成田国際空港(以下、成田空港)の利用者数は年間4,000万人を超え、開港からの累計で10億人を突破している。これくらいの巨大空港ともなれば、ショップや設備の数もハンパない。そこで今回は最新のスポットやオススメの施設に絞って紹介したい。
第1ターミナル--国内最長4,000m滑走路の側で
成田空港で最初に造られたのは、もちろん第1ターミナル。ここで外せないのが5階の展望デッキだ。左右に広がる国内最長4,000mの滑走路の眺めは圧巻。訪れるなら、離陸ラッシュとなる午前中か夕方前後がベスト。様々な国の飛行機が連なって飛び立つ様子は、ひとつのエンターテインメントのようだ。
食事をしながら離発着する飛行機を眺めたいなら同じ5階にある「SKY FOOD COURT」の「海鮮三崎港」、4階「AIRPORT MALL」の「NARITA洋膳屋ROYAL」などがオススメだ。なお、「京樽 すし遊洛」の押し寿司は持ち帰りに人気。"持込用機内食"にする旅行者もいるほどだ。
出国手続き後エリアの店舗や施設も近年増加。2018年だけでも、銀座創業の創作だし茶漬け専門店「こめらく」や「一風堂」、「GUCCI(グッチ)」などがオープンしている。また、このエリアには「Narita TraveLounge」があり、料金(大人1,200円)を支払えば、海外出発前のひと時をリラックスして過ごせる。
入国手続き前の「到着時免税店」も、3つのターミナル全てにあり、外国製の酒類、たばこが購入できる。
第2ターミナル--空港スタッフ御用達のグルメに新店も続々
第1ターミナルから第2ターミナルへの移動は、無料のターミナル連絡バスで約10分。第2ターミナルの商業エリアの中心は4階の「AIRPORT MALL」だ。寿司、とんかつ、蕎麦、ヘルシーな和定食、中華など多彩なグルメが楽しめる。
6月には「築地銀だこ ハイボール酒場」がオープンした。どの空港にも空港スタッフご用達の店があるものだが、ここの中華「謝朋殿」がそのひとつ。日替わりの定食もあるから、成田空港に何度も通うファンにもオススメだ。なお、2階にある「吉野屋」は帰国後に牛丼を食べたくなる旅行者や早く食事を済ませたい空港スタッフなどに人気。
「ポケモンストア」も4階のこのエリアにあり、パイロット姿のピカチュウなど限定グッズも購入可能だ。第2ターミナルの見学デッキはこのエリアの北と南の両側にあり、南側のデッキからは管制塔も見られる。第1ターミナルの展望デッキもだが、美しい夕景や夜景を楽しむのもいい。
第3ターミナル&成田の遊び方--機能的なLCCターミナル
第3ターミナルへは第2ターミナルから連絡バスで約5分だが、歩いても約15分で移動できる。第3ターミナルは格安航空会社(LCC)専用であり、コンパクトで効率的に造られている。それを象徴しているのが、人の導線を考えてデザインされた陸上競技場のトラックのような床と、無印良品製の椅子やソファ類。エアコンのダクトなどがむき出しの天井などLCC専用ターミナルらしい建物を眺めながら歩くのも面白い。食事はフードコートになっているグルメエリアで気軽にできる。
また、成田空港の周辺には観光スポットが多い。空港の南側には日本初の航空専門の博物館「航空科学博物館」があり、飛行機のシミュレーターやコクピットなど航空機関係の多彩な展示が楽しめる。
長さ4,000mのA滑走路の北側、小高い丘にあるさくらの山公園は飛行機の離発着を間近に体験できるスポット。公園併設の「空の駅 さくら館」には、航空写真家プロデュースのカフェ「フライトカフェ・チャーリイズ」があり、航空機関連の各種グッズやシートなどを購入でき、機内食も味わえる。
もし1日では足りないというなら空港周辺のホテル、もしくは、第2ターミナルに隣接するP-2駐車場ビルの地下1階にあるカプセルホテル「ナイン・アワーズ」に宿泊するのもいいかもしれない。
見方によっては、巨大なショッピングモールのようでもある成田空港。グルメやショッピング、飛行機の離発着など、空港らしいエンターテインメントを心ゆくまで楽しみたい。
成田国際空港データ
3/4レターコード: NTR/RJAA
開港年月日: 昭和53(1978)年5月20日
年間航空旅客数: 約4,069万人(2017年)
年間航空機発着回数: 25万1,639回(2017年)
敷地面積: 1,111ha
ターミナル/延床面積: 3棟/第1=46.3万平方メートル 、第2=39.1万平方メートル、第3=6.7万平方メートル
滑走路: 2本(4,000m/2,500m)
Wi-Fi: 無料
電源コンセント: 各所に設置
その他: 会社管理空港、管制塔2本
※取材協力: 成田国際空港