イライラ、肩こり、だるさ……病院に行くほどではない不調を感じてる人は多いもの。その原因のひとつとして「自律神経の乱れ」が考えられます。

今回は自律神経の名医、順天堂大学医学部・小林弘幸教授による『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より「ため息の効果」についてお届けします。

■「ため息をつくと幸せが逃げる」という噓

ため息はできるだけ控えるべきと考える人も多いものですが、ストレスでこわばった心身をリラックスさせる働きがあります。

仕事に追われたり、トラブルに巻き込まれたりしたとき、思わず「ハァ」とため息が出ることがあります。「ため息をつくと幸せが逃げる」とよくいわれますが、実はそれは誤解です。本当は、ため息には心身をリラックスさせる効果があります。長く息を吐き出すことで、ストレスで滞っていた末梢の血流が改善されることが、近年の研究でわかってきたのです。

  • 『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より

    『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より

血流が改善されると、副交感神経の働きも高まります。これは深呼吸と似たしくみです。違いがあるとすれば、深呼吸は意識的に行うのに対し、ため息は無意識に出るという点でしょう。つまり、ため息は心身がつらさを感じたときに自然に出る“自己防衛反応”ともいえます。決して「幸せが逃げる」行為ではなく、むしろ心とカラダの健康を保つ行動ですので、無理に抑え込む必要はないのです。

●ため息は心身の緊張をほぐす

  • 『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より

    『カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート』(宝島社)より

カラダの不調が9割消える! 自律神経の整え方見るだけノート(宝島社)

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監修:小林 弘幸
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