連載『今度こそ続くシンプル家計術』では、オンライン家計簿アプリ「Zaim」の綿島琴美氏が、初心者の方でも続けられるシンプルな家計管理術をお届けします。
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「どうしても家計簿が合わない」のはあなただけじゃない
相談者の方からよく聞かれるのが、「家計簿をきちんとつけているのに、残高が一致しないんです」というお悩み。正しくは【収入-支出=残りのお金】となるはず。でも、なぜかその通りにならない! というもの。
例えば、記録上は2万円預金が増えているのに、なぜか手元には全くお金が残っていない…などなど。お金の管理を始めると、まず最初にぶつかる方が多いのがこの問題です。
この「なぜか合わない!」お金こそ、いわゆる"使途不明金"です。「一体何に使ったんだろう?」と振り返っても、わからない程度の少額なことが多いのが特徴のひとつ。でも、実際の相談者のお話を聞くと、これが月で1~2万円は軽く超えてしまうということですから、インパクト大! つもりつもると大きな金額になっているものなんですね。
きちんと記録しているつもりなのに、この差額は本当にがっかり…。気になり始めると、ストレスにもなりますよね。思い通りに管理できないことで、家計簿を挫折してしまう方も多いのです。
実はその気づきこそ家計簿の成果
でもこれでお金の管理が嫌になってしまうのはもったいない! なぜなら、この"使途不明金"が浮かび上がることは、家計管理をした成果のひとつなのです。 記憶に残っていないということは、つまり目的がぼんやりした支出ということ。それは、【ムダ使い】の結果である可能性が高いのです。
だから、内容が何だったか? をウンウン考えても時間がもったいない! そんなときは思い切って「ムダ使い xxx円」と家計簿に記録してしまいましょう。「使途不明金」と記録するより、振り返ったときにパッとインパクトがありますし、わかりやすいのが一番です。
もしかしたら、家計管理スタート直後はこの金額の大きさにびっくりするかもしれません。でも、それを毎月目で見て確認することで、お財布を出すときの意識が変わっていくことに気づくことができます。
ほったらかしでも家計がクリアになるたったひとつの方法
とはいえ使途不明金はゼロになることを目指したいもの。実は、とってもカンタンな方法がひとつ! それは「家計簿を自動化」してしまうこと。準備するのは、クレジットカードだけ。
そう、クレジットカードは【日時・お店・商品】が一覧にして履歴として残るので、家計簿なしでもぜんぶ把握できるんです!
現金の使用を極力避けることで、"使途不明金"の代表例とも言える、自動販売機やコンビニでの支出が自然と減少します。何となく小銭を使う…ということが減るだけでも出費の金額は変わってきます。
もちろん現金も必要ですよね。その場合は、毎月決まった金額だけを最初におろして、「どうしても必要な場合」だけ使うことを意識しましょう。こうしたちょっとした仕組みが毎日のお金との向き合い方を、変えるきっかけになってくれます。
ただ一つだけ注意したいのが、クレジットカードは請求が後日というところ。手軽に使えて便利なものの、いくら使ったかが分かりにくいのが難点。翌々月にまたぐこともあり、きちんと見直すのには少し不便もあるかもしれません。
自動入力を使ってみるのも手
これを解消するのに、家計簿アプリはとっても便利。MoneytreeやMoney Forward、Zaimなど、お使いのクレジットカードと情報を連携できるアプリを探してみましょう。連携しておくと、クレジットカードを使ったごとの明細を一覧で確認することができるのです。
例えばZaimなら、使用してから約1~2日程度でアプリに明細が反映されます。請求月を待つことなく「○月X日 Aスーパー X,XXX円」という項目が自動で記録されます。"どこで"という情報も反映され、自動でカテゴリ分けも行うので、家計簿の完全自動化も可能。面倒な記録なし・ほったらかしでも、きちんと1カ月の支出を振り返ることができます。
"じぶんがきちんとお金をコントロールできている"状態を目指すことが、家計管理で一番大事。できる限りのわずらわしさから自分を解放して「かしこく楽しくお金を使い切る」、そんな毎日を過ごしてくださいね!
執筆者プロフィール : 綿島琴美(わたじま ことみ)
家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。Android, iPhone, iPad や Webから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、としてユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。