健康診断で気にしたい項目が、1. 血糖値、2. 血圧、3. 肝機能、4. 脂質、5. 尿酸値。もし健康診断で引っかかってしまった場合、どうすれば良いのだろうか?

そこで本シリーズでは、RIZAPが蓄える「特定保健指導」の知見をもとに、日常生活で実践できる食事法・運動法を紹介していきたい。連載の第2回目は「高血圧」。

  • 「高血圧」に潜むリスクとは? 対処法を専門家に聞いてみた!

話を聞いたのは、RIZAP法人事業本部で保険者トレーナーユニットに所属する市川菜津美さん。管理栄養士の資格を持ち、医療分野を含む幅広い知見からアドバイスできる立場にある。現在は、健診結果に基づいて生活習慣の改善を促す「保健指導」の業務を担当する。

  • RIZAP法人事業本部 保険者事業部 保険者トレーナーユニットの市川菜津美さん

同社の特定保健指導は、生活習慣改善をサポートするオンラインプログラムで、各個人にあわせた食事法や効率の良い運動法などを提案している。「RIZAPでは、お客様の生活習慣を3カ月で改善するプランを提供しています。私もお客様につきっきりで支援しています」と、笑顔で話す市川さん。

■高血圧に潜むリスクとは?

――高血圧のリスクについて教えてください。

常に血圧が高い状態が続くのが「高血圧」です。脳の血管が詰まったり、破れたりする脳卒中をはじめ、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などのリスクのほか、心臓の血管が詰まって血液が流れなくなることで起こる心筋梗塞の危険にもつながります。

――高血圧の原因は?

生活習慣の観点で言えば、塩分を摂取し過ぎることが考えられます。あとは緊張するなど、ストレスを感じやすい生活環境に身を置いたときも血圧が上がりやすいですね。単純に食事の問題だけでないところも理解しておきましょう。

■高血圧の対処法は?

――健康診断で高血圧だと指摘されました。ふだんの生活で気をつけることはありますか?

濃い味つけの料理には、塩分が多く含まれています。例えば、外食やコンビニ食は、塩をきかせたおいしい味つけをしていますので、塩分の摂取量を気にかけてください。

盲点となりやすいのが、サラダにかけるドレッシングに含まれる塩分です。あとは、おみそ汁にも塩分が多く含まれていますので「健康に良いから」と言って飲み過ぎないようにご注意を。

――ほかに気をつけるべきことはありますか?

高血圧の原因のひとつであるナトリウムの過剰摂取。そのナトリウムの排泄を促す、という意味では、カリウムの摂取も重要です。例えば大豆製品、ほうれん草、果物ならバナナなど、カリウムを多く含む食べ物を摂ると良いですね。血圧を多少なりとも下げる効果が期待できます。

あとは、血圧を急上昇させない"筋トレ+有酸素運動"をおすすめします。筋トレで下半身の筋肉量を増やして血圧を下げ、有酸素運動で血管を広げて血流の改善を目指しましょう。

もっとも、きつい筋トレは血管に負荷をかけるのでNGです。まずはストレッチで筋肉を伸ばしつつ、軽い筋トレ、軽い有酸素運動をしていくイメージです。

  • ヒップリフト

心拍数を急激に上げないような筋トレとしては、ヒップリフトがおすすめ。あお向けに寝た状態で膝を曲げて、お尻を上下にする運動です。過度に血圧を上げず、大臀筋(だいでんきん)を鍛えられます。また軽い有酸素運動として、20~30分のウォーキングをしてみてください。息切れしない程度、いつもより少し早めに歩くぐらいが良いですね。