友だちと同じ女性を好きになってしまった……。友人の彼女に恋してしまった。
好きになったとまでは言わないけれど、友だちが気に入っている女性のことを、自分も気にしている、というような経験をお持ちの方もいるかと思われます。
仲のよい友だち同士、共通の知り合いも多いし、どうしても好きな人や気が合うタイプの相手が似てしまうということはあると思います。
こんなときに悩んでしまうのが、恋をとるか友情をとるかという問題です。
もちろん、何の迷いもなく、まっしぐらに「恋」を選ぶ人もいます。
しかし、少なからず「どうしよう」と悩んでしまうタイプの人は、同性の友人のことがとても好きな人なのだと思います。
というわけで、今日は、友だちと同じ相手を好きになってしまったとき、どのように自分の心と折り合いをつければいいかという点について考えてみることにします。
まず、先ほども言いましたが、何のちゅうちょもためらいもなく、友人よりも女の子を選べという人は、まっすぐに自分の気持ちのまま、恋に突っ走ってほしいと思います。
ただ、恋に突っ走るせいで、大切な同性の友人をキズつけてしまうことになる。友だちをなくすことになる可能性もあることだけは、忘れないでいてほしいものです。
と言いつつ、たぶんきっと、このコラムの読者の方は、自分が友人の恋敵になってしまったら、つらい気持ちを心に秘めながら、(どうしよう、どうしよう)と悩みつづけてしまうタイプの男性が多い……ような気がします。
そんな、マジメでシャイで、人のよい男子にやってみてほしいことは、学校や職場の信頼できる口の堅い女性の友人や知り合い(あなたの知り合い、彼女の知り合いではなく)に自分の置かれている状況を説明し、相談に乗ってもらうことです。
そうすることで、かなり気持ち的にも楽になるはずですし、自分が何を迷っているか、何を大切にしたいか、アタマの中が整理されるかと思います(仕事や勉強のことならば整理して考え、テキパキ片付けてしまう理知的な男子も、こと、恋愛となるとアタマの中がこんがらがってしまう人が多かったりするので)。
彼女への気持ちは、もうとまらない恋心なのか、ちょっと気になるという恋の前段階なのか?
冷静になって考えてみたら、自分よりも友人のほうが彼女と相性がいいのではないか、今の段階では彼女は友人のほうに目を向けているような気がしないでもない……。
女性に恋愛の相談をすると、そういった点を冷静に見極めるアドバイスをくれる確率が高いと思います。
もし、仮に女性の友人からあなたにとってうれしくない意見を言われたとき、それでもやっぱり彼女を好きだ、あきらめられないと思うのでしたら、あなたの気持ちは自分で思っている以上に彼女へと傾いていたりするかもしれません。
そのあたりのことがわかり、自分の気持ちや方向性を整理できると、今後どうすればいいか、友情と恋のどちらの道を進むか、だいたいの検討がつくのではないかと思います。
ふつうに恋愛相談をしたり、友人に恋話を持ちかけると、
「自分の気持ちに正直になりなよ」とか、「告白しないと何もはじまらないから。友だちをキズつけることになっても、自分の気持ちは貫いたほうがいい」というようなアドバイスをされることが非常に多いものです。
とはいえ、ふだんから、男の友情を大切にしており、女の子と過ごすよりも、男同士でツルんでいるほうが楽しいよな、と感じることの多い男性の場合、そういったアドバイスが心にしっくり響かないこともあります。
それはなぜかというと、やっぱり……あなたは自分が思っている以上に男友だちを大切にしているから。
もし、誰かと付き合って3カ月や1年で別れてしまったとしても、その後も友人のC男だけは変わらず自分の友だちでいて、失恋した自分をなぐさめ、次にまた新しい彼女ができる自分を知ってくれるはず。
そういう視点で考えてみると、
(女の子は通り過ぎ、自分の元を去ってしまっても、友人のC男だけは変わらず一緒につるんでくれるんだよなぁ。一時の恋心のせいで、この大事な友人を失うことになるのは、いかがなものだろうか? B子ちゃんは、本当にC男を失ってまでも手に入れたい女性なのか?)
というふうになっていくわけです。たいていの人が(男子も女子も)、恋を押すアドバイスをするでしょうけれど、意外と友情のほうを取りたい方向に気持ちが傾く男子も多いものなのです。
ですから、自分が恋に突っ走れるタイプなのか、それとも友情と天秤にかけて迷ってしまうタイプなのか、そのあたりの見極めをしておくことも大切です。
そして、どうしても失いたくない大切な友人だったら、友情を選んでみるのも、なかなか新鮮でいいのではないかと私は思います。
そう、例外はあります。友人と自分のふたりともが好きになってしまった相手の女性が、明らかに友だちではなく、あなたのほうを好きなのだということがわかった(告白された)ときです。
そんなときは、友人に遠慮せず、彼女と付き合うことにしてしまっていいと思います。もちろん、恋敵になってしまった友人には、彼女と付き合うことになってしまった事情をキチンと説明しなくてはいけませんし、もしかしたら友情がこわれてしまうかもしれません。
けれど、人の(女の子の)気持ちは変えられるものでもないし、女の子の好意をムゲにするなんて男子としてゆるされないことです。また、男友だちだって「オレのせいで、A男が自分の気持ちをガマンした」と知ったら、やりきれない気持ちになるに決まっています。
ですから、相手の女の子が絶対にあなたのほうを好きだというのであれば、そこはスナオに男らしく、彼女の気持ちにこたえてあげてほしいなと思います。
友人が恋敵になるなんて、つらく苦しいシチュエーションかもしれませんが、よい恋だけでなく苦い恋をするのも、それはそれでよい経験です(後で振り返ると、ですが)。友人が恋のライバルになる日がきたときは、ぜひとも、たくさん悩んで、いい男になってください。
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酒井冬雪です。友だちが恋のライバルになったこと……ないです。しかし、私の友人同士はよく、そういう状況に陥ってました。そして、迷いなく恋に突っ走れるKが、いつも……かっ飛ばしてくれていました。恋多き人って、楽しそうです。よいGWをお過ごしください。では、またね。