毎年春はクレジットカードのサービス改訂が多い時期。ここ数年は改悪されるカードが多かったが、今年は改善されるカードが目立つ。対象カードをすでに持っている人も、新規入会を検討している人も、どこが変わったのかを把握しておこう。

三井住友カードはコンビニ3社&マクドナルドでポイント5倍

三井住友カードでは2019年3月1日より、プロパーカードを使ってセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドの店頭で支払いをすると、ワールドプレゼントのポイントが通常の5倍となるサービスがスタートした。

プロパーカードとは、提携カードとは異なり、カード会社が単独で発行するスタンダードカードの総称。三井住友カードの場合、「三井住友クラシックカード」や「三井住友ゴールドカード」、「三井住友アミティエカード」、「三井住友デビュープラスカード」などが該当する。

  • 「三井住友クラシックカード」

  • 「三井住友ゴールドカード」

  • 「三井住友アミティエカード」

  • 「三井住友デビュープラスカード」

同社のポイントプログラムであるワールドプレゼントは、通常は月間1,000円利用につき1ポイントが貯まるが、対象4社での支払いは通常のポイントに加えて、月間利用額に対して250円につき1ポイントが貯まる。カードでの支払い、Visaのタッチ決済での支払い、カードと紐づけたiDやApple Payでも5倍の対象となるが、システムの都合もあり、集計は以下の2つの単位に分かれる。

集計単位(1)
・セブン-イレブンでのiD(含むApple Pay)の利用
・ローソンでのVisa、Mastercardの利用

集計単位(2)
・セブン-イレブンでのVisa、Mastercardの利用
・ローソンでのiD(含むApple Pay)の利用
・ファミリーマートでの利用
・マクドナルドでの利用

※百貨店、駅ビル、ショッピングセンターなど商業施設内にある店舗、ガソリンスタンド併設店舗などはポイント5倍の対象外となる場合あり。
※ネットショッピング、配達サービスなどの利用はポイント5倍の対象外

集計単位(1)で月間700円、集計単位(2)で月間1,500円を利用した場合、通常ポイントが2ポイント、(1)の上乗せ分が2ポイント、(2)の上乗せ分が6ポイントとなり、合計で10ポイントが貯まることになる。なお、カードによっては、これとは別に年間利用額に応じてボーナスポイントも加算される。

「イオンゴールドカード」は利用できる空港ラウンジが増加

年会費無料のゴールドカードとして、破格のサービスが人気の「イオンゴールドカード」は、2019年4月1日から大幅にパワーアップ。

  • 「イオンゴールドカード」

これまで羽田空港の国内線のみが対象だった空港ラウンジサービスが、成田、新千歳、伊丹、福岡、那覇空港でも利用できるようになる。

「イオンゴールドカード」で利用できる空港ラウンジ
●羽田空港(国内線)
・第1旅客ターミナル POWER LOUNGE SOUTH
・第1旅客ターミナル POWER LOUNGE NORTH
・第1旅客ターミナル エアポートラウンジ(中央)※
・第2旅客ターミナル POWER LOUNGE NORTH
・第2旅客ターミナル エアポートラウンジ(南)
・第2旅客ターミナル エアポートラウンジ(北)※
※リニューアル工事中(2019年3月下旬完了予定)

●成田空港
・第2旅客ターミナル IASS Executive Lounge 2

●新千歳空港
・国内線旅客ターミナルビル スーパーラウンジ

●伊丹空港(大阪国際空港)
・国内線旅客ターミナルビル ラウンジオーサカ

●福岡空港
・国内線旅客ターミナル くつろぎのラウンジTIME
・国際線旅客ターミナル ラウンジTIMEインターナショナル

●那覇空港
・国内線旅客ターミナル ラウンジ華～hana～

さらに海外旅行傷害保険の支払い限度額も増額。傷害による死亡・後遺障害では、これまでの3,000万円が5,000万円となるほか、傷害・疾病による治療費用、救援者費用も増額となる。ただし、これまではカード保有のみで適用される自動付帯だったが、4月からは所定の旅行代金を事前にカードで支払った場合のみ適用される利用付帯に変更となる。

  • 「イオンゴールドカード」の海外旅行傷害保険

なお、「イオンゴールドカード」は、「イオンカード」や「イオンカードセレクト」など対象カードを保有し、直近1年間で100万円以上のショッピング利用など、一定の条件を満たした場合に発行される。

「LUXURY CARD」はポイント還元率がアップ

富裕層向けの金属製カードとして、手厚いサービスを提供している「LUXURY CARD」は、2019年4月請求分(3月6日以降の利用分)からポイント還元率を改善。

  • 「LUXURY CARD」(左から)「Titanium Card」、「Black Card」、「Gold Card」

「LUXURY CARD」は年会費5万4,000円の「Titanium Card」、年会費10万8,000円の「Black Card」、招待制で年会費21万6,000円の「Gold Card」の3種が発行されているが、いずれもボーナスポイントの対象となるために必要だった年間利用額の条件を撤廃。さらに還元率自体もアップする。

  • 「LUXURY CARD」のポイント付与条件

1ポイント=5円相当のため、改善後の還元率は「Titanium Card」が1%、「Black Card」が1.25%、「Gold Card」が1.5%となる。また、現在はキャンペーンとして、誕生月の利用は月間合計1,000円利用につき1ポイントが別途加算される特典もある(誕生月の前々月までに入会した場合のみ対象)。

「LUXURY CARD」では今年に入ってから、さまざまなサービスの追加も行われている。すでに保有している人も、サービス内容を改めて確認しておくといいだろう。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。ポイント価値は編集部にて算出。利用方法によって上下する場合があります。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方＝写真＝』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。