連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。
ATMの時間外手数料を支払うのはもったいない
以前、20歳代のサラリーマン数名から、お金の使い方についてお話をうかがう機会がありました。その中で印象に残っていることのひとつがATMの使い方。独身の若いサラリーマンは仲間同士で飲み会に行くことが多く、飲み代を精算するときに近くのコンビニATMからお金を下ろすことが多いというのです。
セブン銀行ATM、ローソンATM、イーネットATMなどのコンビニATMから、「平日8時45分~18時以外」の営業時間外にお金を引き出すと、通常は手数料がかかります。ちなみに三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のメガバンク3行の場合は、コンビニATMの時間外出金手数料は216円(消費税込み)。
普通預金口座に100万円預けたとしても、0.001%の低金利のおかげで1年後の税引き受取利息がたったの8円にしかならないこのご時世に、数千円お金を引き出すだけで1回216円支払うのはいかにももったいないでしょう。
コンビニでのATM時間外出金手数料を無料にすることは可能?
サラリーマンは多くの場合、給与振込口座は会社から指定されるため、自分で自由に変更することはできません。メガバンクが給与振込口座の場合、コンビニでのATM時間外出金手数料を無料にすることはできるのでしょうか。
調べてみると可能です。しかし、それは条件付き。また無料の回数も月3~4回となっています。
コンビニATM時間外出金手数料が回数無制限で無料の金融機関も
コンビニのATMで時間外に月に何度お金を引き出しても手数料がかからない金融機関があれば、ストレスなくお金を下ろすことができるでしょう。毎月給与が振り込まれたら、すぐにある程度まとまった金額を引き出して、その金融機関口座に移し替え、以後、必要に応じて少額を何度でも引き出せばよいのです。
■新生銀行
コンビニATMだけでなく、郵便局、都市銀行、駅のATMでも時間外の出金手数料が何回でも無料となっています。無料で使えるための条件は設けられていないため、手数料を気にせずに、いつでも、どこでもお金を引き出すことができます。
■ろうきん
コンビニATMの中でも、ローソンATMとイーネットATMは時間外出金手数料が何回でも無料です。ただ、セブン銀行ATMについては、曜日等に関わらず0時~7時と19時~24時の出金手数料が108円となっています。
その他、ネット銀行なども、回数制限を設けながらコンビニATMの時間外出金手数料を無料にしています。自分の生活習慣に合わせて、活用頻度が高い場所や時間帯で使うことを心がければ無料にでき、家計の節約につながります。 ATMからお金を引き出すたびに、高い手数料を払うことになることに罪悪感のような気持ちを抱いている方は、一度実際に見直してみてはいかがでしょうか。
なお、2016年2月からの日本銀行の「マイナス金利」政策が金融機関の収益に影響を与えています。個人の預金金利をマイナスにする動きはありませんが、各種手数料は値上げされる可能性があります。ATMの手数料を含め、様々なサービス価格を定期的にチェックするようにしましょう。
執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。
「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)
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