この半導体ニュースのまとめ

・福岡工業大学が2027年4月に半導体工学コースを新設
・募集人員は20人、全員に台湾の大学への留学機会を提供
・国立雲林科技大学で単位互換による卒業研究にも取り組む

福岡県福岡市の福岡工業大学は、2027年4月に予定している学部学科改組に伴い、工学部先進工学科に「半導体工学コース」を新設すると発表した。募集人員は20人で、少人数教育により、半導体業界で即戦力となる人材の育成を目指す。

同コースでは、学生全員が半導体産業の集積地である台湾への留学を経験する点が特徴となる。留学先として、台湾の国立雲林科技大学を想定しており、現地の研究室に所属しながら、福岡工業大学との単位互換により卒業研究にも取り組む計画だ。

1~3年次で基礎と専門性を習得、4年次に台湾へ

半導体工学コースの学生は、1~2年次に半導体工学の基礎となる物性、材料、電子回路などを学ぶ。3年次からは半導体に特化した知識や技能を身に付け、専門性を高めるカリキュラムとする。

また、1~3年次を通じて、台湾での学修に備えた語学修得にも取り組む。4年次には、全員に国立雲林科技大学をはじめとする台湾の大学への約半年間の留学機会を提供し、現地で卒業研究を進めることで、国内外の半導体メーカーや関連企業で活躍できる人材へと育成する。

  • 「半導体工学コース」の4年間のイメージ

    「半導体工学コース」の4年間のイメージ (福岡工業大学)

TSMCをはじめとする台湾半導体産業に人材を輩出する国立雲林科技大学で学修

国立雲林科技大学は、台湾・雲林県斗六市に位置する国立の科技大学で、工学部や管理学部など5学部で約1万人の学生が学ぶ。1991年設立の比較的新しい大学ながら、革新的な教育プログラムや産学協力の分野で高い評価を受けているという。

  • 国立雲林科技大学

    国立雲林科技大学 (出所:福岡工業大学)

半導体分野では、担当教員の70%以上が実務経験を有し、企業と密接に連携した教育プログラムを展開している。TSMCをはじめ、台湾の半導体関連企業へ人材を送り出している点も、福岡工業大学が留学先として重視する理由となる。

先行して4年生4人が9月から台湾へ

同コースの発足は2027年4月であり、コース生が台湾での学修を始めるのは2030年以降となる見込みだ。これに先立ち、モデルケースとして、福岡工業大学の電子情報工学科4年生4人が、2026年9月から国立雲林科技大学へ単位交換留学に出発する予定となっている。

4人は2027年1月までの約4カ月半の日程で現地での卒業研究に取り組む。2年次に台湾の別の大学へ短期留学した経験を持ち、半導体に関する知識に加え、語学力も高めてきたという。今回の取り組みは、同大学にとって「長期留学」および「単位互換が認められる現地での卒業研究」として初の試みとなる。

九州では、熊本県を中心に半導体関連投資が相次いでおり、半導体人材の育成が地域産業の重要課題となっている。福岡工業大学は、台湾の大学との連携を通じて、半導体製造やデバイス開発に関する実践的な知見を持つエンジニアを育成し、九州の半導体産業の発展にも貢献していく考えだ。