ワニブックスはこのほど、『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる! 「超ノスタルジックエッセイ」』(990円/仲曽良ハミ著)を発売した。

本書は、昭和52年生まれの著者が少年時代の思い出を漫画にした超自伝的エッセイ。ファミコン、ミニ四駆、ビックリマンなど、笑いと感動の全60話を収録した1冊になっている。

  • 『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる! 「超ノスタルジックエッセイ」』(990円/ワニブックス刊)

著者は、「アニメ化してほしいマンガランキング2024」1位を獲得した『しなのんちのいくる』作者の漫画家・仲曽良ハミ氏。日常生活のささいな出来事や、ユーモアに富んだ視点が共感を呼び、多くの読者から支持を得ているという。

今回は同書の中から、当時大流行したビックリマンシールについてのエピソードを抜粋。子どもならではの知恵を働かせたエピソードに、思わず共感してしまうはず。ぜひ”子どもだったあの頃”に、思いを馳せてはいかがだろうか。

◼シールの闇取引

  • 『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる! 「超ノスタルジックエッセイ」』(990円/ワニブックス刊)

当時「ビックリマンシール」が大流行していました。ウエハースのチョコにシールがついて30円でした。その加熱ぶりは凄まじく、あまりの人気に買い占め防止対策として、各商店が「一人三個まで」のルールを設けるほどでした。

さらにはシールだけを抜いてお菓子を捨ててしまう人がいるなど、ちょっとした社会問題にもなったくらいです。当然、僕も集めていたのですが、基本的にシールを貼ることはなく(貼ってた人います?)、あくまでコンプリートが目的。友人と交換こ(トレード)して遊ぶんです。

必死の思いで集めた自慢のシールコレクション。僕らはこれを学校に持っていかずにはいられないんですよね。もちろん勉強道具以外のものは基本持ち込み禁止なんですけど、みんなが集まる学校はトレード(闇取引といってもいいでしょう)の効率がよいこともあり、やっぱりこっそり持ち込んでいました。

その〝闇取引”が行われるのは決まってお昼休み。

場所は図書室の一番奥の本棚の間。ちょうど死角になるところです。もちろん図書委員もグルでした。もし先生が来たらその図書委員がカーテンを開けるのが脱出の合図だったのです。「ヘッド」と呼ばれる一番貴重なキラキラしたシールなども持ち込み合い、極秘の交換会を開催していました。

もちろんリスクはあります。過去に何度も先生の摘発を受けていましたし、女子の通報により抜き打ちの持ち物検査で没収されることもありました。いま考えれば、僕らはそのスリルもふくめ楽しんでいたのかもしれません。

見つかったらすべてを失うその状況でこそ、あのシールはより輝きを増し、その価値を上げていったようにさえ思います。

書籍『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる! 「超ノスタルジックエッセイ」』(990円/ワニブックス刊)

  • 『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる! 「超ノスタルジックエッセイ」』(990円/ワニブックス刊)

同書ではほかにも、”子どもだった「あの頃」が楽しすぎて忘れることができない大人のあなた”へ向けたエピソードを数多く紹介している。気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。