今年の4月も、ご多分に漏れずレンジ相場となっています。
なぜそうなるのか?
3月末決算を終え、新年度相場になり、「さあ、やるぞ!」と勢いづきたいところですが、実態は異なります。
4月に入ると、機関投資家や実需筋は新年度の計画を検討するために、少なくとも4月上・中旬は動かなくなります。早くても動き出すのは4月下旬になってからです。
その間、マーケットにいるのは投機筋ばかりです。投機筋は売れば利食いか損切りのために買い、買えば利食いか損切りのために売るということになるため、相場は往ったり来たりとなり方向感がなくなります。これが4月がレンジ相場になる大きな原因です。
これはほぼ毎年4月に行われていますので、4月は1年に一月しかありませんが、決して忘れてはならないことです。そうしないと、無駄なロスを出しかねません。
4月後半以降の動き
さて、そうした4月も早ければ4月後半から、大方は5月になってくると、方向性が出てきます。この時どちらに行くかで、次のチャンスが掴めるかどうかが決まってきます。
ここからは、あくまでも私の見方です。
まず注目通貨ペアですが、ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/ドル、いずれにも興味がありますので、以下個別にお話ししていきましょう。
【ドル/円】
相場の関心の的は、やはりトランプ米大統領だと思っています。実際、この週末土曜日に、米英仏はシリアに攻撃しています。ドル/円のみならず、ドルの方向性は、トランプ大統領が握っていると思っています。
こんな例があります。
2001年から2009年まで大統領だったジョージ・ブッシュ氏は、2001年の米同時多発テロで、政権自体がヒステリックになったために、他の国が米国に資金を置いておくことを嫌い、2002年から2008年まで、ユーロ/ドルで7000ポイント以上ものドル安となりました。
言い換えれば、ブッシュ大統領の任期中はほとんどドル安が続いたということになります。
そしてトランプ大統領ですが、あまりにも意表を突く言動に、やはり投資家は不安を持ち、ついていけないと思います。ということは、基本的にトランプ大統領が在任中はドル安が続くと思われます。
シリアもそうですが、5月か、6月頃に予定されている米朝首脳会談も予断を許さないと思われ、基本的にドル安方向で見ています。この時期に、100円を見るかもしれないと考えられます。
【ユーロ/ドル】
1月後半からタイトなレンジ相場に入っています。ドル/円に先んじてそろそろ、レンジブレイクしてもよさそうだとは思うのですが、これが実に読みづらいところです。
トランプドル安論や、ECBの出口戦略などを考えるとユーロ高ドル安の可能性はありますが、ECB自体がドル安をかなり警戒していることや、シカゴIMMのネットユーロロングが14万枚以上もあることから、なかなか上値も重そうでが、やはり上げではないかと見ています。
【ユーロ/円】
ユーロ/円については、昨年の4月の米朝というよりも、トランプ大統領と北朝鮮の緊張会緊迫化で上昇、その後12月のトランプ大統領のエルサレムをイスラエルに首都認定で中東も緊迫化するなど、大幅上昇しましたが、今年に入り反落しています。
しかし、この間、買い仕掛けした、米系ファンドが手仕舞った様子がなく、ユーロロングは維持されたままでいるものと思われます。それを考えますと、目先やや反発気味ではありますが、依然として反落のリスクはあるものと思われます。
ドル/円と同様、シリアもありますが、5月か6月の米朝首脳会談も注目されます。
【ポンド/ドル】
2016年のブレグジットから約1年が経った2017年4月以降、非常にステディーに上昇しています。簡単に言ってしまえば、売り過ぎてしまったものと思われます。
今のところ1.4200から1.4350のゾーンがレジスタンスになっていますが、これが抜けてくると、思わぬ上昇を見る可能性があります。
【ユーロ/ポンド】
ユーロ/ポンドは、長らくレンジ相場に陥っていますが、目先下げそうな(ポンド高)相場付きになっているのも、気になるところです。