「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。
お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。
生活費のうち、定額、もしくはほぼ定額の金額を毎月支払わなければならない費用を「固定費」と呼びます。例えば、賃貸住宅であれば家賃や共益費は、毎月定額の支払いが必要となるので、固定費となります。また、ガス代や電気代、水道代は、季節によって多少の変動はありますが、ほぼ定額の支払いが発生するので、固定費となります。今回は、その固定費の1つである「ガス代と電気代」に着目してみようと思います。
第135回のコラム都心VS地方 1人暮らしで安いのはどっち?【電気代編】では電気代単体での料金を、第136回のコラム都心VS地方 1人暮らしで安いのはどっち?【ガス代編】ではガス代単体での料金を複数の供給会社で比較しました。
現在では、電力会社でも、ガス会社でも、いずれか1つの会社で電気とガスをまとめて申込みすることができる供給会社が増えています。例えば、ガス会社で「ガスと電気」をセットで申し込み、ガス代と電気代をひとまとめにしてガス会社に支払うことができます。 今回は、電気料金とガス料金がセットになった料金メニューを見てみましょう。また、セット料金の割引情報や注意点等もお伝えいたします。
東京ガスで「電気とガス」をセットにした場合
・基本プラン:「ガス・電気セット割(定率B)」の場合
毎月の電気料金の基本料金および電力量料金の合計額(税込)から、当該合計額に0.5%を乗じた額が割引(割引額は、小数点以下切り捨て)されます。
割引額=(基本料金+電力量料金)×0.5%
基本料金は固定料金であり、電力量料金は使用した電力量に応じて発生する料金です。
・注意点:割引おいて、再生可能エネルギー発電促進賦課金は対象外です。したがって、基本プランでの電気料金は、下記のように計算されます。
電気料金=(基本料金+電力量料金)-割引額+再生可能エネルギー発電促進賦課金 また、あくまでも割引されるのは、電気代であり、ガス代の割引はありません。
・主なメリット:関東地域にて、新たに「ガス・電気セット割」を申込みした場合、電気代の基本料金が1カ月無料となります。ただ、「都合により終了する場合あり」とHP上に記載があり期限が定められていないので、申込時にはご注意ください。
関西電力で「電気とガス」をセットにした場合
・関電ガス「なっとくプラン」の場合(大阪ガスネットワークまたは大津市企業局の都市ガス供給エリアに居住している人が対象)
毎月のガス料金の基本料金および従量料金の合計額(税込)から、当該合計額に3%を乗じた額が割引(割引額は、円未満切上げ)されます。
割引額=(基本料金+従量料金)×3%
したがって、「なっとくプラン」のガス料金は、下記のように計算されます。 ガス料金=(基本料金+従量料金)-割引額
また、あくまでも割引されるのは、ガス代であり、電気代の割引はありません。
西部ガスで「電気とガス」をセットにした場合
・西部ガス「ガス+電気セット」の場合
毎月のガス料金の基本料金および従量料金の合計額(税込)から、当該合計額に3%を乗じた額が割引(割引額は、円未満切り捨て)されます。
割引額=(基本料金+従量料金)×3%
ただし、割引上限額があり、月額で1,100円(R税込)までとなります。
・割引対象者は、ガス料金プランが「ヒナタメリット」「家庭用厨房・給油・暖房契約」「床暖房契約」と西部ガスの電気を契約した人となります。
終わりに
電気とガスのセット料金プランを見てみると、ガス会社の中でも、西部ガスのように、ガス料金が割引になる料金プランを設けているガス会社もあれば、東京ガスのように、電気料金が割引になる料金プランを設けているガス会社もあります。電力会社も同じく、自らの事業である電気料金を割引にしている電力会社もあれば、関西電力のように、ガス料金を割引にしている電力会社もあります。割引は魅力的ですが、誰でも適用できるわけではなく、どの割引プランにも「適用条件」が設けられていますので、申込の際には、割引が適用される居住地域や支払い方法などの適用条件を確認しましょう。