ぼーっとしていては、手取り収入が減る時代に突入しました。「あ~なんて不運な時代に生まれてきたんだろう」そんな心の声が聞こえてききそうです。でも、こんなことで落ち込んではいられません。人としてできる限りのことをしていれば、いい時期が来たときに大きく飛躍することができます。経済的な自由を手に入れるために、お金の使い方を見直してみましょう。
お金持ちは付き合いで二次会に行くことはない
お金持ちになった人のお金の使い方はいたってシンプルです。
明確な目的意識をもって使う
大事に使えるものだけを買う
予算を立てて大切に使う
お金持ちになった人は常に目的意識を持って暮らしています。コンビニに入ったからスイーツを買わなくちゃ、とか、せっかく勧めてくれたのだから何かを買ってあげなくちゃ、などの惰性でお金を使うことはほとんどありません。私たちは普通、飲み会に参加するとノリで二次会に行ってしまうことなどもありますが、お金持ちになるような人々は、「この人の話をもっと聞きたい」などの明確な目的がないかぎり、付き合いで二次会に行くことはありません。"時間とお金の無駄遣い"になることを知っているからです。
これは吝嗇家(ケチ)とは違います。自分にとってプラスになるものや、社会にとって必要だと思う投資に関してはびっくりするほど堂々とお金を使います。大切なお金を旅立たせる価値があると思えるときには惜しみなく、そうでなければ使わない。メリハリの利いたお金の使い方をします。
モノに溢れていてはお金持ちになれない
資産家のお客様のお宅はいつお伺いしてもすっきりと整頓されています。しかも、丁寧に作られているものを長く大事に使っているご家庭が多いです。しっかり作られているものは長持ちしますし、気に入ったものに囲まれていると心が満たされます。高くても費用対効果がよいことをご存知なのでしょう。
大事に使えるものを買うのはもっともベーシックな支出コントロール術です。欲しいと思っていたバッグが予算よりも高かったとき、あきらめて安いバッグを買うか、お金を貯めてから買うかで、あなたのこれからの人生は変わります。しかたなく安いバッグを買った場合、不満足な気持ちが残るので違うバッグに目移りをしてしまいます。安いからという理由で乱暴に扱ってしまったり、違う浪費に走りやすくなるでしょう
一方、コツコツとお金を貯めて手に入れたバッグは貴重です。大事に使います。ずっと欲しかったものが手に入ったのですから、使うたびに幸せな気持ちになれます。
一代で財を築いた人の日々の暮らしは、驚くほど質素なことが多いです。彼らは自分にとって価値あるものであれば、時間をかけてでもお金を貯めて買います。しかし、手元に置いておく価値がないとものを家の中に入れることはありません。それがなくても暮らしていけることを知っているからです。
予算を立てると、お金の大切さがわかってくる
予算を立てることを窮屈に感じる人は多いようです。でも、本当に窮屈なのは、お金がなくなったときです。すべての財布・通帳をかき集めてもお金が残っていないのは心細く、情けなく、そして無力です。
その点、予算の範囲で暮らすことは心とフトコロに余裕をもたらせ、楽しんで取り組めるようになります。先取り貯蓄のしくみを作っておけば、想定外の出費があったとしても慌てずに払うことができるからです。また、予算を立てて袋分けなどでやりくりをしていると、お金のありがたみに気付くようになります。「あといくら使えるか」を日々意識して暮らすことで衝動買いはなくなり、無駄な出費は少なくなります。
最後に、習慣の専門家、佐藤伝氏の著書『今すぐ、幸せと成功に導く! 行動習慣コンパス』にお金に関するとても素晴らしい記述がありましたのでご紹介します。
『私たちの人生にとってのお金とは、人間の体にとっての酸素と同じです。不足すると死んでしまいますし、どちらも循環させなければなりません。酸素は、生きるために必要不可欠で、なくてはならない大切なもの。しかし、だからといって酸素を吸うことが生きる目的ではありませんよね。私たちは、酸素を吸うために生きているわけではないのです。酸素を吸って、何をするかです。同様に、お金は大事ですが、お金が人生の目的ではありません。そのお金で、何をするか、それこそが人生で問われているのです。』
お金との向き合い方をほんの少し変えるだけで、人生はみるみる豊かになります。お金のために生きるのをやめて、得た収入をどう生かすかを考えてみてはいかがでしょうか。
執筆者プロフィール : 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
財布にやさしく、家計に役立つ知恵を発信するファイナンシャル・プランナー(CFP(R)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社家計アイデア工房 代表取締役)。毎日感謝をモットーに、お客様のわくわく生活を全力でサポートしている。得意技は社会資源と各種シミュレーションを駆使したアドバイス。著書には『人生の引継ぎを考える方にアドバイスしたい70のこと(きんざい)』、『書き込み式 老後のお金の『どうしよう?』が解決できる本(講談社)』などがある。
「家計アイデア工房ウェブサイト」