知れば空を見上げるのがもっと楽しくなるかもしれない!? 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』の第2弾であり、累計34万部(電子書籍含む)の人気シリーズ新作『もっとすごすぎる天気の図鑑』(2022年4月発売・KADOKAWA刊)より、一部を紹介します。

著者はSNSで天気や災害に関する情報をわかりやすく発信している"雲研究者"の荒木健太郎先生です。身近だけれど意外と知らない空と雲のこと、この夏はちょっと理解を深めてみてはいかがでしょうか。

第4回は、「世界一簡単な彩雲の探し方」です。

世界一簡単な彩雲の探し方

虹色に彩る雲、彩雲。めずらしいと思われがちな雲ですが、簡単なコツさえ知っていれば、一年中頻繁に出会えます。

  • レンズ状巻積雲の彩雲 いわし雲(巻積雲)やひつじ雲(高積雲)は、氷点下の空でも液体のままの過冷却の水のつぶでできていることが多く、彩雲が現れやすい。上空の風が強いと雲がレンズ状になり、大規模な彩雲に出会えることも。 出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

  • 彩雲に出会うコツ 出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

彩雲はいわし雲(巻積雲)などの水のつぶに太陽光があたって回り込む(回折する)ことで、太陽からげんこつひとつ分の範囲内の空に生まれます。このため、まずは空に巻積雲がいることを確認し(1)、そして建物などの陰に入ります(2)。

  • 魚の群れやうろこのような巻積雲。 出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

このとき自分の顔の影が建物などの陰に入っていることを必ず確認してから、太陽を直接見ないように気をつけて、太陽がギリギリ隠れる位置を探ります(3)。

その場所から太陽のすぐ近くの巻積雲を見みると、肉眼でもはっきりわかる虹色の彩雲に出会えるのです(4)。

  • 【観察してみよう】彩雲観察の様子。建物の陰に顔が入る位置に移動して撮影している。建物の角の部分で太陽をギリギリ隠すと、太陽の近くの空を広く見やすい。出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

観察する際、太陽を直接見ると眼を傷めるので危険なうえ、強い光で虹色も見えにくくなります。太陽は近くのものではなく少し離れた位置の建物などで隠すのがおすすめ。太陽を隠せば安全に観察できて、虹色もはっきり見えます。スマホでも彩雲を撮影できるので、ぜひチャレンジを!

豆知識
彩雲やハロ・アークをはじめとする空の虹色は、満月に近い明るい月が出ている夜にも出会えます。太陽は直接見ないように十分注意が必要ですが、月の光なら眼を傷める心配がなく、安全に観察・撮影できるのでおすすめです。

なお、荒木先生のYouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」では動画での解説もしています。

『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

著者:荒木健太郎、定価:1,375円(電子版もあり)
知れば空を見上げるのがもっともっと楽しくなる! 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』がも~っと詳しく、さらに濃くなった第2弾!
おもしろくてためになる、天気にまつわる知識を、今回も図解やイラスト、写真をふんだんにつかって詳しくご紹介します。とっておきのネタを教えてくれるのは、日本でいちばん有名な気象学者・雲研究者の荒木健太郎氏。雲・空・気象・天気に「季節」の章も加えて、子どもから大人まで楽しめる内容です。「雲の中に入るとどうなる?」「世界一簡単な彩雲の探し方」「カラフルな雪がある」「氷点下50℃以下で聞こえる星のささやき」など、誰かに話したくなる、71のトリビアが満載!

公式サイト:『すごすぎる天気の図鑑』