「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。 お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

前回の第171回コラムでは、中小事業者のEC参入を後押しする市町村(実例として焼津市と徳島市の補助金制度をご紹介)の補助金についてお伝えしました。

今回は、都道府県が行う補助金制度についてお伝えします。当該制度は「明確な目的」が提示されています。例えば、「自社のホームページを立ち上げた」、「「楽天市場やAmazonなどの既存のECサイトに出店した」ということだけでは補助金の対象とならない場合が多いです。では、2つの県の補助金制度を見てみましょう。

EC(電子商取引)とは?

ネット通販など、インターネットを介して、物やサービスの売買、契約をすることを表します。

群馬県「令和7年度ぐんまEXPORTサポート補助事業

当該事業は、群馬県が、群馬県産の農畜物等の海外販路拡大を図るため、群馬県内の生産者や事業者が輸出に取り組む際に必要経費の一部を補助する事業です。

補助対象者:
(1)群馬県内に生産拠点を持つ生産者
(2)群馬県内に加工拠点を持つ事業者
(3)(1)や(2)の2つ以上の者から構成されている群馬県内に所在する団体

補助対象品目:
(1)群馬県内で生産された農畜産物および水産物
(2)群馬県内で生産された加工食品(原材料の50%以上が群馬県産であること)
(3)群馬県内に生産拠点を持つ生産者が開発した農畜産物および水産物に係る知的財産

補助対象経費:
2026(令和8)年2月28日までの事業完了が必須となる。
・多言語ホームページ作成に係る経費
・輸出向けのPR資材作成に係る経費(多言語パンフレット、動画、パッケージデザイン作成等)など

補助率:1/2以内

補助上限額:
50万円(ただし、補助対象品目について有機JAS認証を有する場合は200,000円上乗せされて、70万円となる)

高知県「令和7年度事業戦略等推進事業費補助金

募集事業:
・国内での営業力強化や人材育成、人材確保などに取り組む事業
・海外で行う営業力強化や海外顧客のみをターゲットに行う事業や、海外の人材の確保等にかかる事業または一定の要件を満たした海外での販路開拓に関する事業

募集期間:
2025(令和7)年7月から2026(令8)年2月まで(予算額に達し次第、募集終了)

補助対象者:高知県内中小企業者等

申請要件:
経営革新計画、事業戦略または経営計画等の各種計画を策定し、その計画に基づいた取り組みであること

補助対象経費においての注意事項:
例えば、ホームページやECサイトの作成や改修に係る費用については、新商品またはサービスの開発、新たな販路開拓等による営業力強化または人材育成・確保に資する取り組みに付随して行うページの追加作成または改修に係るものに限り、補助の対象となる。会社全体のホームページまたはECサイトの新規作成、または全面的な改修を専ら目的とするもの、ならびに、ホームページ作成費およびECサイト作成費のみを計上した申請は、補助の対象外となる。

補助率:1/2以内

補助限度額:
国内事業の場合は150万円、海外事業の場合は200万円(なお、事業期間中に、一定の要件のもとに従業員の賃上げをした場合、補助金額に上乗せ100万円)

群馬県および高知県の2つの地方自治体の補助金制度をお伝えしましたが、いずれの補助金制度においても単純に、会社や事業の紹介程度のホームページや国内向けのECサイトを新規に作成するだけでは、補助金の対象とはなりません。

群馬県の場合は、「海外販路拡大を図る」という目的のために、多言語が記載されているホームページを作成するのであれば、補助対象となります。また、高知県の場合は、ホームページ作成やECサイト作成の費用と併せて、新商品やサービスの開発、新たな販路開拓等の営業力を強化する取り組み等に付随するページの追加作成や改修に限って、補助の対象となります。市町村の補助金制度よりも補助金の上限額が大きい都道府県が多いようですが、補助対象となる要件は厳しく設定されています。

まずは、ECサイト活用において、補助金制度に関する各都道府県の相談窓口があるので、連絡をとってみるとよいでしょう。