総額100億円の還元で大きな話題を呼んだ「PayPay」のキャンペーンは記憶に新しいが、その影響もあってか、この年末は大盤振る舞いなコード決済のキャンペーンが数多く行われている。
コード決済とは、スマートフォンでバーコードやQRコードを提示または読み取りすることで支払いができるサービス。ここ数年で大手企業が続々と参入しており、前述したソフトバンクグループのPayPay以外にも、LINE、楽天、ドコモなどが現在サービスを提供中だ。
来春にはauもサービス開始を予定しており、現在は主導権争いの真っ最中。そのため各社が採算度外視のキャンペーンを行なっており、ユーザーにとっては非常においしい状況となっている。今回は、この年末に開催されている主なキャンペーンをまとめたので、PayPay祭りに乗り遅れた人は、ぜひ参考にしてほしい。
「LINE Pay」は12月31日まで20%還元
「LINE Pay」はLINEの送金・決済サービスの総称で、さまざまな決済方法を利用できる。同サービスは2018年12月31日までの期間、コード支払い、オンラインでの支払い、請求書支払いのうち、条件を満たすものに対しては利用額の20%がLINE Pay残高として後日還元されるというキャンペーンを実施している(還元額は5,000円が上限)。
コード支払いの場合は、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ジョーシン、ロフト、白木屋、和民などの店舗が対象。ウエルシア、ツルハドラッグ、ココカラファインなどのドラッグストアは対象外だが、アインズ&トルペなどアイングループの店はキャンペーン対象となる。また、対象店であっても、酒・タバコ・書籍・チケット類など一部商品に対する支払いは対象外。
オンラインでの支払いや、請求書支払いについても、条件を満たすもののみが20%還元の対象となる。少し複雑なので、利用前にはキャンペーンサイトをチェックしておいたほうがいいだろう。
ちなみにLINE Payのコード支払いは通常、利用状況に応じて決まる「マイカラー」の色によって0.5〜2%の還元を受けられるが、2019年7月31日までは還元率が一律3%アップするキャンペーンも行われている。つまり、20%還元と合わせると、最大で25%還元が受けられることになる。
「楽天ペイ」は12月21〜25日のコンビニ利用で最大800ポイント
「楽天ペイ」は利用に応じて楽天スーパーポイントが貯まり、支払い時に楽天スーパーポイントを充当できることが特徴。この年末から年始にかけては「今年もありがとう大感謝キャンペーン」が開催される。
2018年12月21〜25日の5日間は、ローソン、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップを利用すると、各コンビニごとに100ポイント。各コンビニでの利用が初めてだった場合は、さらにそれぞれ100ポイント。合計で最大800ポイントが後日プレゼントされる。キャンペーンの対象となるには、キャンペーン終了までにエントリーが必要だ。
さらに、2018年12月22日限定で、合計1,000円以上利用(ネットでの利用は対象外)すると、抽選により5人に1人へ1,222ポイントが当たるキャンペーンも実施。こちらもエントリーが必要で、前日までにエントリーした場合は当選確率が2倍になる。
そして2019年1月4日までは、一部のキャンペーン対象店舗で楽天ペイを利用すると、もれなく10%のポイントを還元(5,000ポイントが上限)。2018年12月21日から25日までに利用した場合は、ピザーラで50%、アクアシティお台場、ライトオン、ワタミグループで30%に還元率がアップ(いずれも一部店舗は対象外)。こちらもキャンペーン期間終了までにエントリーが必要となる。ワタミグループに関しては、2019年1月31日まで利用額の10%がポイント還元されるキャンペーンも別途行われており、割引クーポンも配信されている。
なお、特典分のポイントは、いずれも期間限定ポイントとしての付与となる。このほかにも常時さまざまなキャンペーンが行われているので、定期的にチェックしておくといいだろう。
「d払い」は1月6日までの買物回数に応じてポイント最大20倍
「d払い」はドコモのサービスだが、ドコモユーザー以外も利用可能。利用に応じてdポイントが貯まり、支払いにdポイントを使うこともできる。街のお店での支払い時は通常200円につき1ポイント(ネットでは100円につき1ポイント)となるが、2019年1月6日まではポイントが最大20倍になるキャンペーンを開催中だ。
ポイント20倍の仕組みはやや複雑。まずエントリーをすると、もれなくポイント5倍(一部ネットショップは2倍)。以降は1,000円以上の買物1回につき+1倍となり、エントリーでの5倍分と合わせて最大20倍まで加算。街のお店での支払いに関しては、同一日における同一屋号での複数回の買物は1回としてカウントされるので、同じ日に同じコンビニで1,000円の買物を繰り返しても倍率は+1倍のみ。なお、高島屋、ラクマなどキャンペーン対象外の店も一部ある。
さらに、ドコモのサービス申し込み状況次第では最大でポイント+11倍、dマーケットの利用は条件を満たせば最大でポイント+19倍も加わるため、全条件を満たすとポイントは50倍となる。すべて達成するのは難しいと思うが、一度キャンペーンサイトを確認してみるといいだろう。なお、特典分のポイントは、dポイント(期間・用途限定)としての付与となる。
「Origami Pay」は吉野家で牛丼並盛半額相当の190円オフ
2015年からコード決済を提供する老舗の「Origami Pay」は、ポイント制度こそないものの、割引キャンペーンが豊富なことが特徴。2018年12月17日からは「オリガミで、半額。」キャンペーンがスタートした。
第一弾として、2018年12月31日までは、吉野家で300円以上の支払いをすると、牛丼並盛の半額相当の190円が割引となる。2019年1月1日以降も、常時2%オフで利用可能だ。2019年1月下旬からはDEAN & DELUCAで、2月からはケンタッキーフライドチキンでも同様のキャンペーンが予定されている。
また、2018年12月31日までは、Origamiアプリに銀行口座もしくはクレジットカードを登録すると、全国のローソンおよびナチュラルローソンで140円相当の「NL ドリンクヨーグルト 220g」が無料でもらえるキャンペーンも開催。期間中に1個まで、りんご・ピーチ・ストロベリー・ブルーベリー・キウイのいずれかの種類を選ぶことができ、先着90万個に達し次第終了となる。
Origami Payはこのほかにも、多くの加盟店で2%オフの割引を受けられ、2018年12月31日までは新横浜プリンスペペ内の対象店舗で10%オフ、2019年1月5日まではDEAN & DELUCAのOrigami Pay導入店舗で10%オフなどのキャンペーンも行われている。
以上、今回は主だったものだけを取り上げたが、他にも各社がキャンペーンを行なっており、この傾向は当面の間は続くと思われる。コード決済を提供する企業も増加中で、早く統一してくれと思う人もいるとは思うが、競争が激しいからこそユーザーは恩恵を受けられる。いまは間違いなくユーザーにとって“おいしい時期”なので、ぜひこの機会にコード決済を使ってみてほしい。
(※クレジットカードの用語などは以下を参照)
『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』
■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)
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普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。