高級缶詰の代表といえばカニ缶です。漁獲量が激減しているために価格が上がり、とくにタラバガニの缶詰は数千円~1万円ラインが当たり前! 庶民は一生食べられない夢の食べ物かも。

「マルズワイガニの缶詰なら数百円で買えます。増量レシピにすれば4人分は出来ますぞ!」と豪語するのは缶詰博士の黒川氏。でもマルズワイガニって聞いたことがありません。どんなカニですか?

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  • マルハニチロ /まるずわいがに ほぐしみ55g 市場価格500円前後

    マルハニチロ /まるずわいがに ほぐしみ55g 市場価格500円前後

常に売上トップ

ずっと気になっているけど、調べずに放置してある事柄ってありますね。「あとで検索してみよう」と思いつつ、他のことに気を取られると忘れてしまう。僕にとってマルズワイガニというカニがそれであります。

かつて、カニ缶といえばタラバガニかズワイガニ、まれにハナサキガニくらいしかなかったと思うけど、いつの間にかマルズワイガニ缶がメジャーになっていた。

中でもマルハニチロの「まるずわいがに ほぐしみ」はスーパーでもよく見かけるので、試しにカニ缶市場を調べてみたら、売上げでずっとトップの商品だった。

一体どんなカニなのか、ちゃんと調べないといかんガニ。

  • まるずわいがに ほぐしみの内観

    まるずわいがに ほぐしみの内観

加熱してもうま味が残る

ズワイガニという名が付いているけど、それとは別種のマルズワイガニ。深海500メートル以下に生息し、加熱してもうま味が残るのが特徴だそうな。日本で獲れるのはわずかな量で、その他はナミビア(アフリカ)から輸入されているそうな。

このマルハニチロの缶詰には、どちらの国のマルズワイガニが使われているのか? 缶の側面には原産国表示があり、JPなら日本、NAならナミビアだそうで、今回はたまたま日本産だった。

  • 汁が命

    汁が命

料理家のレシピをアレンジ

身もおいしいけど、汁も同じくらいおいしいのがカニ缶というもの。料理家がカニ缶を使う場合も、必ずといっていいほど汁を活用している。

で、カニ缶といえばカニ玉とか炊き込みご飯が思い浮かぶけど、今回はオムレツにトライしたい。尊敬する料理家、大葉英子さんのキャベツ入りオムレツを参考にアレンジしてみよう。

  • 卵、キャベツにカニ缶を汁ごと合わせる

    卵、キャベツにカニ缶を汁ごと合わせる

イメージはスペイン風オムレツ

千切りキャベツに卵を割り入れ、マルズワイガニ缶を汁ごと投入。くどいようですが、汁は一滴も残さずまるっと投入しております(マルズワイガニだけにまるっと)。

さくさくと混ぜて、小さなフライパンで分厚く焼く。イメージとしてはスペイン風オムレツを目指したいのだ。

  • カニ缶とキャベツのオムレツ

    カニ缶とキャベツのオムレツ

6人分になった

かくのごとし。厚さ3センチ、直径17センチのオムレツが出来た。これなら4人分といわず6人分になりそうだ。500円の元は取れたガニ。

マルズワイガニのうま汁が全面に行き渡り、キャベツの甘みも加わって、とても優しい味である。このままなら白ワインが合いそうな味だけど、もっとパンチが欲しかったらマヨ掛けもいいかも。

缶詰情報
マルハニチロ/まるずわいがに ほぐしみ55g 市場価格で500円前後
同社直販サイト(3缶1500円)やネットショップ、スーパーなどで入手可。