自分の理想の相手とはどこで出会えるのか――。婚活をしていると、誰もが一度はぶつかる壁ではないでしょうか。

今回は、グロービス経営大学院 教授の森暁郎氏による、仕事や人生の選択肢を広げる新しいお金の入門書『世の中のことも自分のこともみるみるわかる お金の「選択」』から、「理想の相手に出会う方法」についてお届けします。

婚活市場の地殻変動―マッチングアプリの登場

  • 笑い合うカップル

    ※画像はイメージです

この十数年で婚活市場は劇的に変わりました。
最大の変化は、マッチングアプリの急速な浸透です。

月会費が安く、移動中でも婚活でき、全国どころか世界の人とつながることができる。
それまで地域や職場など生活圏内で完結していた出会いが、一気に巨大市場化しました。

一方で、ライバルも激増。登録している同性すべてが競合となり、「選ばれる側」と「埋もれてしまう側」の差が残酷なまでに可視化されました。
何百もの「いいね」を集める人がいる一方で、プロフィールさえ見てもらえない人もいる。まさに弱肉強食の市場構造です。

この状況、実はM&Aの世界と酷似しています。グローバル化で国境を越えた競争が当たり前になり、日本企業も海外M&Aに積極的に動き始めました。

市場が拡大すればするほど、戦い方を理解しなければ生き残れない――婚活も同じです。

市場を知る―3Cで考える婚活戦略

ビジネスでよく使われる3C分析は、婚活にも応用できます。

3Cとは、顧客・市場(Customer・Market)、競合(Competitor)、自社(Company)を意味し、顧客の要求やニーズを理解し、企業が自身の競争力を評価するために利用されるフレームワークです。自社の強みや特徴に固執するのではなく、先に市場と競合から捉えてKSF(Key Success Factor、成功へのカギ)を特定することです。

どれだけ自分の魅力を磨いても、それを求める市場が存在しなければ意味がありません。

婚活でいえば、「今どんな価値観が支持されているのか」「自分の強みが活かせる層はどこか」を把握することです。

時代とともに市場ニーズも変わります。市場を知らずに自己流を貫くのは、顧客不在の経営と同じです。

婚活市場で避けるべき3つの落とし穴

では、現代の婚活市場で良いご縁を引き寄せるために、「してはいけない」ことは何でしょうか?

①市場を無視して自分に固執すること
「自分を好きになってくれる人とだけ付き合いたい」と考えるのは自然な感情ですが、市場がそれを求めていなければ難しい。ビジネスでも、顧客がいない市場に商品を出しても売れません。

②狭い世界に閉じこもること
婚活市場は、地域や職場の枠を超えて広がっています。同じ環境の中だけで相手を探し続けると、出会いの機会を自ら狭めてしまう可能性があります。価値観の多様性を受け入れることが、現代の婚活では重要な視点になります。

③自暴自棄になること
SNSで幸せそうな投稿を見たり、周囲の声に影響されたりして、「どうせうまくいかない」と諦めてしまうと、行動そのものが止まってしまいます。婚活は戦略を変えることで結果が変わる分野でもあります。

婚活で大切なのは、誰かが決めた条件の中で競争することではなく、自分なりの勝利の方程式を見つけることです。もし今の環境でうまくいかないと感じるなら、“市場をずらす”のも一手です。

出会う場所や参加するコミュニティを変えるだけで、可能性は大きく広がります。自分がどんな人生を望み、どんな関係を築きたいのか。その軸がはっきりしたとき、理想の相手との出会いは、より現実的なものになっていくはずです。

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著者:森 暁郎
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※本記事は、書籍の一部を抜粋し、編集のうえ掲載しています。