• 北海道下川町の保有林

    北海道下川町の保有林

三井不動産グループは、北海道の道北地方を中心に、31市町村にまたがる約5,000haの森林を保有しています。東京ドーム約1,063個分(※1)にあたるこの保有林で、「植える(毎年の植林)」「育てる(下刈りや間伐などの手入れ)」「使う(間伐・伐採適期を迎えた木材の建築資源への活用)」のサイクルを回しながら、サステナブルな森創りに取り組んでいます。

  • 三井不動産グループ保有林の位置と、「植える」「育てる」「使う」のサイクル

    三井不動産グループ保有林の位置と、「植える」「育てる」「使う」のサイクル

森林が健全に維持されることで、動植物の多様性が守られ、土砂崩れなどの災害防止にもつながります。また、森林は二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を緩和します(※2)。

※1:三井不動産グループの森が吸収・固定した二酸化炭素量は、約21,315 t-CO2/年に上る。(2023年1月1日付けの認定数字)
※2:東京ドームの面積=約4.7haで計算

植える、育てる、使うのサイクルで"終わらない森"創りを

01:植える
  • 植林研修写真

    植林研修写真

2008年から毎年、従業員による植林研修活動を実施しています。苗木を1本ずつ植えることで、一人ひとりが森創りの一員であり、未来の環境をつくる存在であることを体感する場となっています。

2022年度の植林研修は、TEAM JAPANゴールド街づくりパートナーである三井不動産株式会社が、一般財団法人冬季産業再生機構・JOCアスリート委員会が取り組む『SAVE THE SNOW ~be active~』プロジェクトと共同で実施し、皆川賢太郎氏(スキー・アルペン)、上村愛子氏(スキー・フリースタイル)、高橋成美氏(スケート・フィギュアスケート)など総勢8名のオリンピアンも参加。三井不動産従業員等と共に、約500本のグイマツを植林しました。

【動画で見る】植林ってどんな作業?

02:育てる
  • 森林管理(下刈り・間伐)の様子

森をすこやかに維持するためには、苗木の植え付けから伐採適期にいたるまで、樹木の成長に応じた定期的な手入れが必要不可欠です。三井不動産グループの保有林では、下刈りや枝打ち、間伐といった手入れを徹底しつつ、計画的に植林をおこなうことで、つねに活力のある豊かな森林環境を保っています。

03:使う

森で採れた木材を「使う」ことも大切です。国産木材への需要の増加は日本の林業の安定性を高め、よりサステナブルな森林管理を可能にするからです。

三井不動産グループでは、保有林で産出した木材のビル開発・住宅開発への活用を始めていますが、この取り組みにより、伐採適期を迎えた保有林での「皆伐」が可能になり、森林保全の健全なサイクルが回り始めています。

三井不動産のサステナブルな取り組みについてはこちら

保有林を活用して未来の地球に貢献!?
国内最大級の木造オフィスビル建設に抱く想いとは

現在日本橋では、高い木造技術を持つ竹中工務店様とともに保有林の木材を使用した木造賃貸オフィスビルの計画の検討が進められています。本プロジェクトのリーダーの西山慎一郎に、今回の取り組みの背景や意義、今後の展望を聞きました。

─はじめに、今回のプロジェクトの概要を教えてください。

  • 三井不動産グループ保有林(北海道)

ビルディング事業一部事業グループ西山(以下、西山):東京・日本橋で、現存する木造高層建築物として国内最大級の木造賃貸オフィスビルの計画を進めています。高い木造技術を持つ竹中工務店様とともに2020年頃に計画検討に着手し、現在は設計を進めているところです。現地では解体作業も進んでおり、「いよいよここに木造ビルが建つんだ」と実感が増してきました。ビル完成後は事務所・店舗のほか、三井不動産が日本橋で展開しているライフサイエンス事業の拠点も計画しています。当計画地を含む日本橋本町には昔から薬品系の会社が多いので、協業が生まれる場にもなればと思っています。

─プロジェクト開始当時は、今ほど木造建物への注目度が高くなかったように思います。建物の主要部分に木を使うというコンセプトは、どのような背景から生まれたのですか?

西山:従来より三井不動産では、SDGs・脱炭素推進の一環として森林保全活動に取り組んできました。近年、地球環境保護の重要度が高まる中、森を守るという従来の活動から一歩進んで、主たる事業である不動産開発で環境保護に取り組めないだろうかという議論が出てきました。そこで、北海道にあるグループ保有林の木材を活用し、環境にやさしくCO2削減に貢献できる建物をつくろうというプロジェクトが始まりました。ビルやマンションのような大規模な建物は鉄骨造がメインとなっていますが、都心に大規模木造オフィスビルを計画することで、未来の地球環境に貢献できないかと考えました。

─木造オフィスビルの建設は、どのようなかたちで環境保護につながるのでしょうか。

  • 当パースは現時点でのイメージであり、今後変更になる可能性があります(提供:三井不動産、竹中工務店)

西山:木材は、鉄骨やコンクリートなどと比較して、建設時のCO2排出量が少ない建築材料です。また、木材は、枯れて土に還ったり燃料として燃やされてしまうと、それまで吸収したCO2を排出することになりますが、建築材料として使うと完成したあともCO2を吸収した木材を建物の中に留め置き大気中に放出しない、すなわちCO2を固定化することができるため、地球環境の保護に貢献することができます。

さらに、海外の木材でなく国産材を積極活用することで、日本の林業に貢献したいという想いもあります。大きな木造建築では、当然たくさんの木材が必要になります。国産材の需要を増やし、流通を活発化することで、林業の経済圏が持続可能なものになってほしい。今回は1,000㎥以上の木材を構造材に利用する予定になっていますが、ここまで大きなビルでの保有林の木材使用は初めての試みなんです。

─テナントや周辺住民の方々にとって、木造ビルの利点は何ですか?

西山:木のぬくもりが、働く方や地域の方々のやすらぎや健康につながると考えています。世界では「人間は本能的に自然とつながりたいものだ」という考えにもとづく「バイオフィリックデザイン」が注目されています。AmazonやGoogleのような企業もこの概念に着目し、オフィスに木材や植物を取り入れて、チームメンバーの生産性や創造性向上に取り組んでいるとのこと。今回建設するオフィスビルも、そういった側面で皆様に貢献できればと思います。

また、SDGs・脱炭素に取り組む企業様・テナント様が、環境にやさしい木造ビルにオフィスを構えることで、テナント様のSDGs・脱炭素の想いをオフィスビルの拠点においても実現できるのではないかと考えます。海外ではこのような動きが増えてきており、日本でもこれから広まっていくと考えます。

─プロジェクトを進める上で、特に苦労されたことはありますか?

西山:日本は地震などの災害が多い国です。大きな建物で木造が採用されない理由として、コストがかかるということもありますが、地震や火災に負けない丈夫な建物にするには高度な技術が必要であることもまた、大規模な木造ビルをつくる上での大きなハードルでした。今回日本橋に建設するオフィスビルでは、竹中工務店開発の耐火集成材「燃エンウッド」を活用して木造ハイブリッド構造を実現するなど、最新の技術をフルに活用することで安全性を高めています。

また、賃貸オフィスビルに求められる機能を意識しながら、利用される方々にとって使いやすいオフィスビルを目指すために、利便性・安全性・環境へのやさしさ・木のぬくもり、そのすべてを満たすため、日々設計に工夫を重ねています。

─周囲からは、どのような期待や声が寄せられていますか?

西山:地域の皆様は、木造ビル誕生を温かい眼差しで応援してくださっています。これからも対話を重ねて、さらなる機能性の向上などに努めていきます。また2020年のプロジェクトの公表以来、好意的な声を多くいただいており、時代のニーズに応えるプロジェクトなのだと実感しています。今回のプロジェクトは計画検討着手の段階でプロジェクトを発表するなど、三井不動産としても大きな挑戦で注目されている物件だと感じますね。

─着工に先立って、今後の展望や意気込みを教えてください。

西山:木造の建物をただつくるだけでなく、SDGs達成にしっかりつながるオフィスビルをつくりあげたいですね。いまの社会にも未来の地球にも貢献できるような木造オフィスビルを実現したいと思っています。

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