レバレッジ規制でも「いのち金に手をつけるな」
この不況の世の中、宝くじを購入し、当選番号発表を心待ちになさる方も多いのではないでしょうか。私もそのひとり。以前自分のブログに、遠縁の男性が20年ほど前に9,000万円の宝くじを当てたということを書いたら、ある女性週刊誌から取材を受けたことがある。その女性週刊誌の宝くじ特集記事は大好評だが、高額当選者はなかなか取材に応じてくれないらしく、当てたのが本人ではなくても、なんとか記事になればと苦肉の策でアプローチしてきたらしい。
後で「宝くじ大当たりの法則」という小冊子が送付されてきた。宝くじは、偶然に左右される部分が大きいとは言え、漠然と何も考えずに買うよりも、少しでも意識的な行動を取ると当選率はアップするということが、実際に宝くじに大当たりした人たちに共通する法則なのだそうだ。
この小冊子を何気なく(いや本当はしっかりと)めくっていたら、その中に、宝くじへの投入額は余裕資金の10%まで(お小遣いが3万円なら宝くじに使うのは3,000円まで)。宝くじやギャンブルで幸運を得ている人は、こういった「投入金10分の1の原則」を守っていると記されてあった。有り金すべて投入して一攫千金をねらっていたときは空振りばかりだったが、余裕資金の一部で購入するようにしたら高額当選した実際の当選者がコメントは説得力がある。
意識的な行動を取るとアップする?
相場にも「いのち金には手をつけるな」という格言がある。負ける余裕のないお金をリスクにさらせば、精神状態は極度に不安定になる。このような状態でトレードをしても勝てるはずはない。あくまでも余剰資金で心のゆとりを持って行うことが、投資を行う際の基本中の基本になる。
FXでは、FX取引に対する新たな規制の一つである「ロスカットルールの整備・遵守」が今年2月1日より義務付けられ、8月からはいよいよレバレッジ規制が本格始動する。レバレッジ規制により、今までと同じポジション額でトレードするのであれば、もっと多い証拠金が必要になってくる。しかし、だからと言って「いのち金」に手をつけてしまうよりも、ポジション額を減らす方が賢明だ。
レバレッジ規制に関しては反対意見も多かったが、実際に導入されてしまうのである。この現実を踏まえて、トレード方法を変えたりして、自分なりのFXをやっていけばよいのだと思う。確かに、今までのような少額投資の効率性は低下するが、依然として、他の商品と比較してFXの優位性は高いはずだから、FXをギブアップするのは余りにももったいない。実際、FXのように使い勝手の良い商品はそれほど多くは存在しない。
宝くじとFX、もちろん単純に比較することはできないが、他にもFXに当てはめられるなあと感じ入ったもうひとつの「大当たりの法則」は「売り場を大事にする」ということ。 FXならば、売り場とは取引会社に相当する。宝くじならば、売り場の前に落ちているゴミを拾うとかで当たり運はアップするが、FXでは売り場(取引会社)選びが肝心ということになるだろう。
FX会社選びは慎重にすべし
それはレバレッジ規制が関係してくるからだ。レバレッジ規制がスタートすれば、FX会社で廃業するところも増えてくることが想像に難くない。もし自分の取引しているFX会社がそういった事態に陥ってしまったら、完全信託保全とは別に、自分の持っているポジションは強制的に清算されてしまう可能性がある。
少しケースは違うが、以前当連載にも書いたように、自分が取引していたFX会社が新取引システムにグレードアップし、新システムへのポジションの移行は不可能であり、いついつまでに反対売買しないと強制的に決済しますと通知してきたため、泣く泣く含み損を実現損にした経験がある。余裕の証拠金で長期スタンスで、2010年のワールドカップ開催を楽しみに保有していたランド円だった。
この会社からはいくらメールで(口座開設の)連絡が来ても、自分は二度とそこでトレードする気にはならない。一度落とした信用は容易に回復できないのだ。自分のテクニック不測や相場観の外れで損をするならまだしも、こういった会社の事情で強制決済させられてはたまらないのである。
FX会社の破綻による強制清算の可能性を低くするためには、しっかりとした財務基盤(資金力)を持つ会社を利用する必要がある。財務基盤に対する重要な確認ポイントは預かり残高が多く、しかも伸びている会社だ。破綻するリスクの小さいFX会社、安心して取引を継続することのできるFX会社は何よりも自分(と自分のお金に)に安心感を与えてくれて、不必要なストレスを持たずに継続したトレードをもたらしてくれるはずだ。
FXを既に行っている人、これから口座開設する人は、上記のようなことを考慮して、どうか改めて自分なりのFX の仕方を考えてみてください。私は、個人的に、2010年はギャンブル的なトレードではなく「FXで資産運用」を逆に検討する良い機会になるのではないかと思っている。
執筆者紹介 : 香澄ケイト氏
主な略歴 : 為替ジャーナリスト
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米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。