東京は早くも梅雨に突入。うっとおしいこの季節は劇場で、一服の清涼を味わってみてはいかがでしょうか。6月は、テレビでおなじみの俳優が出演する舞台もちらほらあります!

ウーマンリブ VOL.12『SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER』 - 宮藤官九郎が描く、家族のものがたり

『SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER(サッドソング・フォー・アグリードーター)』

宮藤官九郎の書き下ろし新作は、「人はどこまで分かりあえるのか」がテーマ。同作品は、96 年より宮藤官九郎が作・演出をつとめる演劇ユニット「ウーマンリブ」による約2年半ぶりの公演で、同ユニット初となる家庭劇を描く。伝統を守る和菓子職人(松尾スズキ)の娘(宮崎あおい)が連れてきた婚約者は、約30歳も年上の男性(岩松了)だったというというドタバタ劇だ。国民的女優、宮崎あおい、独特な空気感をもつ個性派俳優、田辺誠一、岩松了などの豪華ゲストと、脚本家、映画監督、小説家、役者と多彩な顔を見せる松尾スズキら劇団員の華麗なる(?)共演は楽しみ。宮藤の舞台には本作が初出演となる宮崎の、新たな魅力にもであえるかも!?

ドラマや映画とは異なる宮藤作品&宮崎あおいの魅力を堪能すべし

『SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER』
日程 6月10日(金)~7月10日(日)
会場 本多劇場(東京・下北沢)
大阪公演(7月13日(水)~7月18日(月) シアター・ドラマシティ)あり
作・演出 宮藤官九郎
上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
キャスト 松尾スズキ、宮崎あおい、田辺誠一/荒川良々、宍戸美和公、少路勇介、矢本悠馬、宮藤官九郎/岩松了
料金 全席指定6,500円

『幽霊たち』 - ポール・オースターの初期の傑作小説を舞台化

『幽霊たち』

現代アメリカを代表する作家のひとりであるポール・オースターの初期の傑作に、佐々木蔵之介、奥田瑛二、市川実日子らが挑む。構成・演出は、白井晃。一貫して、生きることのアイデンティティを問う作品を書いてきたポール・オースター"らしさ"にあふれた作品で、ブルー、ホワイト、オレンジと役名に色の名前がついている点もおもしろい。私立探偵のブルー(佐々木蔵之介)は、ホワイト(奥田瑛二)からブラックという人物を監視するよう依頼されるが、ブラックは部屋に篭り、日々、単調な生活を送っている。そんなブラックを監視するうちに、いつしかブルーは自分が見張られているような感覚にさいなまれるようになり──。

洒脱にとんだオースターの世界をのぞいてみよう

『幽霊たち』
日程 2011年6月14日(火)~7月3日(日)
会場 PARCO劇場(東京・渋谷)
※長野公演(7月5日 須坂市文化会館メセナホール)、広島公演(7月8日 広島ALSOKホール)、福岡公演(7月14日 ももちパレス)、大阪公演(7月16日~7月18日 森ノ宮ピロティホール)あり
原作 ポール・オースター
翻訳 柴田元幸
構成・演出 白井晃
上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
キャスト 佐々木蔵之介 市川実日子 有川マコト 細見大輔 斉藤悠 原金太郎 ・ 奥田瑛二
料金 7,500円/U-25チケット5,000円(25歳以下対象・枚数限定・当日指定席券引換/要身分証)

『淋しいのはお前だけじゃない』 - 中村獅童が大衆演劇一座を旗揚げ!

『淋しいのはお前だけじゃない』

1982年に放映され、人気を博したテレビドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」が舞台になる! 第一回向田邦子賞を受賞した同作は、サラ金や大衆演劇の世界を背景にした、心にほっこり温かみが残る人間喜劇。サラ金の取り立て屋・沼田薫(中村獅童)が、情にもろい性格がゆえに、自身も多額の借金を背負ってしまう。そこで、借金に苦しむ人たちと大衆演劇の一座を結成し、興行収入での返済を目論むが──。西田敏行の当たり役を、中村獅童がどう演じるのか。また、劇中劇が本筋とリンクする仕掛けを舞台でどのように表現されるかも楽しみなところ。

伝説のテレビドラマが豪華キャストで蘇る!

『淋しいのはお前だけじゃない』
日程 2011年6月17日(金)~6月26日(日)
会場 赤坂ACTシアター(東京・赤坂)
※名古屋公演(7月1日(金)~3日(日) 御園座)、兵庫公演(7月6日(水)・7日(木) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)、新潟公演(2011年7月9日(土)@りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場)あり
原作 市川森一
脚本 蓬莱竜太
演出 マキノノゾミ
キャスト 中村獅童、長谷川京子、平岡祐太、小松和重、大川良太郎、奥田達士、佐々木喜英、藤吉久美子、草刈民代
料金 平日S席8,500円、平日A席6,800円/土日S席9,500円、土日A席7,800円
長谷川あや
大学時代から舞台にはまり、小劇団のストレートプレイから大型ミュージカルまでジャンルを問わず観劇。卒業後は出版社に入社し、編集者として活躍。1996年に退社し、現在はフリーライターとして、演劇専門誌や女性誌、情報誌などで読みものページを中心に執筆している

イラスト:gnk