「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。
お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。
8月は、夏季休暇を取得する方が多いのではないでしょうか。連日、国内は猛暑が続いていますので、夏季期間中は、自宅でゆっくりと過ごすという方もいらっしゃるでしょう。自宅で過ごす場合、ふるさと納税をしてみるのはいかがでしょうか。
ふるさと納税の返礼品は、一般的に、その地域の特産物や伝統的な工芸品などが挙げられます。また、「物」だけでなく「体験」を返礼品としている自治体もあります。 今回は、ふるさと納税の返礼品として、どんな「体験」があるのか見てみましょう。
埼玉県羽生市
●熱気球体験チケット(限定10)
●寄付金額:17万円
●有効期限:申し込みから1年
●詳細:定員は、1組(大人2名。3人以上は要相談)。
フライト日は、土日祝日。
集合時間は5時で、フライト時間は30分以上となる。
集合場所と解散場所は、羽生道の駅または羽生駅となり、フライト場所まではスタッフが送迎してくれる。
●注意点:当日は、気球の組み立てや片付けをスタッフと一緒に行う。
フライトできるかどうかは、フライト当日の2日前までに連絡が来る。
妊婦、小学生未満の子、心臓に疾患のある人は、乗ることができない。
[執筆者コメント]
寄付金額は、10万円以上しますが、首都圏内で熱気球に乗る経験ができる場所は少ないと思います。私自身も、ふるさと納税の返礼品ではなかったですが、熱気球に乗った経験があります。上空で風を感じながら見る景色は素晴らしかったです。熱気球に乗るだけでなく、組み立てや片づけも行うことで、「熱気球」そのものも学べる良い体験になると思います。
福島県糸島市
●米作り体験チケット
●寄付金額:1万8,000円
●応募締切:毎年3月末
●詳細:定員は、10家族。
寄附申し込み1件につき、1家族4名まで体験できる。
●体験スケジュール:5月頃に種まき、6月頃に田植え、10月頃に稲刈り・脱穀を行う。
すべて参加できなくても良い。仮に、体験することができなくなった場合でも、新米5キログラムを送料着払い(寄附者が送料負担)で送ってもらうこともできる。
[執筆者コメント]
「米を主食としているので、一度は米作りを体験したい」と思う人も多いのではないでしょうか。体験スケジュールとして、種まき、田植え、稲刈り・脱穀の一部での参加もOKなので、寄附者の参加できる範囲について、柔軟に対応してくれるところが良いですね。
また、参加できなかったとしても、新米がいただけるのはうれしいですね。
東京都新宿区
●一日新宿区長体験
●寄付金額:200万円
●内容:委嘱状交付式
模擬決裁や職員への訓示等の公務体験
区内視察(区内施設や観光施設等)
歌舞伎町パトロール
東急歌舞伎町タワーでの夕食・宿泊(寄附者を含め最大2名分)
●注意点:寄附をする前に、必ず新宿区に相談する必要がある。
区長体験は寄付者1人のみだが、夕食と宿泊は、同伴者1人までOKである。
新宿区までの交通費は寄附者負担となる。
体験中に、動画撮影やライブ配信はできない。
公務体験や区内視察については、事前に新宿区が寄附者にヒアリングをした上で決定される。
[執筆者コメント]
寄付金額が200万円! 仮に給与収入である場合、年収6,000万円前後でしたら、実質負担2,000円を除く控除上限額を超えずにふるさと納税できると思いますが、一般的には、控除上限額を超えた分を自己負担する必要がある思います。「体験」としては、世界的にも有名な「新宿」を区長の目線で公務や視察できることは、貴重な体験ですね。
終わりに
ほんの一部ですが、ふるさと納税の「体験」返礼品には、様々な「体験」があることが見えたのではないでしょうか。「いつかやってみたい」と思っていたことがあったら、ふるさと納税の返礼品の中から探してみてはいかがでしょうか。寄附した自治体が「体験」をサポートしてくれるので、個人で体験できる場所等を探すよりも安心です。
ただし、体験に関して不安に思っていることや心配なことがあれば、寄附をする前に、体験型の返礼品について自治体等の問い合わせ先に確認しておきましょう。