埼玉県熊谷市のショッピングセンターの地下倉庫で行われていた、レトロゲームセンタープロジェクトの活動。先ごろ新しい倉庫への引っ越し作業が行われたので、その模様にこちらも立ち合わせてもらった。後編となる今回は、いよいよ引っ越し先の新倉庫に到着する。
解体現場では、作業開始からおよそ1時間半が経過。ボランティアとして予想外の大人数が集まったこともあり、大物『ギャラクシアン3』もかなりのパーツが取り外されてきた。だんだん手が空いた人も増え、作業の中心は解体から掃除や片付けへと移っている。全員マスクと軍手装着で作業を進めているが、地下で換気しにくいこともあり、ホコリっぽさもかなりのものだ。作業用エレベーターの周りなどは壁もボロボロで、建物自体が閉鎖となるのもうなずける。ホコリに関しての感想を漏らすと、メンバーの方からは「まあ、筐体も10年ぐらい前から置いてましたから……」との衝撃の発言が。最近じゃなかったんですか!?
地下では『ギャラクシアン3』がものすごいスピードで解体中。オタクが集団作業に向かないというのは嘘です |
天井部分に配置された三管式プロジェクターの取り外し作業。基盤と並んで特に貴重な部分なので緊張が走る |
聞けば筐体自体は何年も前からずっと置いており、文字どおり倉庫として使っていたのだが、建物が閉鎖されることが決定し、「このままではもったいない」と急いで昨年秋から期間限定で開放することにしたのだという。プロジェクトメンバーのみなさんがコツコツ準備して開放にこぎつけたと聞いていたが、まさかそんなに前からここに置かれていたとは……。
両サイドのパネルを外し、一度床に並べたもの。バラバラに並べたらナムコが「マクナオ」という東南アジアっぽい謎の社名に |
『ギャラクシアン3』の基盤部分。普段は操縦桿の下、つまり座ったプレイヤーのヒザの前あたりに位置している |
地下での解体をおおよそ見届けたところで再び外に出ると、ちょうど外装パーツを積み込んだトラックが先陣を切って出発するところだった。もう1台の車から「一緒に行きますか?」と声をかけていただいたので「それではぜひ!」と乗り込み、トラックを追跡することに。
外では積み込み作業がまだまだ進行中。パーツを痛めないよう、段ボールを挟んで養生をしながらどんどん並べていきます |
後方からトラックを追跡。あらためて見ると、何を積んでいるのかさっぱり不明。「引っ越しに見えない」「夜逃げみたい」と車内からもえらい言われよう |
「追跡」「尾行」という単語に思わず興奮してしまうのが小学24年生の悲しいサガ。最初はテンション高めでバシャバシャとトラックの写真を撮影していたのはいいが、「30分ぐらい」と聞いていた移動時間のわりにはなかなか到着しない。こちらもだんだん同乗者の方々と雑談する以外やることがなくなってきてしまい、ついには運転手の方から「食べますか?」と、『UFOキャッチャー』で取ってきたスナック菓子まですすめられてしまった。移動中に「やまとの味カレー」をいただく取材というのも、そうそう滅多にない。
国道をそのまま車で移動。とっぷりと日も暮れてまいりました。車内ではオンラインクイズゲーマーのみなさんによる濃い話題が飛び交う |
そしてすっかり暗くなったころ、とある駐車場にトラックは到着。積み込んだ荷物を下ろすべく、スタッフが駆け出す |
結局1時間ほどで、ようやく引っ越し先の倉庫に到着。この倉庫はしばらく前までレンタルビデオ屋が入っていた場所とのことで、高さや広さ、明るさは申し分なし。トイレもきちんと設置されており、ホコリっぽい地下倉庫に比べるとかなり快適な新倉庫と言える。ここなら『ギャラクシアン3』クラスの筐体でも余裕で置いていけそうだ。
この日の最後にプロジェクト代表の伊藤さんからコメントをいただいた。
「埼玉県の熊谷という都心から遠いところにも関わらず、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地からおいでいただけて、本当にありがとうございました。つぎの展開に向けてスタッフ一同準備をしていきます。春先には何かしら良いお知らせができると思います」
詳細が決まっていないため、まだ倉庫の場所などは明かせないが、今後の報告はブログで行われるそうなので、レトロゲームファンはそちらをチェックしながら、もう少しお待ちいただきたい。ところでこの日の引っ越し作業、このあと22時ごろまでかかり、完了までにはさらに2日を要したとか。みなさんお疲れさまでした!