仕事とプライベートの2つの予定をどう管理するかは、手帳を使っている人にとっての永遠の課題の一つです。もちろん体は一つしかないので、どちらも予定として一元的に管理するのが理想です。今回は、それぞれ用の2冊を1冊に合体した「JIYU-Style I-Line」(産業能率大学出版部)を紹介します。
仕事とプライベートを1冊で管理
仕事とプライベートの予定はできるだけ一元管理したいものです。ただ、同じ面にそれが書いてあると、いろいろ困るシーンもあります。
例えば仕事の打ち合わせの場で予定を記入する際に、週末の私的な予定などが見られてしまうのは、何かとばつが悪いものです。かといって、公私それぞれに手帳を用意すると、ダブルブッキング発生の可能性が高まります。
そこで最近では、2つの予定を1冊で管理できる手帳が各社から登場しています。以前紹介したG.B.Planerも同じ月について月間ブロックとガントチャートがあり、その用途で使えるものの一つです。
「JIYU-Style I-Line」の解決方法は単純明快で、裏も表も表紙です。「WORK」と書かれた側は、月間ブロックと週間レフト式。縦にひっくり返すと「PRIVATE」と書かれた表紙があらわれます。こちらは、月間ブロックページとメモページです。
WORKとPRIVATEを差別化
WORK側とPRIVATE側は、いろいろな点で差別化が図られています。まず表紙のデザインです。ドットタイプの場合、WORK側は黒一色ですが、PRIVATE側は黒にドットで、カジュアルな感じになっています。バイカラータイプの場合、WORK側は白、PRIVATE側はピンクです。また紙もWORK側はクリーム色、PRIVATE側は白です。
年間のカレンダーページは、WORK側のみで、2018年、2019年のそれぞれのカレンダーが見開きで記載されています。また下部には、「PLAN×MEMO」という、簡単な月ごとの目標などを書ける欄があります。
PRIVATE側には年間カレンダーがない代わりに、2018年3月から2019年3月までの「ACTION PLAN」という記入欄が見開きで用意されています。これなども、仕事とプライベートそれぞれの目標をきっちりと書いておき、それぞれ別々に参照できるようにするための仕組みだといえます。年間の目標や夢などは公私が一緒になりがちですが、この手帳においては、完全に独立している点がユニークだといえます。
月間ブロック部分はWORK・PRIVATE両方にあります。
WORKのみにある週間レフト式のページも、いろいろな点に工夫が見られます。まず普通のレフト式ならば縦に7分割してある左ページの予定欄は、8つにわかれていて、一番下が日付のないメモ欄になっています。日付のある欄も時間軸はなく、単純に2分割されているだけです。あまり予定をきっちりと管理せずに自由に使いたい人向けだといえます。
反面、右側のメモページは方眼で、タスクリストやグラフ、メモなどが書きやすくなっています。また全ページの下端にミシン目で切れる部分があります。ここを切り取ることでしおりなしでもその週のページに簡単にアクセスできるわけです。
メモページは紙が白いのでPRIVATE側のページです。実際見開きの左上にある「FREE MEMO」の文言は、PRIVATE側から開くと普通に読めるようになっています。ただし、方眼なので、WORK側から使っても実際的な問題はないでしょう。この点も実はよく考えられた結果なのでしょう。
またカバーは両側に2つのポケットがありつまり4つの収納部分があることになります。 さてこの「JIYU-Style I-Line」に向いているのは、ずばり、残業などは無縁で公私ともにきっちり予定をこなす人ではないでしょうか。
特に手帳にこだわりはないけれど、最低限の機能は欲しい。公と私はきっちり区別をしながらも、それぞれのパートで目標達成にクールかつ淡々と取り組む。この「JIYU-Style I-Line」のページ構成からはそんなユーザー像が見えました。 4月始まりと銘打たれていますが、実際には予定記入欄は3月からあります。
新年度を前に手帳とともに気分を変えたい人には、選択肢として検討したい手帳の一つです。
舘神龍彦
twitter :@tategamit
facebook :「手帳オフ」
Blog :「舘神Blog」