有名な黒田節「酒は呑め呑め 呑むならば」はいかに!?

九州最大の人口を誇る福岡県。長い歴史を誇る独特の風土をデータでひもといてみると"九州男児"の思わぬ実情も見えてきました。

アジアを中心に世界に開かれた県

韓国や中国に近い福岡県は海外からの観光客に人気が高く、外国人観光客訪問率が9.13%で7位(2010年)と、日本を訪れる外国人観光客の9.13%が福岡県を訪れています。国籍別に見ると、アジア人観光客の比率が87.3%で全国5位(2010年 全国平均70.8%)。地理的に近いアジアからの観光客が多いようです。

海外に開かれた県民性のためか、SNSを使ったコミュニケーションにも積極的で、ソーシャルメディア利用率は39.3%で6位(2011年 全国平均37.6%)、Facebookユーザー数も人口100人あたり7.26人で4位と高めです。

日本一の焼き鳥王国

次に食文化を見てみましょう。福岡県民の食生活の特徴をあげると肉好き。一世帯あたり肉消費量は年間50.6kgで全国2位(2013年 全国平均44.1kg)なのに対し、魚介類消費量は年間38.9kgで42位(2010年 全国平均45.1kg)と対照的です。肉消費量の内訳を見ると、鶏肉消費量が19.3kgで1位(2013年 全国平均14.5kg)、牛肉消費量が8.6kgで14位(2013年 全国平均6.8kg)、豚肉消費量が18.8kgで15位(2013年 全国平均19.0kg)と鶏肉の消費量が多いのが福岡県民の特徴です。

福岡で鶏肉と言えば焼き鳥。全国やきとり連絡協議会に加盟している久留米市がある福岡県は焼き鳥屋が多く、人口10万人あたり37.48軒で全国1位と日本一の焼き鳥王国です(2013年 全国平均15.86軒)。

もうひとつ、福岡県で有名なのが黒田節。「酒は呑め呑め 呑むならば」の福岡県民はさぞや飲むかと思いきや、アルコール消費量は成人ひとりあたり年間6.96リットルで20位とそれほど多くありません(2009年 全国平均6.92リットル)。外で飲む飲酒費用も一世帯あたり年間2万798円で13位とこちらもほどほどです(2012年 全国平均1万6,929円)。

女性がパートナ探しに苦労するわけ

福岡県で興味深いデータが男女比。20~30代100人あたり女性数が50.91人で6位(2012年 全国平均49.14人)と若い世代で女性が多くなっています。理由のひとつとして、第3次産業が多い福岡県には九州各県から女性が集まってくることがあげられています。

男女比の偏りは未婚率にも出ており、30代女性未婚率が30.82%で3位なのに対し、30代男性未婚率は38.13%で26位と差が大きく、女性がパートナーを探すのに苦労しているようです。

福岡県と他都道府県の相関図。総じて東日本とは共通していないようだ

700以上のランキングから、福岡県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。東日本の青が目立っており、東日本型文化と正反対の県と言えそうです。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)

統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。