
工藤大輝(Da-iCE)が初めてトータルプロデュースを手掛けるガールズコレクティブ(ガールズダンス&ボーカルグループ)・Re:inc.。数年前から水面下で始動させていたこのプロジェクトの全貌について。そして、このたび完成した記念すべき1st EP『Pre:inc.』について、工藤大輝とメンバー(LIKO、SAKI、NENE、RANA、VALE)にがっつりと語ってもらった。Re:inc.のコンセプト、音楽性、各メンバーのストーリーと採用理由、1st EP全曲解説、今後のヴィジョン等々すべてを知れる貴重なインタビューテキストとなっている。
―Re:inc.のプロデュースを工藤さんが手掛けることになった経緯から伺ってもよろしいでしょうか。
工藤大輝:10年ぐらい前からトータルプロデュースに興味はあったんですけど、座組みをつくるのも大変ですし、近年はオーディションブームなので、二番煎じ、三番煎じになってしまうなと思ってなかなかやれずにいたんです。そんな中で今のチームの方々にお声掛けいただいて「こういう座組みだったら面白そうだよね」みたいな話をしていて。それが実現できそうになったのが2、3年前で、そこから水面下では動いていたんです。
―前回、大輝さん初のセルフカバーアルバム『Otowonous』リリース時のインタビューで、様々なガールズグループに楽曲提供してきた話を伺わせていただいていたので、そんな大輝さんがガールズグループをトータルプロデュースすることになったと知って期待が膨らみました。この5人のメンバーでRe:inc.を立ち上げようと思った決め手は何だったんですか?
工藤大輝:90年代のブラックミュージックからの流れのY2Kのグループをやりたかったんですよね。僕が多感な時期にいちばん影響を受けた音楽ということもあるし、1周、2周して今また流行になるというところもあったので、そこは自信を持ってできるなと思って。僕は今、30代後半なんですけど、同世代の方々が親になっていて、その子供に自分の好きな音楽を聴かせるというのは、当然の流れとしてあるなと。少し前までそれはロックだったと思うんです。ロックの形を借りたアイドルグループが売れたりする現象ってその影響もあったと思うんですけど、いよいよブラックミュージック。それこそ90年代にムーヴメント化したR&Bやヒップホップがそこに入ってくる時期になっているので、そういうところを活かしていけるグループをやりたいなと思っていたんです。
―たしかに、今回の1stEP『Pre:inc.』は、その時代のブラックミュージックのリファレンスをあらゆるところで感じることができます。
工藤大輝:それがまずコンセプトとしてあって。そのうえでオーディションをやっていったんですけど、どこどこの番組さんと組んで大々的にずっと追いかけてもらうとかじゃなくて、いわゆる旧式のというか、履歴書を送ってもらって面談していく形のオーディションを水面下でやろうと。なので、Re:inc.がデビューするまで誰も知らなかったと思うんですけど、実は僕とチームの皆さんでひとりひとりと話をして、審査して決めていったメンバーがこの5人なんです。
―そのメンバーの皆さんにもお話を伺っていきたいのですが、この世界を目指したきっかけからRe:inc.のメンバーになるまでの経緯を聞かせてください。では、まずRANAさんから。
RANA:私はダンスを3歳ぐらいからやっていたんですけど、中高生になっていざ今後の進路を決めることになったときに「ダンサーになりたいな」とは思わなかったんですよ。というのも、小学生の頃から歌って踊るアーティストを見て育ってきたので、自分も「歌って踊りたい」と思っていたんですよね。それをきっかけに歌も本格的に始めて、そこからはもうダンス&ボーカルの人たちに憧れながら、必然的にその夢を叶える為にガムシャラに生きてきて。今、やっとスタートラインに立てた感じですね。
―どんなダンス&ボーカルの人に憧れて育ってきたんでしょう?
RANA:小学生のときは、KARAさんとか少女時代さんなどのK-POP。あとは、E-girlsさんやAAAさんだったり、そういうJ-POPのダンス&ボーカルグループをたくさん観て育ちました。
―ゆえにこのグループのオーディションを受けたと。
RANA:オーディションを受けようと思ったのは……(笑)。
―笑えるエピソードがあるんですか?
RANA:オーディションサイトを見ていたら、結構チープな情報が記載されていまして……。
一同:(笑)
RANA:大輝さんの名前は公開されていなくて、そこには「アリーナクラスのアーティストが……」とか「有名な大手レーベルに所属できますよ」とかしか書いていなかったんですよ! でも、私は大輝さんのつくる楽曲が元々好きで、いろんなアーティストの方々に提供している楽曲も聴いていたので、ちょっとした感付きもあり。それで「絶対にここで決めてやろう!」と思って受けました。
―そんなRANAさんをメンバーに決めた理由は何だったんでしょう?
工藤大輝:最終選考まで12人が残って、みんなにダンスや歌をちゃんと見せてもらう機会があったんですけど、ここにいるみんなのスキルは本当に申し分なくて。それプラス、キャラとか、面白いかどうかが判断基準だったんですけど……。
―Da-iCEもそこは強いですもんね。
工藤大輝:ウチは全員、例外なく特殊なんで(笑)。とは言え、最初からそういうグループにしようと思っていたわけではないんですけど、個性的なメンバーのほうが面白くなることは分かっていたので、必然的とそうなって。RANAに関しては、ファッション面もそうですし、ラストチャンスだと思って受けていたところもあって、なにくそ的なハングリー精神、強いエネルギーみたいなものを感じて。しかもそれが変な方向に作用しない出方だったんですよ。もっとクセの強い子とかもいたんですけど、グループをやるうえでそれが良いわけではないと思っていたので、そういう部分も俯瞰で見させてもらって、RANAにはメンバーになってもらおうと決めました。
―続いて、VALEさん。
VALE:私は、ダンス経験は無くオーディションに合格してから本格的に始めたんですけど、子供の頃からずっと音楽は聴いていて、気付いたら歌手をずっと目指していて。ただ、ひとりで活動しているアーティストよりも、ダンス&ボーカルグループをずっと観ていて、その人たちがステージの上で輝いている姿にずっと憧れながら過ごしていました。
―具体的には、どんな人たちに憧れていたんですか?
VALE:いちばん大きく影響を受けたのは、小学生低学年ぐらいからずっと観ていたBIGBANGさん。南米の家庭にいたので、ラテン系も子供の頃からずっと聴いていたんですけど、いちばん自分の心を動かしたのはK-POPで。その中でもBIGBANGさんは特に好きでしたね。で、自分もステージに立ちたいと思って、中3の頃に通っていたボイトレの中でやっていたオーディションで、エイベックスさんと関わりそうになったんですけど、そのときに行こうとしていた芸能高校が外部との接触禁止だったので、そのときは渋々お断りすることになっちゃったんです。で、芸能高校で3年間過ごしていたんですけど、その間もずっと外部との接触を制限されていたので……。
―芸能高校に入らないほうがよかったパターン?
VALE:でも、別のルートを歩んでいたらここにいなかったし、それも巡り合わせなのかなとは思っています。スピリチュアル、好きなので。ちょっとスピってますよね。
工藤大輝:それ、別にスピってるって言わない(笑)。
VALE:でも、本当にRe:inc.のメンバーになれてよかったです。私も年齢的に最後の挑戦かなと思って、覚悟を決めてこのオーディションを受けたので。受かったときは「やっと認められた。やっとスタートできる」と感慨深かったです。これからもこの5人でずっと共に人生を歩むんだと思うと……なんかグッと来ます。この5人なら頑張れると思ったし。

左から、LIKO、SAKI、NENE、RANA、VALE
―VALEさんを採用した要因は何だったんですか?
工藤大輝:VALEは、完全に歌唱力。声質。歌が上手いと言ってもいろんなベクトルがあると思うんですけど、このタイプの歌が上手い子ってダンス&ボーカルグループで言うとレアケースなんですよ。なので、今後の展開を考えたときにグループ外での活動とか、例えば、番組で誰かとコラボする案件が出てきたときに物凄く説得力が出るスキルだなって。そこが魅力的だなと思ったんです。あと、ダンス歴はなかったんですけど、最終審査前の個人でのパフォーマンスも決め手になりました。歌に振りを付けて、歌いながら踊ってくださいという演目をお願いしたら、全然踊れていなかったんですけど、頑張って振付けて踊っていたんですよ。それを見たときに「めっちゃガッツある子だな」って。
―なるほど。ちゃんと踊れていなくても、目を見張るものがあったわけですね。
工藤大輝:できない子は「できない」と言って諦めちゃうんですけど、VALEは何とかしようとしていた。そういうのって伸びしろとして判断できるから、それも加味して面白いなと思って採用しました。実際、今はもうすごく踊れるようになっていますし、短期間で物凄く成長しているし、最初は猫背だったんですけど、今はなおってきて(笑)。そういう変化を見られるのが楽しいです。
―続いて、LIKOさん。
LIKO:私は5歳の頃からダンスを始めて、小学生の頃からダンスの先生になりたいと思っていたので、中学生のときもずっとダンスのスクールに通っていたんです。そこからダンス専攻がある学校に進学したんですけど、そこは芸能系の学校だったからいろんなオーディションがあって。私は歌も幼いときから毎日歌っているぐらい好きだったので、ダンス&ボーカルのオーディションがあったときに試しにいろいろ受けてみたんですよ。それでダメだったところもあれば、たまたまエイベックスさんのオーディションに通って何年か練習生をやらせていただいていたんですけど、しばらくはアーティストになりたいという気持ちにはならなくて。そのときはまだダンスの先生になりたかったから。でも、テレビで三浦大知さんの無音ダンスを観て「こういうやり方もあるんだ」と知ったときに、アーティストになりたいかもという気持ちが出てきて。
―それだけ三浦大知さんの無音ダンスに衝撃を受けたんですね。
LIKO:そこからまたいろんなダンス&ボーカルのオーディションに参加していくうちに「やっぱりやりたいな」という気持ちになり、この業界を目指すようになりました。で、最終的にこのグループのオーディションを見つけたときに、年齢のこともあって「これが最後になるかもしれないな」と思って。親からも「これで最後にしなさい」と言われていたぐらいだったので、人生を懸けて挑んだら合格できたので……もう安心です!
工藤大輝:ハハハハ!
―ここからですけどね(笑)。
工藤大輝:安心しないで(笑)。
―LIKOさんは、大輝さんから見てどんなところが魅力的だったんでしょう?
工藤大輝:すごくバランスが良い子で、歌も安定感があるし、ダンスはもちろん申し分ないし、佇まいとかしゃべり方とかもある程度落ち着きがあるし。他がいろんな意味で面白い子たちが多いから(笑)、グループの軸になってくれるだろうなって。エイベックスのスタジオでバイトしたりもしていたから、大人たちへの対応とかもすごく分かっているし、あらゆる面で信頼ができそうだなと思って採用しました。
―続いて、SAKIさん。
SAKI:私はダンスを3歳ぐらいからやっていたんですけど、同じぐらいのタイミングでピアノも始めて。あと、家族全員でゴスペルをやっていたから歌も好きで、家にいると必ず誰かが歌っていたりして、そんな感じで音楽に囲まれて育ったんですよね。で、小学生高学年ぐらいのときにAAAさんのライブを観て「歌って踊る人って格好良いな」と思うようになったんです。そこからいろんな事務所のオーディションを受けるようになって、あちこち落ちたんですけど、本命だったというか、入りたかったエイベックスに練習生として入るようになってからは「やっぱりダンス&ボーカルのアーティストになりたい」という気持ちが強くなって。ただ、小学生からずっと練習生で、中学、高校、大学と進むうえでいろいろ葛藤もあったりして。全部頑張りたかったから、歌もダンスも諦めたくないし、勉強も諦められない状況でずっと生きてきたんですけど、ことごとくオーディションを落ちてしまっていたんです。
―夢に向かって長年頑張ってきたけれど、ずっと報われずにいたんですね。
SAKI:それで、大学生になったときに「もうチャンスがないのかも」と先が見えなくなって。そんなときにこのグループのオーディションに出逢えたから「これに懸けるしかない」と。……正直、最初は半信半疑というか「大丈夫かな?」と思ったんですけど(笑)。
―さっきも、RANAさんが「チープな情報が記載されていた」と仰っていましたけど、怪しく感じたんですかね(笑)?
工藤大輝:情報を隠していたので、本当に胡散臭い感じだったんですよ(笑)。
SAKI:それでも「諦めきれない!」という気持ちがあったので、とりあえず受けてみようと。で、自分のできることを精一杯やろうと。そしたら合格して……ずっと長年抱いていた夢だったので、やっと希望が見えました。とは言え、大学に通いながらの活動ということもあって、最初はなかなか実感が湧かなかったんですけど、最近やっと「デビューできたんだな」と実感しています。
―大輝さんから見て、SAKIさんはどんなメンバーなんでしょう?
工藤大輝:歌もダンスもスキル面はまったく心配なくて。あと、彼女は関西在住で有名な大学にちゃんと通いながら活動しているので、それは他の子にはないアドバンテージだし、中長期的な目で見たときにもしかしたらその経歴が活きてくることがあるかもしれないと思っていて。だから「大学は辞めずに頑張って通い続けてほしい」と説得したんですけど、そういうオリジナリティみたいなところを大事にしてほしいなと思っています。最初「上京したいんですけど」と言っていたよね?
SAKI:「大学、辞めます!」って言いました(笑)。
工藤大輝:普通、こちらが上京させる側だと思うんですけど、逆に止めるっていう(笑)。

左から、LIKO、SAKI、NENE、RANA、VALE
―続いて、NENEさん。
NENE:えーっと、これになろうと思ったきっかけは……
―これになろう(笑)。
一同:(笑)
工藤大輝:すごいな! 日本語がヘタだねぇ(笑)。
NENE:すみません(笑)。私も5歳のときからダンスをやっていて、小学生のときにバックダンサーとかもやっていたんですけど、「自分がやりたいのはこれじゃないな。ステージの主役になりたい!」と思うようになって。で、小学生高学年のときに安室さん(安室奈美恵)のライブDVDを観て「うわ、格好良いし、可愛い! 私もこれがやりたい!」と思って、そのあとBLACKPINKさんが出てきて、グループでパフォーマンスしている姿を観て……うーん……えーっと……像が見えました! ハハハハ!
―目指すアーティスト像、ヴィジョンが見えたわけですね。あと、話を聞くメンバーの順番がこの流れでよかったです(笑)。
工藤大輝:オチ担当です(笑)。
NENE:ハハハハ!
―めっちゃ笑ってますけど、まだそんなに語れてないですからね(笑)。もうちょっと聞かせてください。
NENE:えーっと、そして、中2から練習生を始めまして。で、3年間やり続けて。でも、ダメで。で、1年後、また別のプロジェクトで1年ぐらい練習生をやっていたんですけど、そこも最終審査で落ちちゃって。その2、3週間後ぐらいにこのグループのオーディションのお話をいただいたんですけど、その時点で自分はメンタル的にも限界に近くて。
―それだけ頑張ってきたけど、報われずにいたから。
NENE:そうです。だから「これで最後にする」と親にも話してこのオーディションを受けたんですけど、合格して、驚いて……うれしかったです!
―小学生の感想みたい(笑)。でも、よかったですね。
工藤大輝:その日がお母さんの誕生日だったんだよね?
NENE:あー、そうです! 合格発表の日がお母さんの誕生日だったんです。喜んでくれて、最高の誕生日プレゼントになりました!
―Re:inc.での活動には、どんなことを感じていますか?
NENE:たのしい!
―楽しそうなのはもう伝わってます(笑)。大輝さんから見た彼女の魅力について聞かせてください。
工藤大輝:某有名グループの練習生とかの時期がすごく長くて、スキル面は申し分なくて、特にダンスなんですけど、本当に上手で。あと、オーディションって部屋に入ってきて、挨拶して、パフォーマンスする一連の流れがあるわけですけど、彼女はそのときに2リットルのペットボトルの水を持ってひょこひょこひょこって入ってきて。「うわ、ヘンな子だな」と思ったんですけど(笑)、そこから「じゃあ、踊ります」と言った瞬間に急にスイッチがバチーン!と入って、めちゃくちゃ上手いダンスを見せてきたんですよ。そのギャップもすごく良いなと思ったし、他にいない子だなと思って採用しました。
―そんな5人から成るRe:inc.の1st EP『Pre:inc.』がこのたび完成しました。大輝さんは仕上がりにどんな印象を持たれていますか?
工藤大輝:Re:inc.の全体像はどういうものなのか。まずはそれを提示できるようにしようと。僕は単曲で他のグループさんのプロデュースをさせてもらうことが多いんですけど、単曲だと自分の思っている通りの導線まで辿り着かないというか、そのあと違うプロデューサーさんの曲が入ってきて、良い意味では選択肢が広がるんですけど、やっぱりとっ散らかっちゃうんですよね。そこで統一感を出すことがこれからのグループが生き残っていける、大事なところかなと思っていて。どういうカルチャーを背負っていて、どういう方向性に進んでいっているのか、一発で分かるグループじゃないと残らないなと思っているんです。なので、1stEPはそこをかなり意識して、編曲とかも全部同じ方とやって、統一感を絶対に崩さないようにしました。その中で曲調や歌っている内容で振り幅をつくっていった作品ですね。
―1st EP『Pre:inc.』は6曲収録されているので、5曲はメンバー5人それぞれに語ってもらいたいと思うんですけど、1曲「これをカバー曲に選んできたか!」と驚かされたナンバーについて大輝さんに語ってもらいたく。2000年にリリースされた知る人ぞ知るガールズグループの名曲、EARTHの「time after time」なんですけど。これを今フックアップするセンスに脱帽しました!
工藤大輝:そう言ってもらえると嬉しいです! この曲をカバーしようと思ったのは、まず大前提で僕が大好きな曲だったというのと、EARTHさんはわりと早い段階で解散してしまったんですけど、YouTubeとかでたまに検索してこの曲のコメント欄を覗くと「やっぱり名曲だったよね」とか「今聴いてもめっちゃ良いよね」みたいな、僕と同じ気持ちの人が多くて。「これ、なんで誰もカバーしないんだろう?」と思っていたんですよ。で、今、Re:inc.が90年代~00年代の質感の音楽をやっているというところで、この5人が歌っても納得できるクオリティまで持っていけるなと思ったので、この曲をやりたいとずっとスタッフにも話していて。そしたらカバー申請が通ったので、このタイミングでカバーさせてもらいました。
―本当に素晴らしいカバーでした。2020年代にこの曲を蘇らせる作業って誰もやっていなかったので、それも含めて有意義だなと。
工藤大輝:いわゆる地上波と密着したオーディションだと、グループが出来上がった時点でファンダムもつくれる。でも、僕らは敢えてその形態を取らなかったので、今、TikTokでバズらせるのもすごく難しい時代になってきている中でどうやって新規ファンを振り向かせるかと言うと、それこそ「この曲をカバーしてるの、誰?」みたいなところからの流入で煽っていく。そうすれば、僕らが昔好きだったJ-POPをもう1回再燃させることもできるし、すごく良い広がりを見せそうだなというところで、オリジナルとカバーを半分ずつやっていくと面白いかなと思って、今回のEPもオリジナルとカバーを3曲ずつ収録することにしたんです。フェスとかに出て、完全アウェイの中でライブするときも、それこそ「time after time」のイントロがかかったら「え、誰がこれ歌ってんの?」って人が集まってくるだろうなと思って。
―そんな『Pre:inc.』の収録曲たちについて1人ずつ語ってもらいたいのですが、RANAさん。EPのオープニングを飾る「LITM」を歌ってみて、そして、仕上がりにどんな印象を受けたか聞かせてください。
RANA:「LITM」は、ニュージャックスウィングのエッセンスを取り入れた楽曲になっていまして、大輝さんのデモが送られてきた時点で「めっちゃ良い曲だな! これはヤバい!」と。メンバー全員、激アツなリアクションだったことを憶えています。ダンスでも初めてみんなでニュージャックにチャレンジしたんですけど、そのニュージャックの雰囲気をキャッチするのが結構難しくて、みんなで苦戦しながら挑戦したものの、自分たちが楽しみながらやるのが正解だと思って今はパフォーマンスしています。「HEY!HO!」という掛け声があったり、お客さんをどんどん巻き込んでいける曲だと思うので、これからどんどんライブで楽しみながら披露していきたいです!
―続いて、VALEさん。「TCIY」の曲紹介をお願いします。
VALE:「TCIY」は、Re:inc.のデビュー曲なんですけど、実はオーディションの課題曲でもあったんですよ。大輝さんが「Re:inc.をこんなグループにしたい」という想いを込めてくれたこともあって、5人全員にとって特に思い入れのある曲なんです。「TCIY」=「The choice is Yours」の略で歌詞にも出てくるんですけど、これからの選択を自分で決めていくんだよっていう。それぞれに「これが正解だ」と思うことを追求していけばいい。そのフレーズが今の自分とめっちゃリンクしている気がしていて、自分の人生を歌っている感覚にもなれる。メッセージ性が強いからすごく響くんですよね。なので、歌詞にも注目してほしいですし、ダンスパフォーマンスもRe:inc.ならではのしなやかさ、女性らしさを表現しているので、そこにも注目してほしいなと思っています。
―続いて、LIKOさん。竹内まりやさんのカバー「Plastic Love」についてお願いします。
LIKO:私の生まれる前の曲で聴いたことがなかったんですけど、私はダンス&ボーカルの曲ばかり聴いて育ったので、こういう曲調に触れること自体も初めてだったんです。なので、歌詞も含めて「音楽でこういう表現もできるんだ?」ということにまず驚いて。それをどう私たちで表現するべきなのか。自分たちがまだ経験したことのないような歌詞をどう伝えるか、すごく考えながらレコーディングした曲なので、オリジナルとはまた違う印象にはなると思うんですけど、ぜひRe:inc.ならではの「Plastic Love」を聴いてみてもらいたいですし、ライブでのパフォーマンスや表情に関してはこれからまたいろいろ勉強して、私たちらしい「Plastic Love」を構築していけたらなと思っています!
―続いて、SAKIさん。泰葉さんのカバー「FLY-DAY CHINATOWN」についてお願いします。
SAKI:この曲をカバーするにあたって、今回初めて原曲を聴かせてもらったんですけど、すごく力強い歌声だと思って。だから「自分たちが歌ったら一体どうなるんだろう?」と思ったんですけど、Re:inc.で歌うと、Re:inc.の色になるというか、原曲とはまた違った雰囲気が出せたと思います。歌詞に関しては「Plastic Love」もそうなんですけど、メンバーの経験上深く理解できないから、想像でしか表現できないんですけど、みんなでこの歌詞に出てくる人や情景について話し合ったりもして。その結果、この曲のダンスの映像も先日公開されたんですけど、他の曲のヒップホップ要素が入っているダンスとは雰囲気が違いますし、衣装とかも変わっていて、Re:inc.の女性らしい格好良さが表現されているので、個人的にもすごく好きな曲になりました。
―では、このEPの最後を飾る「LOVE」について。トリです。NENEさん、お願いします!
工藤大輝:ダメだよ、「マジLOVEです!」とか言っちゃ(笑)。
NENE:「LOVE」は、まず「LOVE」じゃないんです!
一同:(笑)
工藤大輝:そうね。
NENE:「Let our voices echo」の略なんですけど。で、えーっと……今までの曲はニュージャックとかシティポップとか女性らしい曲だったんですけど、「LOVE」はバラードで。サビの部分が全員で……なんて言うんだっけ? コーラス?
―ユニゾン?
NENE:あ、ユニゾンです! そことかもみんなで合わせるのに苦戦しながらも頑張っていて。大輝さんが書いた歌詞も非常に深くて「これは誰に向けて書いているんだろうか」とみんなで分析して……。
工藤大輝:その分析結果は出たの?
NENE:え?
一同:(笑)
RANA:これから出会うであろうファンの皆さんとか、これから自分たちを知ってくださる方との想いを歌いたい私たちがいて。聴いてくださる方たちも私たちのことを想って聴いていただけたらなという風にまとまりました。
―RANAさん、代弁ありがとうございます。では、NENEさんは完成した「LOVE」を聴いた感想を聞かせてください。
NENE:好きです! LOVEだけに!
一同:(爆笑)
―そんな6曲入りの1stEP『Pre:inc.』も完成し、いよいよ本格的に世にリーチしていくRe:inc.なんですが、ここからどういうグループにしていきたいか。最後に大輝さんから聞かせてください。
工藤大輝:今もライブは決まっているとは言え、基本的にオムニバスとかフェスなので、まずはそういうところでしっかり経験値を貯めてもらって。その先でワンマンライブはやりたいと思っているんですけど、今の主流とは真逆の進め方なんですよ。最初からファンダムがあって、一発目からどデカいところでワンマンとかじゃないコツコツ型になっていくと思うんです。だからこそ、例えば急に音が止まっちゃうライブハウスでのライブとかもあるかもしれないし、そういう経験がトラブルシューティング力に繋がったりすると思うし、何事もみんなで考えて切り抜けていくことが大事だと思っているんですよ。その先で大きい会場のステージに立ったときにはすごい感動があるだろうし、そこに僕も立ち合えたら嬉しいし。その為にも、この子たちのパフォーマンスや雰囲気が好きなファン、応援してくれる人たちを増やせるように頑張っていきたいなと思っています。
<リリース情報>

Pre:inc.
1stEP『Pre:inc.』
2026年3月27日配信
=収録曲=
1. LITM
2. time after time
3. TCIY
4. Plastic Love
5. FLY-DAY CHINATOWN
6. LOVE
Official HP:https://reinc-official.com/