マイナビは、2015年春卒業予定学生を対象とした、企業の採用状況と学生の就職活動状況、内定状況をまとめた「2014年度就職戦線総括」を発表しました。この連載では、この総括資料をもとに2015年卒就職活動のポイントとなるデータをご紹介していきます。
※主な調査資料は「2015年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」「2015年卒マイナビ内定者意識調査」「2015年卒マイナビ大学生就職モニター調査」など。
複数内定をとる学生が4割に
5月末における学生の内々定率は52.8%(対前年比3.8pt増)。2年連続全カテゴリーで前年実績を上回り、過半数の学生が内々定を保有するまでになりました。特に理系女子が対前年比10.0ptと大きく増加。「リケジョ」人気の高まりを示しています。
複数内定を獲得した学生の割合は、全体の38.1%。文系女子および理系男子の複数内々定保有割合は、それぞれ前年度比5.1pt増、6.1pt増と大きく伸びました。
学生の7割が選考辞退経験あり
複数内定を獲る学生の増加に伴い、選考辞退率、内々定辞退率も増加しています。学生に対し、「選考の途中で面接を辞退したことがあるか」を聞いた所、全体の71.0%、文系女子では73.1%が「辞退したことがある」と回答しました。
選考の途中で面接を辞退したことがある人の割合 |
そのうち、70.1%が「他社で内々定が出た」という理由で内々定を辞退しています。「内々定が出た企業を優先した理由」については、「第一志望ではなかったがより志望度が高い企業だった」(45.4%)、「第一志望だった」(38.1%)が上位となりました。「先に内々定が出た」は13.5%で、内々定が出たタイミングによって就職先を決めた学生は約1割に留まりました。
企業から見た内々定辞退率も上昇
企業に対して、「5月時点で、面接の途中で選考を辞退した学生の割合」を聞いた所、「前年度と比べて上がった(大幅+やや)」という回答は全体の35.2%に。「下がった(大幅+やや)」の割合を18.6pt上回る結果となりました。
また、「内々定を辞退した学生の割合」も、「前年度と比べて上がった(大幅+やや)」と回答した企業が34.6%で、「下がった(大幅+やや)」を16.0pt上回りました。
この結果は、企業全体の採用予定数が増加していることと、採用する学生の「質」を重視する企業の姿勢が影響していると考えられます。