小学校でプログラミングが始まり、小中学校では1人1台のPCが配布され……と子どもたちのICT環境はどんどん進んでいき、親世代の方がついていけない! という気持ちの方も多いでしょう。

自分の子ども時代には紙と鉛筆だけで学んでいたのですから全くイメージがわかなくても当然です。親も子どもたちと一緒に新たに学んだり使い慣れたりしていけば大丈夫。

今回は、プログラミングのお話をする前に、そもそもコンピューターって何? ということについてお話しします。コンピューターのことがずっと身近に感じられるようになりますよ!

私たちはコンピューターに囲まれて生活している

皆さんは「コンピューター」と聞くと何を思い浮かべますか? 私が子どもの頃に持っていたコンピューターのイメージといえば、映画に出てくるような宇宙船の操作パネルとか、NASAの管制室にびっしり並んだ機器類と大画面とか、 "なにかすごそうな特別なもの"でした。今では、私たちの身の周りにいくらでもコンピューターが存在しています。

  • 画像はイメージ

例えばパソコン、さらに身近なところではスマートフォンやタブレット、子どもたちが大好きなゲーム機などは、どれもコンピューターです。ディスプレイがあって画像や文字が映し出されるところが似ていますね。

ディスプレイがなく、全く違う姿のコンピューターもあります。例えば私たちが毎日使っている洗濯機、電子レンジ、炊飯器など多くの家電製品の中には小さなコンピューターが入っています。

一歩外に出れば、自動販売機や自動改札機、スーパーのレジ、信号機など、様々な設備がコンピューターで動いていて、自動車や電車などを動かすしくみの一部にもコンピューターが使われています。まさにコンピューターに囲まれて生活しているという状態です!!

どんなコンピューターにもある「CPU」と「メモリ」

コンピューターに囲まれていると言われても、あまりにも見た目が違うし機能も全然違います。そもそもコンピューターって何なのでしょうか?

コンピューターは、指示された命令を正確に実行する機械で、どんなコンピューターにも、「CPU(シーピーユー)」という猛スピードで計算する装置と、「メモリ」と呼ばれる計算の結果や命令を記憶しておく装置があります。

装置といっても小さな部品のひとつとして見えないところに入っているので、これらを私たちが目にすることはありませんが、ひっそりと大量の計算を高速でこなしているのです。CPUはいわばコンピューターの頭脳。CPUの性能が良いほど、計算のスピードは速くなります。

なんでもデジタル情報にして計算で処理している

コンピューターのCPUは計算をします。計算といえば、時間や温度などの数字を扱えることはわかりますが、なぜ、文字や写真、動画、音楽などいろいろな情報を扱えるのでしょうか?

実はコンピューターで扱うすべての情報は、文字でも画像でも音でも全てルールを決めて数字に置き換えられていて、計算で処理できるようになっています。この数字に置き換えられた情報を「デジタル情報」と呼びます。

例えば、動画や3D映像はものすごい量のデジタル情報に置き換えられますが、コンピューターが超高速で計算をして大量の情報を処理してくれるおかげで、私たちは映画やゲームを楽しめるというわけです。 

情報を渡す入力装置と情報を受け取る出力装置

コンピューターが計算をしてその結果を私たちが利用するには、計算をする情報を渡す「入力装置」と、計算した結果を役立てる「出力装置」が必要です。

パソコンでは文字を打つキーボードや画面を操作するマウス、画面タッチで操作できるディスプレイや、マイク、カメラなどが入力装置です。また、画像や文字などを表示するディスプレイや印刷をするプリンタ、音を出すスピーカーなどが出力装置です。

家電の場合、ボタンやダイヤルなどで操作した情報を伝えるのが入力装置で、コンピューターの計算結果によって機能するモーターやLEDライトなどが出力装置にあたります。

姿は違ってもこのようにコンピューターには入力装置と出力装置があって、多くの入力装置と出力装置は私たちが直接目にしたり触ったりする部分にあります。

コンピューターはプログラムがなければ何もしない!

さて、コンピューターを構成する装置はわかりましたが、これらの装置だけではコンピューターは何もしてくれません。コンピューターは指示された命令通りに動く機械で、何かをするにはその命令「プログラム」が必要なのです。

「プログラミング」はプログラムを作ること。コンピューターがどのように機能するのかはプログラム次第で変わりますから、プログラミングでさまざまな機能を作り出しているといえます。パソコンやスマートフォンのアプリ、ゲーム機のゲームソフトなどは全てプログラムで、プログラムを入れ替えれば、同じ装置のまま全く違う楽しみ方ができます。

コンピューターがどんなものなのか少しイメージできたでしょうか? 「これももしかしてコンピューターで動いているのかも?」と家の中や街中でぜひいろいろなものに目を向けてみてください。

次回は、プログラムのことをもっと詳しくお話しします。