インテックと大成建設は8月26日、スマートフォンを利用して医師・看護師の所在管理を行う低コスト屋内所在管理システム「T-Location.H」を開発したと発表した。

同システムは、大成建設が開発し導入実績のある医療機器所在管理システム「T-Location.ME」の所在検知技術を基に、インテックが開発した非可聴領域の音波と屋内位置特定技術を利用し、医師・看護師の所在確認を実現するという。

具体的には、施設内の廊下やエレベーター、階段などの動線上の分岐地点周辺に音波を発信するID発信機を設置し、対象者がどのエリアに存在する可能性が高いかを解析、推定し、その位置情報を提供する。また、スマートフォンやタブレットの内蔵マイクを使用し、人に聞こえない非可聴領域の音波を検知することで通過履歴情報を管理する。スマートフォンに周辺機器を追加する必要はなく、アプリのみで利用可能。iPhoneおよびAndoridに対応するとのこと(Andoroidは年内)。

システムのイメージ図

医療現場においては、システムにより医師・看護師の所在を確認するにはICタグなどの専用デバイスを携帯する必要があるため、これまでは導入コストが課題とされていた。同システムでは、医師・看護師が常時携帯しているスマートフォンを位置検知用のデバイスとして利用し所在確認を行うことで低コスト化を図った。このシステムを導入することにより、医師・看護師の所在を確認するための手間や時間が大幅に省くことが可能となり、医療施設における効果的・効率的な医療サービスの提供が期待できるとのこと。

医療施設内でのスマートフォンの利用については、2014年8月19日に総務省から発表された「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」によると、一定のルールのもと医療機関において携帯電話等の用が可能となっている。

今後、大成建設は「開発したシステムを医療機関へ積極的に提案し、医療施設における効果的・効率的な医療サービスの実現を支援していく」とし、インテックは「屋内位置推定技術の応用範囲をさらに拡大し、業務の効率化、コスト削減、サービス向上の支援に努めていく」とコメントしている。