缶詰博士・黒川氏の密かな楽しみは、缶詰メーカーの直売所に行くことだそうです。一般のお店には出回らない限定品が目当てだとか。

「この缶詰も激レア品です。もう二度と手に入らないかもしれないから"秒"で買いました!」とのたまう博士。さて、一体どんな缶詰なのでしょう?

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  • 信田缶詰/いわしつみれ水煮100g 200円

    信田缶詰/いわしつみれ水煮100g 200円

サバカレーで知られる信田缶詰

今年1月に千葉県銚子市で買ってきたのが、信田缶詰の「いわしつみれ水煮」という缶詰。同社の直売所が観光施設「ウオッセ21」にあり、そこにひっそりと置かれていたのだ。ところで、信田缶詰といえば、最も有名なのは「サバカレー」だと思う。

  • ウオッセ21の信田缶詰直売所にて

    ウオッセ21の信田缶詰直売所にて

今でこそ8社の缶詰メーカーがサバカレーを造っているけど、1990年代にいち早くサバカレーを開発した2社のうちの1社が信田缶詰である(もう1社は缶詰事業から撤退)。今では大手スーパーにも並ぶヒット商品になった。

ウオッセ21の直売所にもサバカレーは並んでいたが(というか並びすぎ!)、それよりもいわしつみれ水煮が気になった。何しろ、外観がまるで試作品のようなのだ。

  • シールを貼っただけのパッケージ

    シールを貼っただけのパッケージ

次回製造は不明

従業員に聞くと、いわしつみれ水煮は限定生産品で、次回の製造があるかどうかも不明という。そんな話を聞いたら、買わずにはいられないじゃないか。

パッケージは簡素そのもので、白い缶にラベルを貼っただけ。そのラベルも、書体がギザギザしていて、まるでパソコンから出力してラベル用紙に印刷したようなでき映えだ。

  • いわしつみれ水煮内観

    いわしつみれ水煮内観

うまみが沁み出た汁

つみれは2段重ねになっていて、上段に4個、下段に5個が収まっていた。この個数は缶詰によって変わる可能性があるが(全体重量は同じ)、ともあれ、予想以上にたくさん入っていて嬉しい。

缶汁は透き通った褐色だ。きっとつみれのうまみが汁にも染み出ているはずである。となれば……。

  • 缶汁を鍋にあけまして

    缶汁を鍋にあけまして

  • 缶汁で春キャベツをくたくたになるまで茹で(味付けはしていない)、そこにあらためてつみれを入れて、ひと煮立ちさせたら……

    缶汁で春キャベツをくたくたになるまで茹で(味付けはしていない)、そこにあらためてつみれを入れて、ひと煮立ちさせたら……

  • 春キャベツといわしのつみれ汁

    春キャベツといわしのつみれ汁

かくのごとし。春キャベツといわしのつみれ汁の缶成であります。1缶で2人分ができた。

つみれには生姜やねぎも使われていて、臭みはナッシング。つみれも汁も、塩味を抑えたあっさり味で、いわし本来の風味がよく分かる。思い付きで足した春キャベツも、新たなうまみを加えていて実にウマかった。

いかにも春らしい料理になったと喜んだのもつかの間。先ほど直売所の方と電話で話したら、このいわしつみれ水煮はすでに売り切れたそうな。念のためスペアを買っておいてよかった。

缶詰情報
信田缶詰/いわしつみれ水煮100g 200円
※販売終了。次回の製造は未定