
デヴィッド・バーン(David Byrne)が日本時間4月12日(日)、コーチェラ2日目に出演。サマーソニック2026出演も決定しているトーキング・ヘッズの中心人物が、世界最大級の音楽フェスで示したものとは?
音楽の素晴らしい点の一つは、状況が最悪な時であっても──いや、最悪な時だからこそ──人を鼓舞する力を持っていることだ。万能の天才、デヴィッド・バーンは世界の負の側面から目を逸らさない。実際、彼の楽曲はしばしば人生の複雑さや、そこから生じる葛藤に満ちた感情を深く考察している。コーチェラのステージで、彼は楽器の配線から解き放たれたミュージシャンやダンサーたちと共に、人生の絶頂とどん底を表現した。それは現実を回避したり逃避したりするためではなく、欠点も含めた「私たちの共通の人間性」を謳歌する中に、何らかの希望を見出すためのものだった。
予定より少し遅れてのスタートとなったが、バーンとその仲間たちはOutdoor Theatreステージの観客を砂漠から連れ出し、没入感溢れる演劇的な世界へと誘った。そこには、人生の不確実性の中で見出された多くのダンスと希望、そして心の拠り所があった。2018年のコーチェラ初出演時や、当時のアルバム『American Utopia』を携えたツアーを観た人なら知っての通り、彼の近年のコンサートは緻密に計算され、完璧に振り付けられた至高の体験である。
今回のステージも同様に壮観だった。バーンは最初、オレンジ色のジャンプスーツ姿で一人で現れ、最新アルバム『Who Is the Sky?』から「Everybody Laughs」を披露して幕を開けると、バンドのメンバーたちが次々とステージに加わった。最新アルバムからは「When We Are Singing」や「What Is the Reason for It?」、さらにブライアン・イーノとの共作「Strange Overtones」も演奏された。しかし、セットリストの軸となったのは、やはりトーキング・ヘッズの名曲群だ。「And She Was」「This Must Be the Place」、そして「Psycho Killer」が披露されると、観客たちは歌詞をシンガロングして歓喜に沸いた。
愛の意味を問う「What Is the Reason for It?」の演奏前、彼は俳優/監督のジョン・キャメロン・ミッチェルから聞いた話を披露した。
「ジョンは私にこう言いました。『愛と思いやりこそが、今私たちができる最もパンクな行為なんだ』と。その時はすぐにはピンときませんでしたが、今は理解できます。愛と思いやりは、一つの抵抗の形なのです」
その後、「Life During Wartime(戦時下の生活)」の最中には、ICE(米移民・関税執行局)に対する抗議活動の映像がステージを囲むスクリーンに映し出され、会場からは大きな歓声が上がった。
最後は「Once in a Lifetime」と「Burning Down the House」の強力な二段構えで締めくくられ、この週末で最高のセットの一つと言える、忘れがたく熱狂的なフィナーレとなった。
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From Rolling Stone US.
SUMMER SONIC 2026
2026年8月14日(金)・15日(土)・16日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園
※デヴィッド・バーンは8月15日(土)東京会場、16日(日)大阪会場に出演
デヴィッド・バーン
『Who Is The Sky?』
発売中
■日本版ボーナストラック収録
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David Byrne en Coachella pic.twitter.com/HaJhJqJ8Qs — Tráfico Cultural (@traficocultural) April 12, 2026 David Byrne en Coachella
"Psycho Killer" pic.twitter.com/A8kUEfCzZH — Tráfico Cultural (@traficocultural) April 12, 2026
