前回の「JIYU-Style I-Line」レビューで触れたように、手帳に記入されている私的な予定を仕事の場で見られてしまうのは、ばつが悪いものです。

そうした問題は、「JIYU-Style I-Line」のようなプライベートと仕事の2in1利用を想定している手帳でなくても、解決方法はあります。そのためのツールの一つが今回扱う「ふせん」です。

「ミドリ 付せん紙 ブロック メモ柄 (11266006)」(デザインフィル)、「ココフセンカード シェイプ」(カンミ堂)は、どちらも月間ブロックの予定欄に貼って、私的な予定をマスクするのに利用できます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

「ミドリ 付せん紙 ブロック メモ柄 (11266006)」

まず「ミドリ 付せん紙 ブロック メモ柄 (11266006)」。

  • 「ミドリ 付せん紙 ブロック メモ柄 (11266006)」

その特徴は、しおり上の台紙と、記入面の罫線で、手帳の任意のページに挟めるようになっています。サイズは約23mm四方です。

  • メモ柄は、約23mm四方

「ミドリ付せん紙 ブロック メモ柄 (11266006)」の最大メリットは紙製であることです。このことで以下の2つの利点があります。まず下の予定が透けません。貼ってあるだけで下の文字が隠れます。

次に筆記具を選ばないことがあげられます。ボールペン(ゲルインク、油性、水性)はもとよりシャープペン、万年筆など筆記具の種類を選ばずに使えるのは大きなメリットです。どんなペンで書いても文字がかすれたりすることはありません。

  • 筆記具を選ばない

もう一つのポイントはデザインのアクセントになっている左側部分です。ここがリングノートの一部分をカットしたようなしゃれたデザインになっています。同時にそちら側の裏面にのりがあり、反対側がのりのない部分であることが直感的にわかります。このデザインもあり、貼る向きが自然に定まるというわけです。これは貼り直すときに、右側を持ち上げれば迷うことがないというメリットにつながっています。

「ココフセンカード シェイプ」

「ココフセンカード シェイプ」は、どうでしょう。こちらはフィルム製で、カンミ堂のココフセンシリーズの一つです。従来のものとの最大の違いは、各付せんの形状です。

  • 「ココフセンカード シェイプ」

それまでのココフセン各種タイプが、細長い、付せんとしてはオーソドックスなプロポーションであったのに対し、このシェイプタイプは、丸型(ピンク)、正方形(水色)、六角形(黄緑)の3タイプ。正方形と六角形は角丸になっていて、ソフトな印象です。

  • 形によってサイズが異なる。大体22mm~25mm四方

色もビビッドでよく目立ちます。また、カードサイズのケースに収納されており、使い終わってもリフィルを購入してセットすれば継続的に使えます。

  • 「ココフセンカード シェイプ」の使用イメージ

ココフセンカード シェイプの注意点

ココフセンカード シェイプは、貼ると下の記述が見えるのがメリットでもありデメリットでもあります。つまり、同じ日の違う時間帯の予定を意識して分けて書くのには、これが便利なわけです。 反面、角度によっては第三者から見たときにマスクしているはずの予定が見えてしまう可能性があります。

  • 下の文字が透けて見える。メリットでありデメリット

もう一つの特徴は筆記具との相性です。フィルム付せんの表面はつるつるしており、ゲルインクや万年筆のインクはどうしても定着に時間がかかるので気を遣うことになります。推奨されるのは油性ボールペンやシャープペンなどです。筆記具との相性は、下が透けて見えるメリットとトレードオフと言うべきでしょうか。

  • ゲルインクのボールペンだと定着に時間がかかる

  • 筆記具のインクの色がフィルムの色とあわせた色になり、印象が変わる

ココフセンカード シェイプの扱いで注意すべき点はもう一つあります。付せんなので、剥がすことを想定して貼られるわけですが、そのときに、右側の裏面にのりがない部分がくるようにしましょう。

ココフセンカード シェイプは、付せん本体自体では上下左右という観念がないデザインです。したがって、貼られた状態だと、裏面ののりがどちら側にあるのかがわからないのです。だから、貼るときには必ず裏面ののりのない部分を右側に持ってくるなど、ルールを決めておきましょう。こうすることで、剥がすときに迷わなくなります。

手帳の月間ブロックの予定欄に貼るタイプの付せんはこれ以外にもいろいろあります。今回取り上げた2つの付せんは、特徴が対照的なタイプでした。そしてこの記事で見たポイントは、これ以外の同種の製品を選ぶときにも参考になると思います。本校を参考に自分にあった用途や使い勝手の付せんを探してみてください。

舘神龍彦

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手帳評論家、ふせん大王。最新刊は『iPhone手帳術』(エイ出版社)。主な著書に『ふせんの技100』(エイ出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)など。また「マツコの知らない世界」(TBS)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などテレビ出演多数。手帳の種類を問わずにユーザーが集まって活用方法をシェアするリアルイベント「手帳オフ」を2007年から開催するなど、トレンドセッターでもある。手帳活用の基本をまとめた歌「手帳音頭」を作詞作曲、YouTubeで発表するなど意外と幅広い活動をしている。

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