毎月分配型の投資信託は「定期的にお金が受け取れる」として人気があります。一方、基準価額が下がっている商品も多く、その仕組みを正しく理解することが大切です。今回は純資産総額の大きい代表的な3本をもとに、その特徴と注意点を解説します。※サムネイル画像:PIXTA

ゆうちょ銀行の窓口やATMで、投資信託の案内を目にすることが増えました。定期預金のほかに資産運用が気になっているものの、「どれを選べばいいのか分からない」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

実は、ゆうちょ銀行では、投資信託の販売金額や販売本数などのランキングを随時公開しています。その上位商品の中から、All Aboutマネーガイドの田代昌之さんに、初心者でも取り組みやすい投資信託の3商品を厳選してもらいました。

今回は、投資信託の中でも根強い人気を誇る「毎月分配型」に注目します。毎月、現金が受け取れる仕組みは魅力的ですが、このタイプは資産を増やすファンドとは考え方が根本から異なります。意外と見過ごしがちな注意点を、プロの視点で分かりやすく教えてもらいました。

◆毎月分配型のメリットと注意点も理解しよう

毎月分配型の最大のメリットは、定期的に分配金が受け取れる点です。年金のような感覚で現金収入を得られるため、資産を取り崩しながら使いたい人には分かりやすい仕組みといえます。

一方、注意したいのがその分配金の原資です。この原資は運用益だけでなく、元本の一部を取り崩して分配しているケースもあり、その場合は基準価額が下がりやすくなります。今回取り上げたファンドも、長期では基準価額が下落している点には注意が必要です。

つまり、分配金をもらっている=資産が増えているとは限らないため、資産の取り崩しに近い性質を持つこともある点を理解しておくことが重要です。特に長期では、分配金の多さと資産の増減は別物である点に注意が必要です。

今回は、ゆうちょ銀行の純資産総額ランキング(算出基準日:2026年4月3日)の中から、毎月分配金型で純資産額が大きい商品を3つ厳選してご紹介します。

◆ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)

基準価額:3416円(2026年4月3日時点)

直近分配金(2026年4月3日時点):20円(2026年3月10日)

純資産総額:1兆791億円(2026年4月3日時点)

商品内容:世界の高配当株に投資し、配当収入(企業が支払う配当金などの収益)を重視するファンドです。安定した分配を目指す設計ですが、株価変動や為替の影響を受け、基準価額は長期で下落しています。

今後のポイント:高配当株への需要は根強く、分配継続力は注目点です。一方で、株価下落や為替変動による影響を受けやすく、分配の原資と基準価額の関係には注意が必要です。

◆ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)

基準価額:2418円(2026年4月3日時点)

直近分配金(2026年4月3日時点):20円(2026年3月17日)

純資産総額:6828億円(2026年4月3日時点)

商品内容:米国の不動産投資信託(REIT)に投資し、インカム収入(賃料収入など)を重視するファンドです。為替ヘッジなし(為替変動の影響をそのまま受ける仕組み)のため、ドル円の影響も大きく受けます。

今後のポイント:米国金利の動向が最大のポイントです。金利上昇局面では価格が下がりやすく、分配維持とのバランスが課題となります。為替の影響にも注意が必要です。

◆スマート・ファイブ(毎月決算型)

基準価額:9403円(2026年4月3日時点)

直近分配金(2026年4月3日時点):40円(2026年3月9日)

純資産総額:2654億円(2026年4月3日時点)

商品内容:株式・債券・REITなど値動きの異なる複数資産に分散投資するバランス型ファンドです。リスクを抑えつつ安定的な分配を目指す設計となっています。

今後のポイント:分散効果により値動きは比較的安定していますが、大きな成長は期待しにくい点が特徴です。安定性と分配のバランスをどう評価するかがポイントです。

※金融商品に関する情報は、記事執筆時点のものになります。詳細は各社が発表している株主優待内容をご確認ください。記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いします。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。

文=田代 昌之(金融文筆家)