本連載の第224回では「なぜ会議が終わらないのか」という話をお伝えしました。今回は、終わらない会議をなくすための方法についてお話します。

前回は、「なぜ会議が終わらないのか」というテーマでお話しました。会議の開始時刻はみんなきっちり守るのに終了時刻は守らない。そんなダラダラ会議をなくすためにできることはあるのでしょうか。ここでは、会議を時間通りに終わらせるためにできることを4つお伝えします。

1. 会議のゴールイメージを共有する

その会議は何のために行うのか、会議終了時に何を達成したいのか、それを参加者間で予め共有しておくことは、終わらない会議をなくすための強力な手段です。その理由には2つあります。

1つ目の理由は、ゴールイメージを共有して「この会議ではここを目指せばいいのだな」というのを認識しておくことで、それを達成した時点で会議を終えることができることです。逆にゴールイメージがないと、どこで会議を終わればよいかが分からなくなってしまいます。

理由の2つ目は、ゴールイメージを共有しておくことで「まっすぐゴールに向かって進むことができる」ことです。どこがゴールかが分からないままに議論をしてしまうのは、見知らぬ土地をただあてもなく彷徨っているようなものです。前に進んでいるのか後ろに下がっているのかもわからない状況では、効率よく議論するべくもありません。

2. ゴールまでの論点を示す

ゴールイメージを共有できたら、そこまでどうやって辿り着くのかを示しましょう。そのためには、会議のゴールイメージを達成するために「答えるべき問いが何か」を参加者に明確に示すことが必要です。そして、その問いこそが論点になります。

ゴールを達成するために答えを出すべき論点は何か、それがゴールの達成にどのように繋がっているのか、というのを論理的に整理して、その道筋を図や文章に落とし込んで参加者と共有するのがよいでしょう。

なお一点、気を付けないといけないのは「最初に立てた論点に固執しない」ということです。議論の内容や流れによっては、当初共有した論点ではなく、別の論点について話した方がよい状況になるかもしれません。そのことを無視して当初の論点に拘ってしまうと却ってゴールの達成が遠のく恐れがあります。最初にしっかり論点を立てつつも、臨機応変に修正することが大事です。

3. 論点からの逸脱を正す

せっかく参加者と目標と論点をシェアできていても、そこから大きく脱線して全く異なる話になってしまうことは多々あります。脱線する都度、すぐに注意してしまうと参加者を萎縮させてしまい、自由闊達な議論からかけ離れてしまいますが、そのまま放置してしまうのもまた最善ではありません。

論点からのある程度の脱線には目をつむりながらも、いつまでも論点に戻らないようであれば論点から脱線していることを指摘し、「新たに論点を設定し直すか」「元の論点に戻るか」を判断することが必要です。

もちろん、「新たに論点を設定し直す」ことを選択した場合には、それ相応の時間と手間が追加でかかることを覚悟しなければなりません。一方で「元の論点に戻る」を選択した場合には、脱線して話している間に論点を忘れてしまっている恐れがあるので再度、論点が何だったかを周知することが必要です。

4. 終了時刻厳守をルールに入れる

どうしても予定時刻をオーバーしてしまうようであれば、予め「終了時刻厳守」を会議のルールとして設定し、参加者に伝えおくのも効果的です。「終了時刻を過ぎたらルール違反」としておけば、少なくとも規則やルールを重んじるメンバーは守ろうとしてくれるはずです。

たとえそのような人が参加者全員ではなくても、一部の人が「そろそろ結論をまとめないとルール違反になってしまいますよ」と声を上げてくれるだけで時間通りに会議を終える可能性がぐっと上がるはずです。

さて、本稿では終わらない会議をなくすためにできる4つのことを紹介しました。ぜひご自身の職場でも試してみていただければ幸いです。