収束が見えないコロナ禍の中、企業経営も雇用も緊急事態宣言。じっと耐え忍んでいても、もう元の世の中には戻らないことは気付いているでしょう。

コロナ禍は「昭和の働き方や稼ぎ方」にトドメを刺し、変化のスピードを一気に加速させましたが、すべてが一斉にシフトしたわけではありません。車の時代になっても、当初は馬車も走っていたことと同じ現象が企業経営や働き方に起きています。

今回の連載は働き方や雇用で「今起きている未来」と言える変化の芽をとらえ、過去になった常識やノウハウを捨て、自分らしく活躍していくためのキャリアや働き方のコツを解説します。

  • コロナ禍でも転職できる人材になるには?

    コロナ禍でも転職できる人材になるには?

チャレンジは身近なところに落ちている

前回、コロナ禍でも求められる人材になるため、仕事における「チャレンジの解像度をあげること」を解説しましたが、そこまで業務の仕組みづくりに関わらない職種の人もいるでしょう。

そこで今回は、もっと身近な視点からそのチャレンジの解像度をあげる2つの方法を解説します。

例えば事務職やオペレーション職など、一見チャレンジの幅がなさそうなお仕事にも適用可能なノウハウです。早速紹介します。

「ありがとう」の声から解像度を上げる

普段、あなたの仕事に対し、どんな「ありがとう」の声をかけてもらっているか洗い出してみてください。事務職の例で解説すると、

・正確でありがとう
・速くてありがとう
・気が利いてありがとう など

ありがとうの声の種類は多数あります。そう、このありがとうの声が、あなたの仕事の提供価値になります。

・より精度をあげるには?
・より速くするには?
・より気が利いていると言われるには?

と疑問文にしてみれば、提供価値であり、チャレンジの論点になることは分かるでしょう。ただし、1つだけでは、既存の延長で物足りないと感じるかもしれません。そこで、論点を2つ以上かけ合わせてみるのです。

・より正解で、より速くするには?
・より正解で、より気が利いていると言われるには?
・より速く、より気が利いていると言われるには? など

ありがとうの声をチャレンジの論点として2つ組み合わせると、新たなチャレンジの切り口やアイディアが浮かぶ問いが見つかるのです。

注意点は、あまりたくさんの論点をかけると、複雑になり、余計分からなくなります。 論点を掛け合わせるには、慣れるまでは2つ。多くても3つまでにしましょう。

もし、新しいチャレンジの切り口が見つからない場合は、かける対象を変えましょう。

そのためには、自分で考えるだけでなく、あなたの仕事の提供価値=ありがとうの声を周りからたくさん集めておくといいでしょう。

それでも、ピンとくるものがなかったら、あの人は凄い! と思える人のありがとうの声を洗い出し、それを借りてくることです。あなたには無い、キーとなるありがとうの声を取り込めば、本質的で有意義なチャレンジは必ず見つかるのでお勧めします。

日々のイライラや我慢から解像度を上げる

世にない新しいモノ以外は、大体ニーズに沿ったもので既に出来上がっているものです。なので、チャレンジの切り口を見つけても、誰か他の人が過去や現在進行形で行っていることも多いもの。

そこで、チャレンジにつながる新しい切り口を探すには、もっと身近に考えます。ちょっとしたイライラや我慢していることに焦点をあてることで新しいアイディアや切り口が見つかることが多いものです。掃除機の例でやってみましょう。

掃除機でイライラしたり、我慢したりしていること

・吸引力が途中で落ちる

この切り口で思いうかべるのは、ダイソンでしょう。次にこの切り口ではいかがでしょうか?

・自動で掃除しておいてくれる

この切り口なら今なら多数ありますが、ルンバが市場をつくりあげました。

同様に、ちょっとしたイライラや我慢していることを洗い出し、ありそうでなかった視点から発想すれば、意外と身近にチャレンジの種はあるものです。

チャレンジは難しく考えず、まずは視点をたくさん見つけてから、発想し、スジのいいもので、自分がやりたいと思えるものを拾い上げる感覚でいきましょう。