入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。

第6回は、「時間に遅れると失う3つのもの」です。

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時間に遅れると失う3つのもの

時間にルーズな人に対して、いい印象を持つ人はいません。

みなさんも、待ち合わせに友人が遅れてきて、イラッとした経験があると思います。それが度重なると、「あいつは、いつも時間に遅れるヤツだ」とマイナスのレッテルを貼りたくなりますよね。

これが仕事となると、「時間も守れないヤツがいい仕事をするはずがない」と、パフォーマンスに対する評価にまで影響します。

時間に遅れないための二大原則

遅刻を回避するコツは、「忘れずに」「余裕を持って」動くことです。シンプルですが、これしかありません。

会議などの時間を忘れないためには、スケジュール管理ツールで会議15分前にアラームをセットしておきます。5分前や10分前では、直前すぎて準備が整わない可能性があるからです。

また、客先訪問など交通機関を使って移動するときは、移動中に何らかのトラブルが発生しても間に合うように、余裕を見ておきます。途中で電車が止まった、乗り換えでミスした、などのトラブルを2つくらい想定しておけばいいでしょう。

新人時代の遅刻は厳禁

では、なぜ時間に遅れてはいけないのでしょうか。それは、
(1) お金
(2) 仕事の質
(3) 信頼
の3つを失うからです。ひとつずつ、整理してみましょう。

まず、ひとつ目は「お金」です。あなたが仮に、会議に10分遅れ、ほかのメンバーを待たせたとします。するとあなたは、待っていた人たちの10分ぶんのコストを浪費したことになります。

時間単価1万円の人が10人集まった会議で10分の遅刻をしてメンバーを待たせたとすると、トータルで100分の時間をロスし、コスト換算では約1.7万円を浪費したことになります。

2つ目は「仕事の質」です。30分の会議を予定していたのに、開始時間が10分遅れると議論できる時間は20分に圧縮されます。そうすると、もともとの内容を割愛したり、ディスカッションの時間が短くなったりし、会議の質が損なわれることとなります。

3つ目は「信頼」です。時間に遅れると、周囲からの信頼はどんどん下がります。信頼とは、地道に積み重ねていく貯金のようなものです。いつもは遅刻しない人が、たまに遅刻しても信頼はそれほど下がりませんが、いつも遅刻している人がまた遅刻すると、信頼は下がる一方で、よほどのことがない限り、挽回はできません。

特に新人時代の遅刻は厳禁です。なぜなら、「○○さんは時間管理ができないんだね」という評価が、この先の長いキャリにずっとついてまわるからです。

  • 『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より

『入社1年目のビジネススキル大全』

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発売日:2022年5月11日
ISBN:9784837928904
価格:1760円