この6月、欧米の中間決算があり、例年通り、ユーロ/ドルは上昇しましたが、一般的に7月に入ると買いも引いて、反落することが多いのですが、今年は、あまり反落の気配はなく、むしろ強含みです。

そこで、長期のユーロ/ドルのチャートを見返してみたところ、あることに気づきました。

それは、大リターンエース(長期の大がかりなリターンエース)の可能性です。

それでは、本題に入る前にリターンエース自体について、ご説明します。

リターンエースとは、いわゆる週末をはさんで窓が開き、その後それが埋まるということがありますが、それを狭義(狭い意味での)の窓埋めと捉えています。

そうではなくて、大陽線、大陰線、連続陽線、連続陰線が出現するとそれを埋めようとする習性が相場にはあることを広義の(広い意味での)窓埋めと捉え、リターンエースと呼んでいます。

リターンエースとは、テニス用語で、打ち込まれたサーブを打ち返して得点するということで、大陰線などが打ち込まれてできた窓を埋めるということに因んでつけたものです。

リターンエースが示しているのは、マーケットが売り過ぎてしまっていて、自律的に(自然に)反発となるということです。

多くのマーケット参加者が、同じ方向を見てポジションを傾けると往々にして起こることです。

まずは、具体的に、例を見て頂ければ、よくお分かりいただけると思います。

  • ユーロ/円 1時間足

この例でいきますと、大陰線が出現して、それからすぐではないところが注意のいるところですが、ある程度の時間が経つことでショートポジションが溜まり、その大陰線、言い換えれば、広義の窓を、自律的な反発によって埋めに行っています。

この窓埋めを、リターンエースというわけです。

そこで、現在のユーロ/ドルの月足を見てみますと、リターンエースを形成している途中にあると、見ています。

  • ユーロ/ドル 月足

しかも、前述の例以上に完璧な形状で底値圏を形成してきています。

つまり、今後ユーロ/ドルが大きく上昇する可能性があると考えています。

底値圏形成過程でいえば、ユーロ/ドルは2014年7月からの1.3692近辺をスタート点として陰線を連続して出し(連続陰線)、1.0462近辺まで下落した後、底値圏を形成してきました。

途中、2017年4月から2018年10月あたりまでの間で、一時1.2556近辺までの反発はありました。

しかし、定石とも言えますが、この戻りを待ちかねていたかのように売り込まれ、今年3月には1.0636近辺まで下げました。

そして、その後5月から反発が始まっています。

この大きな下落と、最初の底、途中の反発の山、そして改めての底の形成というパターンは、まさに、これから連続陰線のスタート点である1.3692近辺を目指すリターンエース(広義の窓埋め)の可能性が高いことを示しています。

これが正しければ、2400pipsぐらいの大相場になるものと思われます。

1.3692近辺までの到達は、9カ月あるいは12カ月ぐらいだと見ています。

そして、このユーロ高ドル安がもし現実になった場合、もちろん、ドル/円も、ドル安円高になるものと見ています。

さらに、ドルの強弱を示すドル・インデックスの月足のボリンジャーファイブを見てみましょう。(上がドル高、下がドル安)

  • ドル・インデックス 月足

ユーロの構成比率が57.6%もありますので、限りなくEUR/USDに近い、上下をひっくり返したチャートになります。

直近のところは、上げこじれていて、やはりドルは下がる可能性が高いです。

上げこじれる: 上げようと何回も試すものの上げきれないという意味

ドル・インデックスで見ても、上下は逆ですが、つまりドル安です。

要するに、相当大がかりで全体的なドル安相場が到来する可能性があると見ています。

今年11月は、米大統領選挙です。

ある意味、そうした大相場が起きてもおかしくない年だと言えます。