各地の名産品や名物料理が手軽に楽しめる「ご当地缶詰」。その数はこの十数年で「急増中!」と、缶詰博士の黒川氏は言います。
「缶詰のおかげで知った名物もあります。岡山のカキオコはその好例です」
カキオコって、初めて聞きました。どんな名物なのか教えてください!
B-1グランプリ9位
岡山と聞いて思い浮かぶのは、白桃と備前焼であります。しかし昨今は「カキオコ」なるお好み焼きが名物になっており、2011年のB-1グランプリで9位入賞の実績があるという。
カキオコってどういう意味だろう? 分からないけど今すぐ食べたい、どーしても食べたい。そこで入手したのがこの「カキオコ缶」である。カキオコはすでにご当地缶詰として発売されているのだ。イイネ!
ソースは別添方式
最初の画像でも見切れていたけど、このカキオコ缶にはオタフクのお好みソースが小分けパックで別添されている。
かつての缶詰業界では、こうした別添方式はほぼ存在しなかった。小分けパックの中身(今回はソース)の賞味期限が、缶詰のそれと合わない場合があるからだ。
だが、しかし! 近年は「そこまで厳密じゃなくてもいいんじゃないの」と、別添方式の缶詰が出てきている。
お好み焼き缶詰ではパイオニアのmr.kansoでも、同じようにソース類が別添されている(次の画像を参照)。
mr.kansoのお好み焼き缶には、お好みソースのほかにかつお節とあおさまで付いている。 それに比べるとカキオコ缶の付属品が貧弱に思えるが、mr.kansoは大阪のお好み焼きであり、カキオコは岡山のお好み焼きだ。トッピングの文化が違うのかもしれない。
カキ入りお好み焼きだからカキオコ
カキオコ缶を開けると、内径に近いサイズの円形お好み焼きが2枚収まっていた。円形2枚入りというのもmr.kansoと同じ方式だ。
しかし、1枚の厚みはmr.kansoよりも厚い。重量も1枚70gで、mr.kansoの1枚50gより重い。実はカキオコというのは、カキ入りのお好み焼きなのだ。それを省略してカキオコ。なのでカキが入っている分、厚みも重量もあるということか。
中身を耐熱容器に移して、電子レンジで温めて、皿に盛りつけてみよう。
お好み焼きというよりカキ焼き
かくのごとし。温まったカキオコに付属のお好みソースを掛け、別に買ってあったあおさを振りかけた。ネットでカキオコの画像を検索すると、あおさの他にも紅しょうがや青ねぎ、マヨネーズを掛けているケースもある。
ようするにトッピングは他のお好み焼きと同じでいいらしい。
さて、肝心のお味だが、カキの風味が極めて濃厚である。お好み焼きというよりも、カキ焼きを小麦粉でまとめたと言ってもいいくらい、カキがたくさん入っている。
それでいてカキに臭みや渋みがまったくないから、見事な出来であります。
缶詰情報
旭テックス/中磯のカキオコ缶 140g 800~900円台
ショッピングサイト等で購入可