年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、住民税の確定申告についてです。※サムネイル画像:PIXTA

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、住民税の確定申告についてです。

◆Q:65歳以上の年金生活でも住民税の確定申告は必要?

今回はAll About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。

「65歳以上の年金生活でも住民税の確定申告は必要になりますか?」

◆A:所得税の確定申告をしていれば、原則として住民税の申告は別途必要ありません

公的年金は、税法上「雑所得」として扱われます。ただし、年金受給者の申告負担を軽くするため、公的年金等には「確定申告不要制度」が設けられています。

この制度では、公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、その全てが源泉徴収の対象となっており、さらに公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要とされています。

そのため、65歳以上で年金を受け取っていても、条件を満たしていれば確定申告をしなくてよい場合があります。

一方で、医療費控除や生命保険料控除、扶養控除などを受けたい場合は、申告をしないと控除が反映されず、結果として住民税の負担が重くなることがあります。こうした控除の適用を受けたい場合は、確定申告や住民税申告を行うことで、税負担が軽くなる可能性があります。

また、住宅ローン控除、医療費控除、雑損控除などの適用を受ける場合は、還付を受けるために確定申告が必要です。対象となる場合は、期限までに手続きを行いましょう。

なお、所得税の確定申告を行った場合は、その情報が市区町村にも送られるため、原則として住民税の申告を別に行う必要はありません。

ただし、確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になるケースがあります。例えば、年金以外に収入がある場合や、住民税で各種控除の適用を受けたい場合などです。

また、ふるさと納税のワンストップ特例を利用している人が確定申告をする場合は、それまでのワンストップ特例は無効になります。確定申告をする際は、寄附金控除も忘れずに申告書へ記載するようにしましょう。

住民税の申告が必要かどうかは、収入や控除の状況によって異なります。不安な場合は、お住まいの市区町村や税務署に確認すると安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部