Dodgers Giants【写真:Getty Images】

 

メジャーリーグ 最新情報

 遂に開幕した2026年のメジャーリーグ。各種予測モデルが出揃い、ナ・リーグ西地区の構図も見え始めている。ドジャースが戦力面で頭一つ抜ける一方、ジャイアンツ、パドレス、ダイヤモンドバックスは拮抗し、プレーオフ枠を巡る争いは混戦模様だ。戦力のバランス、故障リスク、シーズン中の変動要素まで含め、今季のナ・リーグ西地区の勢力図をデータから読み解く。(文:Eli)

 

地区優勝はほぼ確定…?“2位争い”が最大の焦点に

[caption id="attachment_259361" align="aligncenter" width="1061"] Fangraphs , PECOTAの予測[/caption]

 

 

 米予測システム『Fangraphs』や『PECOTA』の予測を見ると、ナ・リーグ西地区の情勢ははっきりしている。巨大戦力を抱えるドジャースが頭一つ抜けており、コンテンダーとして十分な戦力を持つジャイアンツ、ダイヤモンドバックス、パドレスが80勝前後でプレーオフ出場枠を争い、再建中のロッキーズが最下位と見られる。

 

 意外なのは、ここ数年レギュラーシーズンでドジャースと熾烈な争いを繰り広げてきたパドレスが、ジャイアンツやDバックスと同じレンジにとどまっている点だろう。

 

 戦力の上限という意味では依然として高いものの、先発ローテーションの層や打線の年齢構成に不安を抱えており、予測モデル上はやや評価を落としている。

 

 

 一方で、ジャイアンツとDバックスはともに突出した戦力こそ持たないものの、攻守にバランスの取れた陣容を維持している。

 

 大きな上振れを前提とせずとも勝ち星を積み上げられる点が、80勝前後という予測に収束している要因だろう。

 

 もっとも、このゾーンに複数球団がひしめく構図である以上、シーズン中の故障やトレード、若手の台頭といった変動要素ひとつで序列は容易に入れ替わる。

 

 ドジャースの優位は揺るがないとしても、その背後の争いはシーズン終盤まで混戦となる可能性が高い。

 

ロサンゼルス・ドジャース

[caption id="attachment_259362" align="aligncenter" width="1084"] ドジャース成績予測[/caption]

 

 

 ここからは西地区の各球団の成績予測を見ていく。まずは優勝候補筆頭とされるロサンゼルス・ドジャース。

 

 今オフ、主力の流出がほぼなく、逆にカイル・タッカーやエドウィン・ディアスといったFA市場トップクラスのタレントを獲得し、ワールドシリーズ3連覇へ向けた体制を整えた。

 

 Fangraphsの試算では先発ローテーションがMLB4位、ブルペンが同3位、打線は1位と、いずれもリーグ上位に位置する。

 

 合計fWAR54.6は30球団で唯一の50台に到達しており、純粋な戦力では他を大きく引き離すMLBトップの存在と言える。

 

 一方で、このチームに付きまとうのはやはり故障リスクだろう。打線は9人中6人が30歳以上のベテランで構成され、先発は出力重視、ブルペンも昨季の長い戦いによる消耗の影響が懸念される。

 

 実際、現時点でも故障者リストには10人が登録されている。シーズンを通じた負荷管理と柔軟なロースター運用が鍵を握ることになりそうだ。 

 

 

サンディエゴ・パドレス

[caption id="attachment_259363" align="aligncenter" width="1068"] パドレス成績予測[/caption]

 

 ここ数年、レギュラーシーズンでドジャースと熾烈な争いを繰り広げてきたサンディエゴ・パドレスだが、今季は一歩後退するシーズンとなりそうだ。

 

 オフにはエースのディラン・シース、補強戦力のライアン・オハーンが流出。打線では長期契約を結ぶマニー・マチャド、ザンダー・ボガーツ、ジェーク・クロネンワースがいずれも32歳を超え、加齢によるパフォーマンス低下のリスクを抱える。

 

 先発ではニック・ピヴェッタ、マイケル・キングのワンツーパンチは計算できるものの、3番手以降のランディ・バスケス、ヘルマン・マルケス、ウォーカー・ビューラーは防御率5点前後が予測されており、層の薄さは否めない。

 

 一方でメーソン・ミラー、アドリアン・モレホン、ジェレミア・エストラーダを擁するブルペンはMLBトップクラスの戦力を誇り、数少ない明確な強みとなっている。

 

 カギを握るのは、打線におけるフレッシュな存在であるフェルナンド・タティスjr.とジャクソン・メリルだろう。タティスは薬物使用による出場停止こそあったものの、処分明けの2023年以降は毎年オールスター級の活躍を続け、昨季はfWAR6.1を記録した。

 

 メリルはルーキーイヤーの2024年にfWAR5.3で新人王を獲得。昨季は故障の影響で115試合の出場にとどまったが、まだ22歳と伸びしろを大きく残している。

 

 編成トップのAJ・プレラーの手腕にも注目したい。オフには限られた資金の中でバウンスバック候補を集め、戦力の底上げを図った。またトレード巧者としても知られており、デッドラインでの動きによって戦力を上積みする可能性もある。

 

サンフランシスコ・ジャイアンツ

[caption id="attachment_259364" align="aligncenter" width="1069"] ジャイアンツ成績予測[/caption]

 

 

 アーロン・ジャッジ、カルロス・コレアなどの獲得に失敗するなど、数年にわたりFA市場での大補強が実らず、一部では「魅力がない」とまで評されたサンフランシスコ・ジャイアンツ。

 

 しかし近年はマット・チャップマン、ウィリー・アダメス、そして昨季のブロックバスタートレードで獲得したラファエル・ディバースなど、FAやトレードを組み合わせた多様な手法で戦力を構築し、着実にチーム力を底上げしてきた。

 

 今季の戦力は、追いかけるドジャースと比べると一回り見劣りする印象だ。打線は前述の通り主力は揃っているものの、タッカーや大谷のような試合の流れを一変させるゲームチェンジャーが不在。

 

 先発もエースのローガン・ウェブ以外は決め手に欠ける。ブルペンではオールスタークラスのクローザーであるランディ・ロドリゲスをトミー・ジョン手術で欠き、カミロ・ドバルもヤンキースへ放出。

 

 サイドスローのライアン・ウォーカーを除けば、層を埋めるために人員をかき集めた構成にとどまっている。

 

 同様の戦力状況であるパドレスやDバックスと共にドジャースに食らいつき、ワイルドカードでのプレーオフ出場を目指すことになりそうだ。

 

 

アリゾナ・ダイヤモンドバックス

[caption id="attachment_259365" align="aligncenter" width="1070"] Dバックス成績予測[/caption]

 

 昨季は80勝82敗と負け越し地区4位。ワイルドカードでも圏内まで3ゲーム差と沈んだアリゾナ・ダイヤモンドバックス。2023にワールドシリーズまで進んで以降、あまり成果を残せていない。

 

 今オフはザック・ガレン、メリル・ケリー、ポール・シーウォルド、ジェームズ・マッキャンなど再契約を軸とした補強を行い戦力を整えた。また最も目立った動きとしてカージナルスからオールスター8回出場のノーラン・アレナドをトレード獲得した。

 

 昨季メジャー8位のwRC+を記録した打線をトップツーのケテル・マルテ、コービン・キャロルがけん引する。前述したアレナドや昨季wRC+138、fWAR7.1を記録した ヘラルド・ペルドモが中軸を形成する。

 

 今季も上位クラスの攻撃力を発揮することはできるだろう。

 

 問題は投手陣だ。先発は2023年ワールドシリーズ時と同様にガレンとケリーが軸となるが、いずれも当時から成績を落としている。

 

 長期契約で獲得したコービン・バーンズもトミー・ジョン手術の影響で復帰は6月以降の見込み。ライン・ネルソンやブランドン・ファートら若手に依存せざるを得ない状況だ。

 

 さらにブルペンも厳しい。クローザーのジャスティン・マルティネス、セットアッパーのAJ・パクを相次いでトミー・ジョン手術で欠き、昨季FIP4.66の36歳シーウォルドをクローザーに据える構成となっている。

 

 全体として不確実性の高い陣容と言わざるを得ない。プレーオフ争いに食らいつくには強みの打線で相手を打ち負かすことがカギとなりそうだ。

 

 

コロラド・ロッキーズ

[caption id="attachment_259366" align="aligncenter" width="949"] ロッキーズ成績予測[/caption]

 

 どう転んでも地区優勝争いに加わる可能性が低いのがロッキーズだ。

 

 2019年以降プレーオフ出場はなく、昨季まで3年連続で100敗を喫している。

 

 強豪がひしめくナ・リーグ西地区において、苦しい戦いを強いられている状況だ。

 

 オフにはフロント首脳陣を入れ替え、改革に着手したものの、現有戦力、さらには将来を担うファームシステムともにメジャー下位レベルにとどまっている。短期的に勝ち星を積み上げるのは難しいと見られる。

 

【著者プロフィール】

Eli

主にXでドジャース、MLBに関する情報を発信。

X:@byeli_dodgers59

note: https://note.com/lim33

 

 

【データ一覧】ナショナル・リーグ西地区成績予測

 

 

[caption id="attachment_259361" align="aligncenter" width="1061"] Fangraphs , PECOTAの予測[/caption]

[caption id="attachment_259362" align="aligncenter" width="1084"] ドジャース成績予測[/caption]

[caption id="attachment_259363" align="aligncenter" width="1068"] パドレス成績予測[/caption]

[caption id="attachment_259364" align="aligncenter" width="1069"] ジャイアンツ成績予測[/caption]

[caption id="attachment_259365" align="aligncenter" width="1070"] Dバックス成績予測[/caption]

[caption id="attachment_259366" align="aligncenter" width="949"] ロッキーズ成績予測[/caption]

 

 

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【了】