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ゴルフクラブには、だいたい年に2回、発売時期があることはご存じだろうか。少し前までは、販売時期がはっきりしており、春の新製品と、秋の新製品という2つの時期だった。春の新製品に関しては、2月にメーカーによる新製品の展示会が行われ、そこで発表された製品が、3月に納品される、というのが大きな流れだったが、最近ではこの時期が早まり、12月に発表して1月1日に発売というものも出てきている。
中古市場というものを考えたとき、意外と重要なのが、発売時期だ。つまり、中古市場は、新製品が発表され、新品市場で売られた時期と被ることはない。二次流通であるため、一度、ゴルファーに売れたものが循環し、使ってみて「合わなかったな」「やっぱり買い換えようかな」といったアイテムが出てくることで成り立つ。つまり、12月、1月に出た新商品が、いきなり2月、3月で循環してきて売りにだされるわけではない。各社の商品が出揃って、それぞれの評価が付くのは4月や5月となるわけだ。
そのため、クラブを売るなら、クラブの評価が定まってからクラブを売った方が「得をする」と思うだろう。しかし、それはあまりお薦めできない。なぜなら、人気モデルなら別として、車と同じようにゴルフクラブは毎年新製品のが出てくる。時間が経てば経つほど価値は下がってしまうのだ。持っているクラブの値打ちを見極めてから売りに出そうと考えるよりも、実際に打ってみて「打ちにくい」「合ってない」と感じたときがベストのタイミングなのだ。
高く買い取ってもらうためには「大事に扱う」のが一番
どうせ売るなら高く買ってもらいたい。では、そのために大事なことはなんだろう。まず、当たり前のことかもしれないが傷があるクラブの評価額は下がってしまう。つまり、普段からなるべく大事に扱うことが一番だ。
ドライバーであれば、底の部分の傷。つまりソールの傷は、スイングしたときに擦ってしまうこともあるため、擦り傷がつくことは仕方がないが、構えたとき、クラウンの部分の傷が目に入る場合は、評価が下がってしまうそうだ。同じように、アイアンもフェイスに傷が付いていたり、ブレードがつぶれていては、構えたときに気になってしまうため、良い状態のクラブとは言えなくなってしまう。普段から、傷を付けないように気を付けよう。
よくありがちなのが、ゴルフバッグに無造作にしまうことで、他のクラブとぶつかり傷を付けてしまうこと。初心者にありがちなので、気を付けてバッグにしまいたい。また、意外とチェックされているのがクラブについた汚れ。拭き取れば落ちる汚れを、そのまま拭き取らずに買い取りカウンターに出したら、査定するスタッフはどう思うだろう。あなたがそのクラブを大事にしていなかったことは、一発で見抜かれてしまう。逆に、傷をつけてしまったクラブであろうと、綺麗に磨いてから売りに出すことでお店の人の心証は大きく変わってくる。必ず一度磨いてから持っていくようにしよう。
「フェスティバルゴルフ上野本店」副店長・横山宗明さんは、「改造してあるクラブは見ればわかります」と言う。どんなにうまくいじってあるクラブであろうと、スタッフは中古クラブの専門家。これまで見てきた本数はケタが違う。どんなに綺麗な仕上げがしてあろうと、わかってしまうのだから、きっちり自己申告して、買い取りカウンターに出そう。気を付けたいのが、もらったクラブがいじってあった場合だ。自分ではよくわからないが気になる場合は、売りに出す時にひと言そえるようにしよう。
いつもいつも新しいクラブを持つこと、お気に入りのクラブを揃えることは難しい。だが、思ったようにゴルフの成績が出なくなったときに道具を変えることは、気持ちの入れ替えにも大いに役立つ。長く続く、豊かなゴルフライフのために、うまく中古ゴルフショップを活用して欲しい。
撮影:中村浩二