelはトップ15社中唯一の同3%減というマイナス成長を記録する見込みだという。Intelのガイダンスによると、通年売上高も前年比1%減となっており、2021年の半導体市場全体が同24%増と2桁のプラス成長が予測される中で、その業績不振が際立つ状態となっている。

  • IC Insights

    Intelの2020年第1四半期以降の四半期ごとの売上高の推移。2021年第3四半期および第4四半期は同社のガイダンスの数値 (出所:IC Insights/Intel発表業績およびガイダンス)

なおIC Insightsによると、上位15社の同四半期の売上高合計額は前四半期比7%増となるとのことで、半導体市場は少なくとも2021年末まで堅調に推移していくとしている。