医療的な施術をすることなく、まぶたに貼り付けるテープで折り返しをつくることで、二重まぶたのように見せるメイク技術があります。手軽かつ安価に二重に見せられるため、そういった製品を試した経験がある女性も少なくないでしょう。

しかし、テープなどを貼り続けると、逆にまぶたにたるみをきたします。テープを剥がす際の「皮膚を引っ張る作業」を日常的かつ恒常的に何年も繰り返すと、まぶたの皮膚のたるみやかぶれにつながります。つけまつげを剥がす際にも同様の刺激が加わるため、同じことが言えます。

そのほか、ハードコンタクトレンズの脱着や花粉症などで結膜炎になり、思わず目をかく行為も、繰り返し何度も行うと皮膚はダメージを受けます。若いうちは、将来に皮膚がたるむということをなかなか実感できず、現在のパッチリした二重まぶたを優先してしまいがちかもしれません。ただ、日常的な小さなことが皮膚の色素沈着やたるみ、場合によっては眼瞼下垂の原因となりうることは覚えておきましょう。

二重の親から一重の子どもはうまれる?

ところで、この一重まぶたや二重まぶたは親子間で遺伝するものなのでしょうか。答えは概ね「YES」です。親から子への容姿形状の遺伝には多くの要素が複雑に関与しています。まぶたの見た目に関わる要素もいくつかあり、一つだけの遺伝子の影響では決まりませんが、遺伝して似た容姿形状になるケースが多いです。

しかしながら、両親が二重まぶただからといって、子どもが二重まぶたになるとは限りません。遺伝子の型は優性の「A」と劣性の「a」の組み合わせによって決まります。優性遺伝の法則により、遺伝子の組み合わせが「AA」、または「Aa」でも優性の遺伝子の表現型となります。見た目は同じ二重まぶたでも、遺伝子が「AA」と「Aa」のタイプがあるということです。

「Aa」の両親から生まれる子は、確率的には25%が「AA」、50%が「Aa」、25%が「aa」となります。その結果、「AA」と「Aa」の合計75%は二重まぶた、「aa」の25%が一重まぶたとなります。

そのほかの要素も加わりますので、一概に数字で表すのは難しいですが、それでも二重まぶた同士の親から生まれた子どもは、一重より二重になる確率の方が高いと言えるのではないでしょうか。

※写真と本文は関係ありません

取材協力: やながわ厚子(ヤナガワ・アツコ)

美容皮膚科・美容外科・形成外科。En女医会所属。
美容皮膚科クリニック ヤナガワクリニックの院長を務める美容のエキスパート。
美容医療や化粧品やに詳しく新しい美肌治療や化粧品や食事やサプリメントもふくめてカラダの中からも美肌を目指す。二児の母でもある。

En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。