――そうたさんは"おっさん"キャラが好きですよね?

小さい妖精のおっさん

そうた「おっさん好きですね(笑)」
柴田P「商品としては面白いんですけど、(司会として)伝えている人も気持ち悪いと、ちょっと辛いんですよね……。なので、そこは今回変えたいと思っていたところだったんですけど、結局無理だということで、じゃあ元のキャラクターをもっと簡単に書けるようにしようということになりました」
そうた「主人公の山田とそうたは、前回は2次元だったんですけど、今回はわざわざ3Dで作り直して、なおかつ顔がシンプルになっているんですよ。なので、ちょっと好かれる感じになっていると思います。頭身も縮んでいますしね」
柴田P「第一期は、背も高いし、手足も長いし、顔も大きくて、気持ち悪いんですよ」
そうた「ちょうど柴田くんと俺の感覚は違っていて、担当する部分が別なんですよ。俺はひたすらめちゃくちゃなものを作ろうとするんですけど、柴田くんはうまくそれを商売に結び付けてくれるんですよね」

――ちょうどいいバランスになっているわけですね

そうた「そのバランス感覚で、こうしたほうがもっと受けやすいみたいな、的確なアドバイスをくれるんですよ」

――ただ共通して"萌え"はなかったわけですね

柴田P「そうなんですよ」
そうた「萌えたいんですけど、萌えられず……」

――そのキャラクターに声をあてている佐藤聡美さんの心境が知りたいですね

柴田P「本当に佐藤さんには申し訳ないです」
そうた「本当に申し訳ないですね」
柴田P「でも、まああれは萌えキャラじゃないもんね」
そうた「そうそう、萌えキャラじゃないです(笑)」
柴田P「ただの女の子のキャラですから」
そうた「だいたい、アフレコのとき、佐藤さんに出した最初の指示は、『ひたすら泣きながらしゃべってくれ』でしたからね(笑)。いろいろな声を試してくれたんですけど、『とりあえず泣きながらで』って。ちょっとやりづらそうでしたね(笑)」
柴田P「実際に僕も3回ぐらい秋葉原のメイド喫茶に行ったんですよ。自分なりに"萌え"の文化を吸収しようと思って。でも全然役に立たなかったですね……」
そうた「"萌え"とは何かについて真剣に考えたとき、『エロがないんだけど、服を着ていて、やっぱりエロい』という感じかなって思ったんですよ。まずその解釈があっているのかどうかがわからないんですけど……。でも、やっぱり色気はなかったですね(笑)」
柴田P「そうたの場合、ギャグの才能はすごいので、やはりほかのことはやらせないほうがいいなと思いました」

――もう少し"萌え"も研究してみればいかがですか?

そうた「ぶっちゃけた話をすると、"萌え"って、ギャグを激しくやってはいけない世界なんじゃないかなって思うんです。たとえば、僕は『あずまんが大王』とかも好きなんですけど、あれを"萌え"といってよいかはわかりませんが、やっぱり世界が温かいんですよ。そしてちゃんとキャラも立っている。けっして不条理な笑いの世界ではないと思うんですよね」

――やはり"萌え"と"不条理"を組み合わせるのは難しいですか?

そうた「ギャグの場合、絵が下手なほうが笑えるんじゃないかって思うんですよ。そもそも、キレイなものを見て、それをキレイだと思う心があると、笑えないじゃないですか。そこにう○こがぶっかかるとか、汚いものが入ってたら笑えると思うんですけどね(笑)。汚いマンガほど、その先に何かがあるんじゃないかなって」

(次ページへ続く)