――キャラクターを演じる上で気をつけている点がありましたら教えてください

日野「いろいろな女の子キャラがバンバンとやって来て、それに対するリアクションとしてツッコミを入れたりもするのですが、その際に、ツッコミ過ぎず、セリフの言い回しがカッコよくなり過ぎず、それでいてヘタレ過ぎずといったバランスを常に監督や音響監督さんと話し合って、調整しながら演じています。微妙なサジ加減が難しい役なので、そのあたりのバランスに一番気をつけています」

井口「スバルの、女の子だけど男の子というところが、原作を読んでいても面白いと思ったところなので、そこを大事に、試行錯誤しながら一生懸命に演じています。あと、監督のおっしゃっていたように、原作の情報がたくさんあるので、それらをテンポよく表現できるように、テンポ感とメリハリ感を大事にしていきたいと思っています」

坂町近次郎

近衛スバル

喜多村「奏は小悪魔気質というところがあるので、スバルに対してもそうですが、特に近次郎に対しては、有無を言わさずに掌の上で転がしているようなイメージを一番ピックアップしていただいているのではないかと思います。その中で、シレっとしながらもテンポよく重要な起爆剤をポンポンポンとお芝居の中にしかけていけるように心がけています。けしかけるようなシーンがたくさんあったり、本心を隠して強がったりするところも垣間見えたりするので、そのあたりで、奏の一人の女の子としての魅力を表現していけたらいいなと思っております」

花澤「紅羽は素直なところがあって、人の好き嫌いがすごくわかりやすく、敵とみなした人には殴りかかったりもするのですが、好きになっちゃった人にはほわっとテンションが高くなったりします。今日収録した回では、好きな人たちに囲まれていたので、テンションが上がりに上がって、どうしようって感じだったのですが(笑)、そのテンションの上がり具合をうまく演じられるように気をつけています。あと、紅羽は格闘技が大好きということなので、格闘技についてもちょっと調べてみたりしています(笑)」

涼月奏

坂町紅羽

伊瀬「ちょうど今日の収録で監督から、『可愛くなりすぎないでください。可愛さは後々出てきますから取って置いてください』というご指摘をいただいたのですが、やはりマサムネらしさ、ちょっと素直じゃなくてツンツンしている部分を失くさないように気をつけて演じています。そして、物語が進み、近次郎やスバルやほかのキャラクターとの絡みが多くなっていく中で、マサムネというキャラクターもより深く表現されていくと思うので、そのあたりのメリハリをしっかりとつけていきたいと思います」

阿澄「ナクルはちょっとおっとりとしている感じなので、テンポの速い作品の中でも、ナクルのペースを忘れないようにしたいです。ただ、好きなことや集中していることに関しては、とても熱い子でもあるので、そういったテンションの差を大きく出していけたらいいなと思っています。キャラクターの中で、一番のギャグ路線がナクルになると思うので、そのあたりも楽しんでもらえるように演じていきたいです。あと、BLが大好きということなので、ちょっと調べたりしています(笑)」

宇佐美マサムネ

鳴海ナクル

――アニメ化にあたって川口監督が気をつけているところはありますか?

川口監督「やはりキャラクターものなので、キャラがブレないように努力しているつもりです。役者さんたちに『面白いアドリブを言ってくれ』みたいなことをちょいちょいと言ってしまうのですが、キャラからはブレないように、その案配には気をつけています。ついつい暴走しがちなんですよ、私自身が(笑)。ただ、今回はわりと大人しく、原作ファンに向けて頑張って作っております」

――ご自身が演じるキャラクターの見所を教えてください

日野「近次郎の見所は、やられっぷりと可哀相なところですね。あと、近次郎に限らないのですが、アイキャッチも見所になるのではないかと思います。皆さんがアドリブでセリフを言ったのに、絵を合わせてくれたり、くれていなかったり(笑)。そんなアイキャッチもちょっと楽しみにしてもらえたらいいなと思います」

井口「スバルは男装の麗人なので、男の子と女の子のメリハリですね。あと、序盤でも少しだけ出てくるのですが、後半に向けてスバルの女の子の部分がたくさん出てくると思いますので、ウブで一生懸命なスバルを楽しみにしていてください。アイキャッチも頑張っています!」

喜多村「奏の見所は『誘い』ですね。毎話数、近次郎君を『誘う』セリフや描写が必ずあるんじゃないかという印象なんですけど、そういうところも作品の大事な属性要因のひとつだと思いますし、見ている方にとってもよいサービスになればいいなと考えつつ、思わせぶりな態度をとっています。本編のお芝居も、アイキャッチもそうですが、奏の小悪魔的な『誘い』を見所のひとつとして楽しみにしていてください」

花澤「スバル君への恋心を見ていただきたいというか、すごく突っ走っているにも関わらず、すごく恥ずかしがったりするんですよ。そういう一面が見られるのは、スバル君に片想いをしているからで、スバル君に対するリアクションがけっこう可愛かったりするので、チェックしてみてください」

伊瀬「いわゆるツンデレですね。冷たく突き放すかのように話すのですが、でも実は……みたいなデレの部分もあって、見ている方にも『コイツ可愛いな』って思ってもらえるようなお芝居をしていくので、そこが見所になればいいなと思います」

阿澄「ナクルはマイペースな中にも、真っ直ぐさがあって、彼女なりに周りのことを思って行動するところもあるので、そういったナクルの魅力が皆さんにも伝わればいいなと思います。あとは、これからの展開に期待! です(笑)」

――監督にお伺いしますが、『まよチキ!』の全体的な見所はどこになりますか?

川口監督「アニメなので、当然動きがあるのですが、この作品は女性キャラがみんな格闘技をやっている人間ばかりと言いますか、みんな強いんですよ。なので、アクションシーンはけっこう頑張ってやっていますので、意外とそのあたりが見所になるかもしれません」

(次ページへ続く)