Z世代のお金の悩みに、節約アドバイザーの丸山晴美さんが答えます。今回は、自炊初心者さんへのアドバイスをいただきました。

Q. 自炊を始めたいです。節約のために自炊を始めたいと思っています。ほぼ未経験です。でもまず何を買えばいいかわかりません。活用しやすい節約食材を教えてください。

自炊をすることは、食費のやりくりはもちろんのこと、体調管理などにもつながるため、「自炊ができる=財産」とも言えるでしょう。そして、自炊を若いうちから取り組むことは、とてもいいことですね。

まずは小鍋とフライパンを用意

まず食器や調理器具、家電は、キッチンのスペースや予算を考えて、最低限から揃えていきましょう。鍋は蓋つきの小鍋と深めの蓋つきのフライパンがあれば、大抵のものが作れます。

蓋つきの小鍋があれば、ラーメンや味噌汁、ちょっとした煮物が作れたり、レトルト食品を湯煎したりすることができます。フライパンは焼いたり、炒めたりすることが得意なので、1つあると作れる料理の幅が広がるでしょう。深めのフライパンなら、パスタなどの乾麺をゆでることもできます。

あとは、包丁、まな板、お玉、フライ返し、木べら、菜箸、トング、計量カップ、計量スプーン、おろし金、ピーラーといった基本的な調理器具があればよく、他のものは後々必要になったら、適宜購入しましょう。

調理家電は、電子レンジ、炊飯器、コーヒーやカップラーメンを食べるなど必要なら電気ケトルがあるといいでしょう。電子レンジは、オーブン機能があれば調理の幅も広がりますが、値段もやや高めですので予算と相談しましょう。炊飯器は、ごはんをまとめて炊いて小分け保存するなら、5.5合炊きの炊飯器でもいいでしょう。

「節約食材」を活用しよう

一般的に節約食材と言われるものをまとめてみました。日持ちがするもの、しないものと食材によって異なりますので、一度に多くの食材を買うと、食べきれずに傷んでしまう場合も。一人暮らしなら、肉など小分け冷凍できるものは、多めに買ってもいいですが、葉物野菜などは、2.3日で食べきれる量を買うようにするといいでしょう。

また、使い慣れない食材や調味料は、使い切れずにムダになりやすいので、まずは定番の食材を使って、レパートリーを少しずつ増やしていきましょう。

野菜類

その季節に採れる旬のものが節約食材ですが、オールシーズン安い野菜は、もやしやきのこ類です。また、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいもといった根菜類は日持ちもするので、買い置きをしておくと便利です。他にも、キャベツ、大根、白菜は、量も多く使いまわしができれば、お得です。

ただし、これらの野菜は大きいので、野菜室を圧迫してしまいがち、一人暮らしならカットされたものを買ってもいいでしょう。また、冷凍野菜のほうれん草、ブロッコリー、いんげん、かぼちゃは値動きがほとんどないので、野菜が高いときは、選択肢に入れてもいいですね。

鶏胸肉、鶏ひき肉、豚ひき肉、豚小間、豚バラスライスが節約食材です。お得用パックを購入して、100g程度の小分けにして、ラップに包んでからジップ式の袋に入れて、冷凍しておくと使いやすくなり、消費期限も伸びておすすめです。慣れてきたら、焼肉のタレなどで下味を付けてから冷凍をするなど、下味冷凍を作っておくと自炊がラクになります。

  • 味付け肉を冷凍して、食べる分だけ冷蔵庫で解凍して加熱調理します

魚は旬のものが安くなる傾向があります。魚の調理が大変なときは、あらかじめ処理がされているものを選びましょう。お店によっては、サービスで三枚おろしなど下処理をしてくれるところもあるので、利用してみましょう。

他にも、塩鮭や塩サバは年中手ごろな値段で売られています。魚はフライパンでも焼けますが、その際にフライパンホイルといって、フライパンに敷いてから焼くと、上手に焼けます。魚をフライパンで焼く際は、大さじ1程度の料理酒を加えてから、フタをして弱めの中火で焼くとふっくら仕上がります。

他節約食材……卵、豆腐、食パン、玉うどん、春雨、納豆、ちくわ、トマト缶など

卵は焼いてもゆでてもバリエーションが広がります。時間がないときは、納豆ごはんだけで済ますことも。安いものであれば、玉うどんは3食、食パン1斤100円程度で買えます。玉うどんは、うどんだけではなく焼うどんやパスタソースと和えてもいいですよ。茹で時間も短いので、パッと食事を済ませたいときにも便利です。また、練り物は焼いたり、卵とじにすることで、簡単なおかずになります。

ほかにも、広告の品でおトクな食材と言えば、その日限り、お一人さま○点限りなど、数量限定のものですので、欲しい食材や調味料が安売りしていたら、買っておきたいところです。

  • その日限り、数量限定に注目!

また、PB商品(プライベートブランド)を利用するのも手です。セブンアンドアイは「セブンプレミアム」、イオンは「トップバリュ」、西友は「みなさまのお墨付き」といったブランド名で売られています。これらPB商品はそのお店にとっての顔とも言えるべきものですので、ナショナルブランドの商品と比べてもそこまで大きくは変わりません。商品によっては、ナショナルブランドが製造していることもあるので、裏面や企業HPをチェックすると、製造者を確認できることもあります。

  • プライベートブランドも選択肢に入れても

料理初心者さんは、基本の焼く、煮る、炒めるといった基本的な調理からスタートしましょう。最終的には、食材を上手に買って、最後まで無駄なく使い切り、あるもので一品作れるようになれば、上級者レベルです。レパートリーを増やし、使い切りたい食材があれば、レシピアプリやレシピサイトを参考にすると便利ですよ。