――お二人はそれぞれ、どんなスタンスで転職者をサポートしていますか。

木口氏「私は、転職者の方の良き相談者になるよう心掛けています。困ったことがあったらどんな些細なことでも相談して欲しいとお伝えしていて、とにかく話を聞くことでその方の本音を引き出すようにしています」

山口氏「私も基本的には木口さんと同じですね。ただ、転職は企業と転職者の要望に接点があって初めて成功するわけなので、バランスよく間に立ち、その間をつなぐようにも意識しています。時には、転職を成功させるために企業側の視点で厳しい話をさせていただくこともありますね。」

木口氏「私たちアデコは“数撃ちゃ当たる”というやり方はしていませんから、双方の希望をマッチングするためには、転職者側と企業側、どちらの視点も必要不可欠ですよね。」

■IT業界で市場価値の高い人材になって欲しい

転職者へのアプローチの仕方はお互い違うが、根っこにあるのは同じだと語り合う両氏

――お二人はそれぞれ、将来のキャリアを考えた時、何を重視して転職するべきだと考えますか。

山口氏「私は年齢相応のキャリアを作る重要性をお伝えしています。大きな組織だと自分主導ではなく、会社主導でキャリアが作られるケースもあります。そこで、市場に求められるキャリアが身に付けばいいのですが、不幸にも、気が付いたらその会社でしか通用しない、市場価値のないキャリアになってしまったという人もいますから。

その会社が最後まで面倒をみてくれればいいのですが、人員削減などが当たり前になってきた昨今の社会情勢を見るとそうとは限りません。だから、市場価値の高いキャリアを作ることが最大の自己防衛であり、生活の安定につながると思うんです。キャリアがあれば不本意ながら職を失ってしまったとしても、次の転職先は容易に見つかるはずですからね」

木口氏「そうですね。ただ、キャリアも大切ですが、私は“生活”っていうものも考えて欲しいなと思います。そもそも、生活していくために仕事をしているわけですよね。でも、キャリア志向の高い方は転職歴も多く、それを犠牲にして働いているケースが多いのも事実ですよね。そういった人でもある程度の年齢になると安定した生活を求め始めるんですが、長く腰を据えて働けるような会社では転職歴の多い人は取りたがらない傾向にあります。だから、私は、将来的な生活のことまで視野に入れて転職を考えるようにアドバイスしていますね」

――最後に、IT業界で目指すべき価値ある人材とはどんな人材だと思いますか。

山口氏「お客様や取引先から“余人をもって代えがたい”という評価が得られるスキルの高い人材だと思います。どこに行っても自分の名前で勝負できるようになれば、会社がなくなってしまっても生きていくことができますから」

木口氏「私は、業界、もっといえば世の中を変えるようなプロジェクトが動かせる人材ではないかと思います。つまり、大手企業といっては語弊があるかもしれませんが、スケールの大きいプロジェクトを担えるような企業で着実にキャリアを積んで、プロジェクトの中心となって活躍できる人材ということですね。」

両氏に共通するのは「満足のいく転職をするためには、今に不満があるからという“逃げ”の姿勢ではなく、長期的なキャリアを見据えた“攻め”の姿勢が大切」という考え

転職したいと考えてはいるが、決断できずに踏みとどまっている人もいるかもしれない。しかし、転職がIT業界において価値ある人材になるためのステップになると考えたらどうだろう。確かに、転職にリスクはつきものだが、お二人のように業界を熟知し、自分のいいことも悪いことも客観的に見てアドバイスしてくれるコンサルタントがサポートしてくれるなら鬼に金棒ではないだろうか。

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