米KLAは、自動車用半導体チップ製造向け検査装置に注力することを決め、カリフォルニア州シリコンバレーの本社に加えて第2本社を自動車産業の密集する米国ミシガン州に設置し、4種類の車載デバイス製造向けに特化したウェハ検査装置「パターンなし鏡面ウェハ表面検査装置」、「高生産性回路パターン付きウェハ検査システム」、「ブロードバンドプラズマパターン付きウェハ検査装置」、そしてこれらの検査情報をもとにした「インラインPATスクリーニングソリューション」を発表した。

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    KLAの車載半導体ウェハ検査装置群 (出所:KLA)

自動車業界は、電動化、接続性、先進運転支援、自動運転の革新といったいわゆるCASEに焦点を当てている。これは、クルマがより多くの電子システムを必要とすることを意味し、半導体チップの需要を促進している。車載半導体チップは車両操作と安全確保の中核であるため、信頼性が極めて重要であり、自動車用チップは厳格な品質基準を満たす必要がある。KLAの新しいウェハ表面検査システムとインライン欠陥スクリーニング装置は、車載半導体チップの歩留まりと信頼性を向上させる目的で開発されたという。

新しい3つの検査装置は、自動車産業向けの特定の技術ノードの半導体チップ製造での原因となる欠陥検出、モニタリング、欠陥制御を行う。パターンなしウェハ検査では、DUV光と速度向上アルゴリズムを用いて、製造装置やプロセスで発生する欠陥を識別し、半導体チップの信頼性問題を引き起こす原因を排除する。

また、パターン付きウェハ検査装置は、ブロードバンド照明を用いて製品ウェハ上の重大な欠陥を高感度で発見するものだという。

そしてインラインPATスクリーニングソリューションは、KLAのウェハ表面検査装置およびデータ解析装置上で動作するもので、最初に重要なプロセスステップにて、検査装置により収集したデータから欠陥の特徴を抽出したのち、カスタマイズされた機械学習アルゴリズムと欠陥管理システムの統計分析機能を活用して、母集団から外れている欠陥識別し、欠陥の可能性があるチップをサプライチェーンから排除することができるものだという。

ミシガン州に第2本社を設置し車載半導体の信頼性向上に注力

KLAは、これら自動車用チップの製造に特化した新製品の検査装置開発に加え、自動車業界と密接に協働していくことを掲げている。そのため自動車産業における電子部品の認定基準を策定する団体であるAEC(Automotive Electronics Council)への加盟や、シリコンバレーの本社に次ぐ第2本社を自動車産業が盛んなミシガン州に設立するなど、自動車業界向けチップが厳格な電子部品品質基準を満たすことができるよう支援していくとしている。

KLAがミシガンを選んだ理由