面倒な家事と言えば、「食器洗い」を思い浮かべる人は多いはず。特に、家族が多いと洗う手間もかかりますし、水仕事による手荒れも心配ですよね。そんな食器洗いを代わりやってくれるのが、「食洗機」。食器洗いや乾燥を自動で行ってくれる人気家電ですが、1カ月ではどのくらいの電気代、水道代がかかるのでしょうか。食洗機の1カ月の電気代、水道代とそれらを節約するコツをご紹介します。

  • 食洗器の電気代、水道代はいくら?

■食洗機の1カ月の電気代、水道代はいくら?

<食洗器の電気代の計算方法>

食洗機にかかるコストを知るには、実際に、電気代や水道代を計算してみましょう。電気代は、「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」で割り出すことができます。

食洗機の消費電力は、製品のホームページなどに記載があります。「Wh」や「W」で記載されているなら、これを1000で割りkWに直しましょう。たとえば、770Wなら、「770W÷1000=0.77kW」となります。

一方、料金単価は、契約している電気会社の請求書やホームページ等で確認してください。ここでは、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている「1kWh単価27円」を使用します。

<食洗機の水道代の計算方法>

食洗機の1回の使用でかかる水道代は、「使用水道量×1Lあたりの水道単価」で計算できます。食洗機の使用水道量は、消費電力と同じく、メーカーホームページなどで確認してみましょう。また、東京都水道局によると、1Lあたりの水道単価は0.24円ですので、ここではこれを用いて計算します。

<ビルトインタイプと卓上タイプの電気代、水道代>

それでは、計算式を使い、食洗機の電気代と水道代を出してみましょう。食洗機には、ビルトインタイプと卓上タイプ(据え置き型)の2種類があります。それぞれ、計算するにあたり以下のようなモデル機種を選んでみました。

・ビルトインタイプ

「Panasonic ビルトイン食器洗い乾燥機 NP-45MD9S」
容量(食器点数)…48点
庫内容積…約60L
消費電力…標準コース約0.52kWh、エコナビ運転約0.45kWh
使用水量…標準コース約9L、エコナビ運転約7.5L

・卓上タイプ

「Panasonic 食器洗い乾燥機 NP-TZ300」
容量(食器点数)…40点
庫内容量…約50L
消費電力…約0.77kWh
使用水量…約11L

まず、ビルトインタイプの電気代です(エコナビ運転で計算)。食洗機を1時間使った場合、「0.45kW×1時間×27円=12.15円」となります。水道代は、1回あたり「7.5L×0.24円=1.8円」となりました。次に、卓上タイプはどうでしょうか。電気代は1時間では「0.77kW×1時間×27円=20.79円」、水道代は1回あたり「11L×0.24円=2.64円」でした。

ビルトインタイプの電気代と水道代は合計で13.95円、卓上タイプの電気代と水道代は合計で23.43円です。なお、食洗機で食器を洗う場合も、手洗い同様、洗剤が必要となります。1回あたりの運転で使用する洗剤代は約3.2円。これを足すと、ビルトインタイプの1回あたりの運転コストは約17.15円、卓上タイプの1回あたりの運転コストは約26.63円です。食洗機を1日に2回使用するなら、1カ月では、ビルトインタイプで約1,063円、卓上タイプで約1,651円となります。

■手洗いと食洗機、どちらがお得?

食洗機を使うと、「便利だけど、電気代や水道代がかさむのでは」と心配になりますよね。一方、「実は食洗機のほうがお得」との声も。実際、手洗いと食洗機は、どちらが得なのでしょうか。

食洗機を使うと、手洗いでは発生しない電気代がかかりますが、反対に、冬場にお湯で手洗いするとガス代がかかります。また、手洗いだと、食洗機より水道代も洗剤代も高くつく傾向にあります。これにより、トータルでは、食洗機は手洗いの半分程度のコストに抑えることができるのです。

ただし、これは4~5人家族など洗う食器の量が多い場合。1人暮らしや夫婦2人の家庭など、洗う食器が少ない場合は、食洗機より手洗いのほうが安く済むでしょう。コストの安さで手洗いか食洗機か迷うなら、洗う食器の量によって決めるといいでしょう。

■食洗機の電気代、水道代を節約するには

とはいえ、手荒れを防ぎ、洗う手間が省けることを考えれば、「食洗機のほうが多少高くついても利用したい」という人もいるはずです。また、食洗機の利用ですでに節約できているご家庭も、使い方次第でさらにコストが抑えられれば嬉しいですよね。最後に、食洗機の電気代、水道代を節約する使い方をまとめてみました。

・自然乾燥する

食洗機の機能には主に「洗浄」と「乾燥」がありますが、大きな電力を使うのは乾燥です。そこで、電気代を節約するなら、乾燥が始まってある程度の時間が経ったら運転を止め、自然乾燥で乾かしましょう。しばらく乾燥運転をしておけば、その後は、自然乾燥でも余熱によって早く乾かすことができます。

・まとめ洗いする

食洗機は、1回あたりに洗う食器の量が少ない場合、手洗いより高くつくことになります。食洗機を使うなら、食器をまとめ洗いしましょう。もしくは、少量の食器は手洗いするなど、食洗機と手洗いをうまく併用すると無駄が生まれません。

・節電、少量コースなどを使い分ける

食洗機の機種によっては、節電コースや少量コースなどを選択できるものもあります。コースをうまく使い分けると、節電、節水につながります。

■節約もしながら食洗機を活用しよう

食洗機を使うと、「食器洗い」という家事を減らすことができ、時短に大きく役立ちます。さらに、家族の人数によっては手洗いより経済的になるので、二重に嬉しいですよね。節電、節水の工夫もしながら、上手に食洗機を活用してみましょう。