成田国際空港(NAA)は12月6日、航空法第43条に基づく空港変更許可申請を行ったことを発表。年間発着枠30万回を念頭に置いた上でピーク時間帯の空港処理能力を向上させ、滑走路の時間値を72回へ拡大することに伴い、エプロンおよび周辺誘導路を整備する。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会や首都圏の国際競争力の強化、訪日外国人旅客のさらなる増加に対応するため、年間発着枠30万回を念頭に、ピーク時間帯の空港処理能力を向上させる方策であるA,B滑走路の高速離脱誘導路の再編を現在実施しており、再編後には時間当たりの滑走路の処理能力が現行の68回から72回へ拡大する。そのため、時間値の拡大に対応したエプロン・誘導路を整備するため、航空法第43条に基づき、国土交通大臣へ空港の変更許可申請を行った。
エプロンの整備として、時間値の拡大に対応するため、B滑走路南側、第2ターミナル南側に新たにエプロンを整備する。新設するエプロンの面積は約18万1,000平方メートルで、新設するスポットの数は15スポットとなる。このエプロンの整備に伴い、既存誘導路の切り替えやエプロンと既存誘導路を結ぶ誘導路を整備する。新設する誘導路の長さは約1,940mで、エプロンの整備を行うため、空港の敷地範囲を約20ha拡大する。
申請上の工事の完成予定期日は2021年9月30日。なお、エプロンについては東京オリンピック・パラリンピック競技大会前までに12スポットを整備し、残り3スポットについては、この完成予定期日までに継続して整備を予定している。
NAAはエコ・エアポート基本計画に基づき、同整備による周辺環境に与える影響についても報告している。なお、同整備はその施設規模から、環境影響評価法および千葉県環境影響評価条例の適用対象外となる。公表する報告書は「B滑走路南側エプロン等整備に伴う環境とりまとめ」(環境とりまとめのあらまし、環境とりまとめ本編および参考資料)で、概要としては、工事中・供用後における周辺環境(大気環境、水環境、生態系等)に与える影響について、調査・予測および評価を行った結果、周辺環境への影響は小さいものとなったとしている。
報告書の公表場所は、NAA本社ビル情報コーナー、NAA北地域相談センター、NAA南地域相談センター、成田市役所空港部空港対策課、芝山町役場総務課、多古町役場企画空港政策課で、公表期間は2017年1月6日までの9時~17時(土日祝日および12月29日~1月3日を除く)。なお、NAAのホームページにおいても報告書を公開しており(12月上旬予定)、報告書について一般からの意見を2017年1月6日までメール・FAX・郵便で受け付けている。詳細はホームページを参照(報告書の掲載は12月上旬を予定)。