連載『今度こそ続くシンプル家計術』では、オンライン家計簿アプリ「Zaim」の綿島琴美氏が、初心者の方でも続けられるシンプルな家計管理術をお届けします。

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家計簿は毎日つけないと意味がない?

「毎日記録しないと駄目なんですよね…」 - 家計簿アプリサービスを使い始めたばかりのユーザーさんからの質問に多いのはこんな声。家計簿と言えば3日坊主の代名詞。「次こそ…!」と思いながらも心が折れた経験をされた方もきっとたくさんいらっしゃるのでは。実際に3日目まできちんと入力が続いた方は家計簿が続きやすい、という検証結果もあったりします。

でも! その「毎日コツコツ記録しなくちゃ意味がない!」という考えは、もしかしたらひとつの固定観念かもしれません!

しっかり記録をしているからと言っても、その内容に満足できなければ意味がありません。家計簿をつける目的は、お金をコントロールできるようになること。大切なのは"わたし"が納得したお金の使い方ができているかどうか、なのです。

大切なのは手元にあるお金。家計簿の記録内容が追いつかず、余白ばっかりだったとしても、最終結果が自分自身で納得できるものであればOKなんです。特に家計管理に初めてチャレンジするなら、なおのこと。無理せず、頑張りすぎず、おおらかな気持ちで家計管理をスタートしてみましょう!

家計簿は毎日? そんな必要ありません!

預金通帳ひとつのざっくり管理でOK

ではどんなふうに始めるか、と言うと……用意するのは「預金通帳」、それだけ! 毎月お給料が振り込まれる通帳だとなおさらよいです。銀行口座はとっても正直で、ウソがない! じぶんの状態がすっきり明らかになる便利ツールの1つです。

ただ、しっかりと行いたいのは通帳の記帳。それを使って「入ってきたお金」と「出て行ったお金」の合計金額を確認しましょう。これが「ざっくり管理」における、たったひとつの作業になります。

「入ってきたお金」と「出て行ったお金」それぞれの合計金額、これを毎月決まった日にチェックしてみてください。できれば、毎月決まった日を決めて定点観測がするのが理想的。「毎月1日」「お給料日の次の日」など、好きなときで大丈夫です。ポイントはいつも同じタイミングで確認すること。お金の増減を把握することが重要です。

オンラインバンクを利用されている方なら、まとめて管理できるアプリの利用もオススメ。例えば Zaim なら約1,500の銀行やクレジットカード会社と連携しているので、出入金情報を自動で取り込み必要なときにサッと確認することができます。

このチェックの最大のメリットは「毎月こんなに使ってる!」「先月なんでこんなにお金が減ってるの??」など、意外にわからなかった盲点が見えてくることです。まずは、じぶんのお金の流れを改めて見ることこそ、家計管理の第一歩。そして実は一番大切だったりするのです!

預金通帳ひとつのざっくり管理でOK

もっと管理をカンタンにするために

とはいっても、銀行や郵便局の口座をいろいろ持っていてわかりにくい…という方も多いかもしれません。ずばり、これこそがお金の管理を面倒にしている大きなハードルになっている場合もあるのです。もちろん目的があって口座を分けている場合は問題ありません。駄目なのは、何となくバラバラに分かれている状態です。一体いくら支出があるのかという全体像がわからないと、コントロールしようにもどこから手をつけていいかわかりにくいですよね。それに、あまり使っていない口座から、知らず知らずの内に「忘れていた何かのサービスの年会費」が引き落とされている…なんてこともよくある話です。

それらを考えると、収入や支出が一つの口座から出入りすることがベストです。でも、どうしてもそれが難しい場合は、収入と支出それぞれのメインバンクを決めて、お金の流れを交通整理してみてください。あっちこっちに散らばっていたあなた自身のお金が、きっとクリアに見えてきますよ。まずはおおまかに流れを把握すること、そこから暮らしを変えるヒントが見え始めます!

お金の管理は「コツコツ」じゃなくても大丈夫。シンプル家計管理の鉄則のひとつは、「お金の入り口と出口をはっきりくっきりさせること」です。是非ご自宅の預金通帳を、ぜんぶ洗い出してみてくださいね。

執筆者プロフィール : 綿島琴美(わたじま ことみ)

家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。Android, iPhone, iPad や Webから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、としてユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。